はじめに
パワーポイントの資料作成はよくある仕事の一つですが、誰かにやらせてみると意外とポイントを押さえていないと思うことがあります。
パワーポイントの資料作成は巷で最近嫌われていて、中身のない資料に時間を浪費しがちとも聞きます。しかしそれは、ポイントを知らないで必要のない作業を組み込んでしまうからだと思います。それぐらい、パワーポイントは装飾がたくさんできるので作業が脱線しがちです。
私の考えるポイントをまとめておきます。
ポイント
情報を省略しすぎない
「文字をいっぱい埋め込むパワポは、発表時に誰も全部読めなくてナンセンスだ。紙に印刷して配るなら今度は発表の意味がなくなる。家に帰って読めとなる。」
こういう主張が行きわたったようで、一ページに文字だらけのパワポは無くなった傾向にあります。
しかし、これを真に受けすぎて、あからさまに文字の無いパワポを作る人がいます。
発表時に、ほとんど口頭で説明しようとするのです。手元に原稿まで作っているようです。
さて、もしパワポの資料だけが独り歩きしたとして、利用に足りますか?。何の資料か、その資料だけで成り立ちますか?。
別に原稿を書くぐらいですので、そのポイントぐらいはパワポの中に埋め込んでおきましょう。たくさん作文する必要は無く、箇条書きを残すだけで十分です。
色は3色まで
極論言って、黒でテキスト書いて、重要なポイントを赤にするのが一番わかりやすいですね。今や何千万色も表現できるので、どんどん色付けしちゃうのですが、文書の内容とは関係ないことが多いです。
あと1色加えて、3色を使い分けするぐらいが、おしゃれな資料だと思います。
それ以上は、無駄だし、どの色がどんな意味かも分かりづらい。
文書全体で3色はきちんと統一し、それぞれの色に何の意味を持たせるか、初めから決めておけば、統一感のある資料を短時間に作ることができます。
アニメーション、いらない
プレゼンはできるだけ話し手の方に目線を向けさせたほうがいいです。
ある程度コミュニケーションが成立したほうが、良い発表になりやすいです。
アニメーションって、プレゼンに目を惹きつける効果はありますが、それって何のためですかね。話し手から注目を奪ってしまいます。
アニメーションの実装ってやってみればわかりますが結構時間食いです。再生して確かめることもしなければいけません。
パワーポイントは紙芝居だと思って資料作りしたほうがサクサク進みます。
論文と同じ論理構成が必要
論文や報告書を書く場合って、こんな構成ですね。
・この文書の目的(結論)
・問題提起
・調査
・結果
・考察
・まとめ
パワポはこの順番で書けば、立派な文書が出来上がること間違いなしです。
読み手はそもそもこの順番で話が進むと思い込んでいるので、どこかをすっ飛ばすと発表に疑問を持ちます。説得力に欠けるからです。
技術者で、このあたりの国語的なことをさっぱり無視して、技術的な内容をずらずら書き、なんのための資料か、何を言いたいのか、発表者の意思は?、なんて思いをたまにしますが、やっぱり構成を無視しているからだと思います。
文を書くこと
絵や表ばっかりで、文の無いパワポもよく見かけます。
この絵や表は何のために出したのか。口頭で説明をするんですがそれは、口頭説明ありきの資料であり、パワポ単体では成立できません。
ぜひ、スライドには何のために絵や図を出したかちゃんと、「文」で説明するようにしましょう。
「補足資料」ってタイトルのついた文書にありがち・・・です。
まとめの書き方
まとめは、以下の内容が欲しいところです。
・この資料を通じて客観的にわかった事実
・自分の主張
結構主張が弱かったり、突然資料で説明したことから逸脱し出すパワポも見ることがあるのですが、それって資料を作った意味が無くなるような気がします。
事実を主張を分けることも大事ですね。
脱線しやすいからこそ、ポイントを守って
ということで、私の経験からパワーポイント資料作成のポイントをつらつら書いてきました。
資料単体でいいとか悪いとかを論じるより、書き手が科学的根拠に基づいて結論を導き出し、その上で考察を深め主張をする。実はワードもパワポも魂は同じだと考えます。
参考になれば幸いです。