今のAIには不満を持ってまして・・。と言っても最近流行のディープラーニングどうこうではなく、サービスとしてのAI。
大昔のNifty Serveで、「会話くん」というサービスがあって、めちゃくちゃ通信料金が高かったのに数十分使って当時興奮したのをおぼえています。前のユーザーの情報も一部おぼえていて、意味の分からない回答の中に何か変な情報が含まれて驚いたような記憶があります。
NIFTY-Serveには会話くんという人工知能とチャットできるサービスがあった(1993年サービス提供開始)
いまでこそLINEやfacebookメッセンジャーでのチャットボットが注目を浴びているがそのはしりである。
で、今日も、Slack上で雑談に応じてくれるチャットAIの話がリリースされていました。
インターメディアプランニング株式会社(IPI)と株式会社NTTドコモは、雑談対話サービス「かたらい」のSlack向けアプリの提供を開始したと発表した。Slackの雑談チャンネルを活性化させることが主な目的。かたらいのベーシックプランまたはエンタープライズプランを契約していれば、無料で利用できる。
この記事の、使用例のところを見て、ああ、私の思う不満点が現れているなあと強く思いました。以下、関連記事もご紹介しておきます。
NTTドコモが雑談を専門に開発した技術を用いた対話システムが「かたらい」です。「しゃべってコンシェル」に蓄積された21億回以上の日本語大規模データをもとに、4000万シナリオ相当の雑談を対話AIの最新技術でこなします。
チャットボットは、とにかく質問に対して正しい回答を返してくれようとします。
問い合わせサイトならそれで十分だと思います。
ヘルプデスクのデータベースから最適な記事を見つけ出し、まとめて答える。
でも、雑談って、別に相手から知識が欲しいわけではないと思います。
何を思って、人と雑談するのだろう。
よく思うのは、相手には自分の話を聴いてほしい、ということですよね。
相手が自分のことに関心を持ってくれることがうれしい。
「あなたは、そうなんですね。すごい。」
「なぜ、あなたはそう思ったんですか?」
「なるほど」
または、前に話したことをおぼえてくれると、自分を軽く見ていないんだな、と思ったりします。
一方で、「ラーメン食べたいなあ」という人間の発言について、
「日本で最初にラーメンを食べたのは、水戸黄門こと徳川光圀らしいよ。」
と言う答えが返ってきた時に、雑談相手としては私は不満を持ちます。
これは、AIは私がなぜラーメンを食べたいかではなく、ラーメンに興味があり自分の知識を相手に伝えることを目的にしたからです。
「確かにラーメンってたまに食べたくなるよね、君はとんこつが好きなんだっけ?」
って返してくれたら、「そうそう」と話が弾んでいくものです。おお、好みまでおぼえていてくれたのか、って。
どうも、どんなチャットポッドも、正解率のようなものを達成基準にしているような節があって、雑談をすることには全然近づいていないのではないか、と思う節があります。
何か話したら、そのたびにどこからか豆知識を持ってくるのがAIだとしたら、それは雑談ではないよな・・と。
しかも、無尽蔵に知識を披露してくるから、AIのアウトプットを受け止めきれないんです。もっとかみ砕いて端的に話してよ・・。
こちらが話したこと、少しはおぼえてよ。
やっぱり今のAI、あまたの会話から回答を引っ張ってくる方式の「会話くん」では、支離滅裂な会話か、限定的な会話しかできないのではないかなぁ。
LINEの某チャットポッドも、話が飛びまくるし、こっちが言ったこと全然覚えてもないし踏まえないし。感情がない・・か。それも致命的。
むしろ、ドラクエのNPCや、ギャルゲーのキャラクターのほうがまだ人間らしい会話するよね・・と。
そう考えると、まだまだ現代版「会話くん」は目の前に現れていないようです。
AIとお話がしたいのにできないもどかしさ、どうにかならないものか。