orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

大坂なおみ問題に見る社員のメンタルヘルス

f:id:orangeitems:20210602084700j:plain

 

大坂なおみさんは「記者会見は人の心に対する気配りがない」と言う趣旨で、選手の義務であった記者会見を拒否し罰金を払おうとしました。それに対し、運営側は「それなら四大大会参加禁止な」と言って問題を大きくしました。大坂なおみさんは「棄権する。私、うつで悩んでて・・」までを知りました。

この流れって結構会社組織でもある話で、ある時期から社員が、会議で批判的な意見しか出さなくなったり、勤怠が悪化したり、裏で会社の悪口を同僚に言いまくってる噂などが立ったりします。その社員の周りの同僚も手をこまねいていて、あいつはなんなんだ、みたいなことになったりします。

マネージャーとしてこれはまずい、その社員の周りも迷惑だし、組織のモチベーションも下がる。緊急で会議室に呼び出して、ヒアリングすることになります。そうすると、止まらない批判。攻撃。こうすればいいのにああすればいいのに。一時間、二時間かかることも。ひととおり聴いたらスッキリした顔をして会議室を出ていきます。

問題は落ち着いたか?と思ったら全くそんなことはなく、また会議室に呼び出すものの、次は前回のヒアリングで話したことが守られていないだのなんだのと、攻撃性はいよいよ増長するばかり。で、あまりに目に余るので、いやまずあなたが変わりなさい、と自責の話をすると激昂。次の日から会社に来なくなったり、長文のメールが届いたりします。

で、あまりにも様子がおかしいので会社に相談したら、まずは産業医の面談を薦められ、その後結果として「うつ」のような心の病気の話に発展する・・という流れです。

若いマネージャーは特に、成功体験しか積んでいないことが多いので、上記のパターンになりがちです。部下の言動や行動を真剣に考え、対処していく。1 on 1ミーティングをすれば部下の気持ちがわかる。すべてを書き出し見える化して、PDCAすれば組織はうまくいくと思いがちです。

しかしそれはメンタルヘルスの分野の観点が大いに不足していると言わざるを得ません。今回の例では、まず早めに心の病気の可能性を検討するべきです。それは、「あなたは心の病気だ」と医者さながらに診断を下すことではありません。会社には産業医がいることが多いので、総務と相談しながら専門家に相談させることです。心の病気に支配されているときの行動・言動は、当の本人にもコントロールできなくなっている可能性があります。にもかかわらず本人に自制を求めるとかえって心の病気を悪化させ、正常化に程遠い努力をしていることになりかねません。

今回の大阪なおみさんの例にしても、「うつ病に悩んでいたから」記者会見を拒否した。であれば、もっと早い段階で運営側が選手の心の病気に対してケアを行い、異常があれば休ませるなどの措置をしていれば、記者会見拒否や四大大会出場禁止のくだりは全く不要だったように思います。いや、会社員じゃないから、とは言いますが、それは昨今の芸能人の心の病気による休養が増加していることを考えると逃げられる話ではありません。もっと運営側が心の病気は誰にでも訪れることを前提に、関係者のケアを行っていかないと、余計なエネルギーを使ったり、もしくは組織の危機にまで発展する可能性があります。また、SNSや、テレワークに代表される環境の激変などにより、個人の心の健康が脅かされる状況も増していると思います。

組織とは、人間によって構成されますから、メンタルヘルスの問題は実は中心にあるべきです。他人事とは思わずに対処するとともに、しろうと判断をすることなく、早めに専門家に頼ることをおぼえましょう。