IT業界にいると、技術力という言葉から逃れることはできません。
しかし、なんと、捉えどころのない言葉か。
一方で、技術力がカバーできない能力は何でしょう。
・人間力
・管理力
ぐらいでしょうか。
技術力はあるかもしれないけど、人間力がねえ・・
技術力はあるかもしれないけど、管理力がねえ・・
なるほど成り立ちますし、どこかで聞いたことのあるセリフです。
チームワークが求められるような、大所帯の会社だと、管理力が強く求められますよね。一人ではできないことを、たくさんのメンバーが集まることにより、何倍にも成果を広げることができる。
管理力があっても、人間力がないと、反発を喰らい成果が上がらなかったり人が辞めて行ったりもします。
管理力も人間力もあっても、技術力がない。そんなタイプの人もいますが、うまくたちまわって、技術力がある人を味方につけ、大きな成果を手にする人もいます。特に人間力があると、いろんな人が助けてくれる傾向にあると思われます。ただ、うまく立ち回る系の人は、どこかで技術力のなさがバレて、会社から希望退職や早期退職の輪に引き込まれがちのように思います。成功しているので自己評価も高い傾向にあり、一方で他の会社に移ろうとしたら技術力の裏付けがないと、苦労するかもしれません。
このように、技術力・人間力・管理力のうち、どれかが秀でていると活躍ができるかもしれないけれど、劣っている部分をうまくカバーしないとそれがアダになり、低評価の理由付けにされてしまいます。
そうならないようにするにはどうすればいいか。
自分の劣っている部分について、客観的に認識するべきだと思います。
治せ、とは言ってません。まず知ることが重要です。
知った上で、基礎を学ぶべきです。基礎で十分です。そもそも苦手なのですから、たくさんの時間をかけて悩む必要は全くありません。誰でも理解できるような簡単な話を身に着けます。
今では、技術力も、人間力も、管理力も、基礎であれば簡単に学べますよ。
例えば、Kindle Unlimitedを契約したらたくさん、その筋の本が格安で読めますよね。
でも、結構、人間、苦手なことは徹底的に避けているものです。おれは技術の人じゃない。人間力なんて自分には無理。管理は私の分野じゃない。そうやって、基礎から逃げている人は案外多いものです。
しかし。
一番学んで効果があるのは、こういう、基礎から逃げている部分ですよ。
だって、本を読んでおけば、一生使えますもん。基礎というだけあって、身に着きやすいしわかりやすいのです。
基礎さえ身に着けたら、後はもう、自分の得意分野を伸ばすことだと思います。専門性と言われる分野です。
どうせ、評価されるのは尖った部分です。平均的にどの能力も優れるバランサーは、運を掴めば評価を得られる可能性はありますが、どこかで頭打ちとなります。上に上がっていく人は、概して他人と差別化できる何を持っているからです。
基本的には自分の中の得意分野を知り伸ばしていく戦略は間違っていないのですが、どこかで、苦手なことを徹底的に避けるバイアスが働き、三十代、四十代の勝負をかけるタイミングで、基礎からやっていない部分が自分に具体的な現実となって返ってくることを知っています。
全ての分野の専門を目指すのは、時間も気力も足りませんから、まずは自分自身をよく知ること。そして、弱い部分について、基礎だけは身に着けておくこと。そして、強い部分を伸ばしそこで勝負すること。
こんな考え方こそ、社会を勝ち抜くためには必要ではないか、と思います。