orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

コロナ禍で、女性の非正規社員が大幅に減少するとともに、女性の正規社員が大幅増加している話

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日経の記事にびっくり。非正規社員が減少しているらしい。

 

vdata.nikkei.com

総務省によると2月の非正規社員は2052万人で、前年同月と比べて107万人減少した。女性が89万人減、男性が18万人減。一方、正社員は3556万人と26万人増えた。

 

下記のグラフが最も大事でありまして。

 

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日本経済新聞より転載

 

端的に言えば。

 

女性・正規社員 → すごく増え、高止まり

女性・非正規社員 → すごく減ったし、下落傾向が強まる

男性・正規社員 → ちょっと減ったが、下落傾向は強まる

男性・非正規社員 → 少し減ったが、下落傾向は弱まる

 

こんな具合に理解すればいいと思います。

女性の正規社員が増えている!というのは意外ではないでしょうか。一方で女性の非正規社員がかなり減っているので、今まで非正規で就労していた人が正規になっているということがわかります。

私は、非正規の制度自体に反対なので、もろ手を挙げて賛成な動きです。この不安定な経済状況において、中核となる戦力を確保したい動きが女性を中心に広がったのだと思います。また、テレワーク・リモートワークが大幅に導入されたおかげで、労働に積極的に参加できる女性も増えたのではないかと思っています。

一方で、男性の非正規社員は減っていませんし、正規社員も減っている。これは、コロナ禍の状況で苦境に立たされた企業から、これまで仕事に見合わない給与を得ていた男性社員が整理されている状況を想像します。

したがって、男性と女性がコロナ禍において置かれた労働環境の変化は、くっきり分かれます。これはコロナ禍がよく「時間を進める」とは言われますが、日本も女性を労働の中核に引き寄せる動きが強まったと言えると思います。これまで非正規に置かれていた「活躍していた」人々が、正規として契約し長期に活躍してほしいという空気が広がっています。このことをたくさんの女性は知った方が良いと思います。これまでの男性上位の価値観はコロナ禍で大きな変化が起きている。今まではチャレンジしても無駄だったことが、大きく変わるきっかけが今起きていることがこのグラフで知ることができます。

逆に言えば、男性の非正規化が進む可能性もあります。正社員=男だった時代が変わるのですから、守られていた人々が整理される状況も生まれています。希望退職・早期退職の現象は、対象はおそらく男性ばかりであり、この流れの後は非正規に流れる可能性がある。ただ、男性の非正規については、女性とは少し見方を変える必要があり、フリーランスや業務委託、副業など、いわゆる正社員的な働き方とは一線を画した人々のゾーンが生まれていることも踏まえる必要がありそうです。

日本は男性優位と言われて久しいですが、少なくとも足元の労働環境に変化が訪れていますので、このチャンスを活かせる人が増えると嬉しいです。