売上を上げたいな、とはいつも思っているのではあるがどうすればいいかと言えば、仕事を増やすということに尽きる。
仕事をすればするほど売上が上がる。
とても当たり前のことだがこの言葉は矛盾をはらんでいる。
仕事をしていて思うのが、普段の仕事をいかに効率よくやるかどうか。いわゆる仕事を減らすということだ。普段、仕事の時間中に考えることのうち、実は大半はこの仕事を減らすことだったりする。時間をかければ仕事は終わるのだけど、かけられる時間は限られている。時間を最大化するためには、仕事を減らす努力を怠ってはいけない。
仕事はいろいろな種類があるし、新しい種類の仕事も増える。ある時点ではスマートになっていても日々の繰り返しで特に忙しかったりすると見直すこともやらなくなり、雑に仕事のやり方が固定化してしまうことがある。
個人のみならず集団で、見直さないまま、あたかも決められたルールをきちんと守ることが正義のようになることがある。「この仕事場ではこれが当たり前なの。従って。」と説く人すら現れるが、たいていそんな方法に固執する必要はなかったりする。もういない誰かが決めたルールが無駄な仕事を、ありがたい仕事のように当たり前のように日々繰り返すような仕事こそ、減らしていかなければいけない。
この仕事を減らすというのは実は楽しさもあり、いわゆる「カイゼン」に通じる。日々改善していっても、新しいイノベーションにはたどり着けないという話もある。しかし地味な改善を継続的に行い最善を目指していくことで生まれる時間的余裕。これがあるから次のイノベーションに取り掛かれる。地面を大事にしないで空ばかり見ていてはいけない。改善とイノベーションは背反的なものではない。
今一番気にしているのが売上を上げたいということなのに、自分の時間を振り返ってみると、仕事を減らすことに注力している。
はて、売上を上げるためには仕事をたくさんしなきゃ・・といいつつ、減らしていく。
私は陥らないが、人によっては仕事を減らすと、やる仕事が無くなって困るということを許容できない人もいるだろう。仕事がないのに仕事に時間を束縛されるのは苦痛でしかない。仕事にしがみつく、というべきか。仕事のカイゼンを拒否し、今までの仕事の仕方に固執する。
この矛盾は度々企業を機能不全にしているように思う。
・あたかも残業する人が仕事をしているような雰囲気がある。
・非効率な仕事に対して改善もせずに時間をかけてアピールする。
・仕事の方法に疑問を持たず、言われた通りやることを唯一だと思い込んでいる。
・二倍売上を上げるには二倍人を増やせばいいという思考である。
これでは、仕事を増やすことと人と増やすことは同義になり、人件費が売上に比例して増えるために、何のために売上を増やすのかわからなくなる。また、仮に売上が減った時に増えた人間を減らせないと、利益が目張りしたり赤字になるリスクが増える。
仕事を増やすことと、仕事を減らすことは、同時にやらなければいけないのだ。
一見矛盾しているので、これを利用して「サボる」人は生まれる。仕事をゆっくりやって残業代を稼いだり、仕事の改善に抵抗する。
人を増やすことが悪なのではなく、仕事の量と人が比例するのがおかしいということだ。一定の売上を上げるために必要な仕事を減らせば、必要な人数も減る。仕事の方法を改善していくことと売上を上げることを同時におこない、過剰な人を抱えないようにする対策が必要となる。
・仕事の方法を常に見直し仕事量を減らす
・受注する仕事の量を増やし売上を増やす
・一人でできる仕事の絶対量を増やす
やはり一見矛盾して聞こえるので、正しい認識を持ってビジネスに臨んでいきたい。