orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

キャリアパスは、会社人にとって希望そのものであること

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ここ数日で年に一回起こるかどうかみたいなことが立て続けに起きて、頭が回転しまくっている今日この頃です。

さて、その中の一つの話。

どこの会社でも同じだと思うのですが、評価を上げていくために等級のような制度があって、またそのイメージが定義されていると思います。等級が上がれば給料が上がる。等級ごとに、リーダーだのマネージャーだのスペシャリストだの、理想像を規定し、それに一致しているかどうかで評価をする。だいたいどこの会社でもそうかな、と思います。

どうやって等級を上がっていくかというストーリーがあって、それを達成すれば給料が上がっていくことになっています。技術者のストーリーであれば資格を取ることで達成とする場合も多いでしょう。マネージャーであれば案件の規模や扱う金額の多さ、もしくは部下の数なども当てはまるでしょうか。そのほか、人の性格によっていろいろとストーリーがあれば、自分の適性を鑑みてクエストを選んでいくことになります。

しかし、このストーリーの種類が少ないとどうなるか。

RPGで言えば、ジョブが白魔導士なのに、敵にダメージを与えて倒した場合にしか実績と認められない場合どうなるか。チーム戦闘において回復役として非常に貢献しているにもかかわらず、経験値が溜まらずレベルアップしないということになってしまいます。同じゲームをしていても、戦士職にはヌルゲーなのですが、回復職にはクソゲーになってしまうのです。その結果、そのゲームでは誰も白魔導士はやらなくなります。

ということが、会社でも起こるのです。

このストーリー、と例えたものは正確には「キャリアパス」と言うのがふさわしいでしょう。自分のキャリアがどのような経緯を辿るか(パス)。パスが閉ざされたゲームをいつまでもやっていても、時間のムダです。

・・と例えましたが、どうも自分の身の回りでもこのキャリアパスについて、非常に硬直化していて、実力があるのにもかかわらず認められない、という現象が発生していたようです。これについてかなりの調整を行い、どうも複数のキャリアパスが用意されることになりましたが、こればかりは、自然にキャリアパスが出てくるものと言うより、上に立つ者がちゃんとゲームメイクをしないと、プレイヤーたる社員は勝手に希望を失くし勝手にいなくなるという現象が起こるということに気が付きました。

私自身は、どんなルールであってもかいくぐる方法があると思って仕事をしている感覚でした。ルールを作る側は、既存のキャリアパスをかいくぐって上って来た人なので、今のキャリアパスが硬直的だとはつゆも思いません。しかし、時代は変わりますし、新しいスキル、新しい市場へ挑戦するならば、必ずセットで、このキャリアパスを作ってやらないと、フィットした人がいてもいつまでも評価されないという悪夢が待つことになります。

また、このキャリアパスについても、仕事をしている時間で身に着くのが最も良いと思います。業務時間外に努力して取ってこい、となると、人によってはその時間が取れない人もいるかもしれません。また、業務時間外に仕事で必要なスキルを付けることを半ば共有するのはフェアではありません。ですから、業務時間内の研修など、教育もセットでキャリアパスを提供しないと、これまた不幸が生じてしまいます。

ゲームでレベルアップするために、現実で何か努力しろというのは、やっぱり変ですよね。ゲームはゲームの中で、スキルが上がっていくべきです。

結局、このキャリアパスって、会社人にとっては「希望」そのものなんですよね。希望がないのに会社にいたら、それはおかしくなってしまうでしょう。努力しても報われない。努力の方向が自分のやっていることと合致していない。仕事以外の時間の努力を強制される。

これでは、希望がありません。

もし、業務時間外の努力ありきであれば、何も負担のない若手のほうが楽でしょう。しかしそれは競争としてフェアではない。

ここ数日で、このようなことを思いました。ちゃんとキャリアパスを作ることは、たくさんの人の希望を作ることになるんだな、と強く思いました。