orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

孤独に強いことはビジネススキルになる

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孤独という言葉を恐れていたのは学生の頃で、だんだんとその恐れは無くなり、四十代のころに吹っ切れたような気がします。

この、孤独、という熟語自体がとても負のオーラをまとっていますよね。今も昔も学校というのは友達百人できるかなの世界で、いわゆる負けたことを表す表現でした。友達の多さこそがステータスであり、孤独であるのはこの世の地獄とも言えました。

私が特にこの孤独について向き合ったのは、高校時代でした。何と寮生活であり、かつ集団部屋での生活でした。私は全く馴染めないまま3年間を過ごしたのですが、何しろ馴染めないのに24時間学校の中に居なければいけません。学校の中に寮があったので逃げ場が無かったのです。

高校卒業してからも思い出したくない3年間としてトラウマのような状況でしたが、長い年月を経て、何が起こっていたかを反芻することができるようになっています。

この、孤独という言葉、実は表現だけの問題です。自立や自律、なんて言葉で置き換えることもできます。

いくら友達ができたところで、仕事上の人脈がたくさんあったところで、そして家族を得たところで、人間の本質的な存在は孤独であると思います。

自分で考えて、自分で決めていく。それは普遍のルールですが、社会はあたかも社会のつながりによって個人が成立しているように投げかけてきます。それは、日本では特に強い傾向にあると考えます。目立つ個性は封じようとしがちですし、同調圧力という言葉で最近は表現されることが多いです。具体的に思い浮かぶのが、数十名の集団を同じ場所に集めた時に、数人がグループになる現象が発生しませんか。その集団からあふれた人を社会的弱者と潜在的に見下ろしがちではないでしょうか。

私自体が、人と群れを作るのを好まず、一人で行動したいという傾向が強く、そしてコミュニケーションを取るにも一人や二人との少人数で話し込むのが好き、という特性上、たいてい、組織に属すると孤独というか孤立し勝ちでした。それはもう子供のころからのコンプレックスでした。

そしてそれを克服しようと様々な努力をしたのですが、それらは全部無意味というか、無理なんだと気が付いたのが四十代ごろでした。ああもう、全部やめようと思った瞬間に楽になり、いろんなことがうまくいきだしました。

そもそも、人は孤独であり、独立している。その前提で仕事からプライベートまで行動や発言を統一し出したらいろんなことがうまくいきだしました。

結局、全ての人々も同じで孤独を抱えていて、しかしそれが苦痛なので、同調したり群れたりするものなのかなあ、とも思うようになりました(本当にそうなのかはわからないけれど)。

私自身は、この性格のため、孤独にはそもそもずっと向き合ってきたので、多分に人一倍耐性があります。したがって、全て物事は自分自身で決めますし、同調して何かを変更することはありません。一方で、ああ、これは同調圧力の何かだなと思ったときで、自分にとってどうでもいい時は、別に争いを起こすことなく、そのまま従うようにしています。何でもかんでも独立したいわけではなく、自分がこだわっている部分だけ守れれば良いのです。

こうやって孤独に強いことは、実は社会に出てから強みとして発揮されることになります。ビジネスの場面で、責任を持てば持つほど孤独になる傾向が強いです。特に思うのが、社長という立場は見ていて孤独に陥りがちです。社員が「これは経営判断だ」なんて言うたびに、また社長に丸投げかと思っているに違いありません。最後に判断を求められるというのが責任だと思いますが、その責任が集中すればするほど、孤独に陥りがちになります。ビジネスは責任分担によって成り立っていますので、孤独に強ければ強いほど、責任を的確に施行していくことができます。

ですから、ビジネスで成功していく人は孤独を感じることが多くなり、そしてそれに強い人が生き残っているように思います。

一方、基本的に孤独、一人であること、を自認することにより、もし周りが助けてくれたときには、感謝をします。助けてくれないのが当たり前、でも助けてくれた。社会で偉い人が、よく社員や家族などに感謝の念を伝える場面があると思うのですが、彼らは孤独を認識しているからこそ、ああやって心の底から感謝できるのだと思います。やってくれて当たり前だ、なんて思っている人には、やっぱり周りも付いていかないですよね。

今、孤独で悩んでいる人に伝えたいこととして、それは悩むのはいいけれど、結果的にはその経験を活かして独立して行動してみるといいかもしれないと言いたいです。誰しもそうだと思えば、別に劣っていると感じる必要は全くありません。一人で行動しましょう。それでも助けてくれる人はいますから、その時は感謝しましょう。感謝だけすればよく、依存していく必要はないのです。そういう考え方に立てれば、孤独をもっと受け入れられると思います。