orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

来年度が見えない

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かなりの企業が3月決算で、4月以降の予算を立てはじめるのが2月です。来年度の事業計画を作成し、そこに予算を付けて来年一年を計画するのですが。来年度ってどんな年度になるのか、誰が予想できるでしょうか。

悲観的な予想をすればするほど、予算というものは縮小されたり付かなかったりするのです。まだ今年度はコロナ禍直前だったので、コロナ禍前の予算がそのまま計上されたためまだお金があった。しかし、ここからの計画はコロナ禍をどう捉えるかで随分と違ったものになるでしょう。各企業がどんな未来を描いているかはまちまちで、それは政府ですら未来を示していないことからも、各社訳が分からない状態になっているだろうことは手に取るようにわかります。

「来年度は・・どんな年かねえ?」

社長が真顔で役員たちに相談すると、おそらく役員たちは「どうですかねえ?」と疑問を疑問で返して、「聴いているのは私だ」とキレられるところまでは様式美だと思います。この現象に名前を付けた方がいいのかもしれません。社長、政府でもわからないことは私にもわかりませんよ。

計画が立てられないということは、業績予想もおそらく未定とするところも多そうな気がします。悲観的な未来と楽観的な未来で、レンジ予想とする企業も増えるでしょう。ただ、おそらく楽観的な未来で予算を立てる企業は皆無だと思います。楽観的な予想も立てつつ、予算は悲観的な未来に対して立てる保守的な経営がこんな状況では現実的と言えましょう。

予算が付かないと何が起きるかと言うと、商談が全くすすまないのです。各社新しいことをしなくなり、今のビジネスを維持するための守りの投資が中心になりますから、既存顧客をとにかく大事にするしかない。でもその既存顧客ですら、年度替わりで予算を縮小する、なんてことになると、新規案件が取りにくいこの世の中でダブルパンチとなって、ビジネスを混乱させます。

来年度、楽観と悲観に分けて考えます。

楽観:春になり温度が上がるにつれ、感染者数は右肩下がりになる。勢いが衰えた夏を中心にワクチン接種が順調に行われ、秋は経済活動がほぼ戻る。コロナ禍でできなかったことができるようになる。GoToなど政府の景気刺激策も再開する。購買活動が前年比で大幅アップとなり、各社増産に追われ好景気が訪れる。

悲観:春になってもなかなか感染者数が減らない。ワクチン接種の体制が整わず、国民全員に行きわたらない。効果が表れるのに時間がかかり、経済活動は依然として制限され、年度末までのコロナ禍収束はない。GoToなど政府の景気刺激策も、去年の失敗から慎重にならざるを得ず、実施できないまま年度が終わる。

この楽観と悲観のラインの中で、どこを指すかについては、実際誰も議論しないし、約束できないという姿勢なのが、民間の混迷を深めていると思います。

このままだと、悲観寄りに企業が年度計画を立てざるを得ず、何かいろんな稟議が停止状態になり、仕事が受注できず、2020年度は好調だったIT関連もユーザー側の予算縮小の憂き目に巻き込まれ、ネガティブにならざるをえないのではないか。そのネガティブさを表現しないために、来期予想数値はレンジにするか未定にするかで曖昧な表現にとどめるけれども、このままでは予算は満額おりないのではないか、と思うのです。

来年度が見えない。

2月になるとひしひしとそういう思いが強くなってきました。この年度越え、こういう不安を払拭できるようなコロナ禍収束の兆しが誰にでもわかるようなニュースが飛び込んでくればいいのですが、間に合わないかな・・。2月は日も少ないし、祝日も多いし・・。うーん。。。