orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

なぜわけの分からない人材募集が流行するか

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月イチ出社だけでそんなにもらえるのか~、という募集が流行しているらしい。

 

www.nikkei.com

パルコなど50以上の企業が、期間限定で「プロ人材」を雇い入れる採用ポストを公表した。優秀な人材にスキルを生かしてもらい、一企業に縛られず、複数企業に勤める働き方を提案している。50社が求めるのは終身で働く忠誠心より、即戦力だ。専門知識を持つ人材の活用策として定着するだろうか。

 

まじめに働いているのがバカになりそうな、一方で一般の仕事に対しての給与水準の低さは何なのか、と言う思いになる人もいそうです。

 

www.nikkei.com

経団連の中西宏明会長は27日、連合の神津里季生会長とオンラインで会談し「日本の賃金水準がいつの間にか経済協力開発機構(OECD)の中で相当下位になっている」と語った。

 

この2つのニュースのギャップがなぜ生まれるか。なぜ、一般の安い給料の一方で、わけのわからない募集が流行しているのか、そのからくりを話します。

こう言ったプロ人材に何を期待しているか。

それは「どうやって実行するか(プロセス)は全く定まっていないが、結果は出してほしい」という状況に各企業が追い込まれているからです。

プロセスが決まっていないので、外部業者に請負で仕事を依頼することができないのです。だって、どういうふうにやるかわからないけど、売上を上げてください、という仕事を請けられる業者は危な過ぎていません。建物を建てて欲しい、システムを作って欲しい、要件があってこそ仕事が成り立つのが普通です。

日経の記事に、プロ人材募集の相場が書いてあったのですが、だいたい30万から50万くらいに見えます。年間にして500万行かないくらいで、この規模で一年間、何か仕事を目的にしてやってもらえるのなら、通常のシステム開発や、外部にSESなどで仕事を依頼するよりもユーザー企業は安く感じるはずです。なぜなら、直接雇用なので、会社を通さないために変なマージンが含まれていないからです。

しかも、一度雇ってみて「ハズレ」だったら、契約を切ればいいのはSESや派遣契約と同じなので、これは企業にとって、相当都合のいい人材募集だなと思います。

一方で、雇われる側は一社だけ契約を採れただけでは安すぎる相場です。いつ切られるかわからない状態ですから数社契約して安定を図りたいところでしょう。副業として取り組めるのか、もしくは複数を兼ねて仕事することができるのか。

しかしリスクはあります。契約してみたら、ものすごく生産性の低い仕事内容が待っていて、時間ばかり取られ、他の仕事ができなくなるかもしれない。もしくは、とても実力があり、時間をかけないで高い成果を持って完成させたら「はいおしまい」となって、せっかく実績を出したのに短期間で終わってしまう。

もともとの要件があやふやなので、こういった低価格で有期限で、でも求める結果は一人前、のような人材募集が流行しているのですが、求める結果を考えると私は、安すぎると思います。安すぎるからこそ、企業にとっては都合がいいのです。

もし、全体的に、これらの取り組みが失敗に終わるのなら、一過性のものになってしまうでしょう。私ならこの条件で絶対請けないな。普通に受託で請けたほうが値段も高いし過去の取引実績もありますから。

それぐらい、各企業も、今までどおりのことをやっていくのならどうやればいいかわかるけど、DXだイノベーションだと言われて何をすればいいかわからないから、一定期間でも自社の業務プロセスを見てもらって、感想が欲しいな、ということになっているのだと思います。

もしくは、この緩く低廉な募集が成り立つのなら、アウトソーシングを外部会社に頼むより自社で募集したほうが安くない?という腹でもあるのでしょう。

というふうに、この「プロ人材募集」私はとても批判的に思っています。