orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

もしかして量子コンピューター、そろそろ興味を持つべき?

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量子コンピューターが遂に実用化?

量子なんとかというニュースをよく耳にするようになりました。

 

www.itmedia.co.jp

東芝日本電信電話(NTT)、NEC日立製作所富士通など11社は5月31日、量子コンピュータをはじめとする量子技術の産業応用を検討する場として「量子技術による新産業創出協議会」を設立すると発表した。米国や中国で量子技術への投資や研究開発が進む中、日本企業が横断で産業化に取り組むことで、世界に対しリードしたい考え。7月から8月ごろに設立総会を行い、経団連などを通じて企業の参加を広く呼び掛けるとしている。

 

www.nikkei.com

メルカリは5月31日、量子データを送受信する通信基盤である「量子インターネット」の研究開発を進める産学連携コンソーシアムを設立したと発表した。メルカリのほか8大学と2組織が参加した。

 

この量子コンピューターと、量子インターネットの話は一対になっていて、そりゃあデジタルは1と0だったのが、1でも0でもない、と言う概念が生まれるという話なので、ネットワーク機器も単に1と0を運ぶ現状の機器でも対応できないし、その集合体であるインターネットも新しくなるという理屈です。

この量子コンピューターの話は、業界にいるとちらほら聞こえてきていたものの、全然商用化された話は聞かず、私の手元にはまだ来ていません。ああもう、例えば水素自動車のように全然普及せずに、ニッチに過ぎていくのかなと思った矢先に、最近いろいろ報道されて少し気になり始めています。

 

www.nikkei.com

米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は26日、次世代の高速計算機である量子コンピューターを外部の企業や団体に貸し出すクラウドコンピューティングサービスを5年以内に始める考えを示した。米カリフォルニア州で開設した拠点などを活用して研究開発を加速する。

 

とかなんとかで、この先5年を占う技術になるかも?!、といった具合ですが、そうやって思わせぶりに煽っておいて何も聞かなくなる技術もごまんとあります。

 

何がスゴイ?

以下、5分で量子コンピューターの可能性を感じられる記事をご紹介します。

 

www.mitsubishi.com

名前はしばしば耳にするものの実態はつかめず、話を聞いても理解を超える謎の存在、「量子コンピューター」。仕組みを知るのは難しいながら、ともかく「未来を変える、スゴイもの」と評判で、すでに商用開発もスタートしている。

はたして、量子コンピューターとは何がスゴイのか。実用化でどのような社会課題が解決され、私たちの未来はどう変わっていくのか。
1970年の三菱未来館で披露された「ボタンひとつで仕事が完全自動化される」という予測は量子コンピューターによって実現するのだろうか。

今回も三菱グループシンクタンク・三菱総研にお邪魔して、現状と展望を伺った。

 

私が知っている「すごいかもしれないけど、まだ実用化は全然先で、使われるとしても手元に来るものではないでしょう」「今のコンピューターやインターネットを置き換えるものじゃないよ、用途が違うから」という夢も希望もないような話が、よくまとめられています。

でもそんなこと言ってて、実は新発見でとてもコモディティー化できるコツのようなものが見つかり、それで取り組んだ国家が一気に世界を制する・・みたいなことってよくあることですよね。

 

media.dglab.com

2019年10月、Googleは同社の量子コンピューター「Sycamore」(量子ゲート方式)が、従来のコンピューターの計算能力を大幅に上回る、いわゆる「量子超越性」を達成したという論文を発表し大きな注目を集めた。これまで量子コンピューターはある条件下で、従来のコンピューターよりも高速に計算できることは理論的にはほぼ確実とされていたが、これが実験で検証された。

 

Googleは、今のコンピューターより量子コンピューターのほうが計算速いよ!、と言っているにもかかわらず、やっぱり用途は限定されるのだと。また、省電力なので、性能は低くても並べたら面白いんちゃうん?、というまた現実解のような話が出てきますね。

 

pc.watch.impress.co.jp

 日本マイクロソフト株式会社は19日、量子コンピューティング技術に関するプレス向けラウンドテーブルを開催。株式会社Jijとの共同の取り組みについて解説した。

 発表の内容については、5月19日に米国で発表されたもので、株式会社Jijと協業し、「Azure Quantum」上で信号の点灯パターンの最適化を実現したというもの。

 

これも、いわゆる「量子コンピューターに適合した用途」で計算した際に、求められる結果が出たというもの。

だんだんカタチにはなって来ているけど、普通のインターネットとコンピューターはこれからも生き続けるという論が根強いのはわかりますね。

 

昔のパソコンを作った人たちの自伝を読んだりすると思うのですが、はじめは「手元」から始めるんですよね。ガラクタを買ってきては自宅で工作して、あれやこれや悩む。完成させたら実はあんまり使わなくって、作ることが喜びだと。

ラズベリーパイなど電子工作の分野ではむしろ昔より安くて性能のいいものが売られていますが、スマホみたいなものが簡単に手に入る世の中だとイマイチ萌えない。

雲の上に量子コンピューターがあって、それを端末から操作する、みたいな感じにならざるを得ないんですかねぇ。

 

prtimes.jp

IBM Quantumは、量子コンピューターのプログラミングに関する世界初の開発者認定資格を発表します。

 

ascii.jp

登壇したAWSジャパンの宇都宮氏は、量子コンピューティングについて「微少な量子力学の物理法則を用いた新しい計算手法を模索する分野」と説明。数倍・数十倍のパフォーマンス改善ではなく、指数関数的な加速を狙うという点ではパラダイムシフトだが、スケーラブルなハードウェアを作り、ビジネス応用につながるアルゴリズムを発見するという点はハードルが高く、科学的・光学的に大きな挑戦になるという現状を解説した。

 

と言った具合に、なんだか近づいてはきているのですが、しばらくは雲の上の話になりそうです。

この「なんかすごいけど、何使うのがベストなのか誰もわかってない」「手元に来るようなものではなさそうだ」と言う状況で、大手資本がワイワイやってる感じのこの量子コンピューター、調べれば調べるほど、うーん市場になるまでにはまだまだ遠い場所にありそうだなと思いつつ、実用化には「3年」「5年」みたいな具体的な話も出始めている状況。もし勝利者になりたいなら、今のうちから取り組んでおくのは手かもしれません。

 

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