orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

否定形の結論を使うべきではない

f:id:orangeitems:20200621212908j:plain

 

否定形の結論を使うべきではない。

 

そもそもこのタイトルで、否定形の結論としています。

最近こういう言葉の使い方をする人が増えていると感じています。もしかしたら流行しているレベルなのかもしれません。

ただ毎回思うのは、この話し方、人に伝えるという効果から考えると、とても頭に入りにくい表現です。

特に日本語は、文の最後の最後で否定できてしまう言語です。

肯定しているのかと思ったら、最後に否定され、今まで言っていたことが裏返って聞き手は混乱します。

一度混乱したら、次の言葉も最後で否定するんじゃないかと思って聞き、そして否定しなかったりしてもっと混乱します。

ですから、

 

否定形の結論は避けるべきである。

 

こんな言い方の方がふさわしいかと思います。そしてすべてのセンテンスを、肯定(である)でそろえることをお勧めします。

「転職は、いろいろなリスクを見落とす場合があるので、感覚的に決めてはいけない。」

これを言い換えるなら、

「転職は、いろいろなリスクを把握するために、感覚的ではなく論理的に決めるべきである。」

とした方がいいでしょう。最後は肯定的に文を締めることを心がけましょう。

 

と、ここまで書き終えて、ツイッターを見てみるとやはり、・・・はしてはいけない、・・・してほしくない、と、ないないずくしだなあと。否定形を用いることで何となく防衛的な雰囲気も感じます。全体集合のなかのこの部分だけ否定したい、という思いです。実際に人に何かを主張するときは、むしろ部分肯定の方が相手に刺さります。相手に刺さることより自分を守ることの方を優先しているコミュニケーションが流行しているのは、SNSというある程度リスクの高いコミュニケーションスペースで、攻撃を受けないための防衛反応だと考察しています。

 

2020年に入ってから、なんとなくですがブログを書く人が増えたと思います。家にいる時間が長いからかもしれません。ツイッターも含めて他人の表現を見ていると違和感が生じていて何かなと思っていたのですが、この否定形が氾濫しているということに行き当たりました。

多分にこの否定形による言い切り、慎重な物言いなんだと思います。ネットの言論は怖いですからね。あまり面積の広い(主語がでかいとも言います)言い切りをすると、多様な人々がいるのでリスクがある。だから、とても部分を絞って、これだけは違うと言いたい。ただ違う、と表現すると角がたつので、・・ということは承認できない、みたいな湾曲表現を用いることが流行したのでしょう。

でも、やっぱり、人に伝わりやすいのは肯定文です。

 

私はシステム運用の仕事をしていて、重要な作業を複数人数で行う時、言葉ははっきりいいなさいと指導しています。相手に言いたいことが伝わらないと、即事故になるからです。「私は、このサーバーで、このコマンドを打ちます。」、はっきり言うようにします。おそらくその中で、伝わりやすい話し方は無意識に追及していて、あいまいな表現は使用しないよう心がけています。コンピューターは基本的には命令した通りに動くので、命令が間違えたら間違って動きます。だから、人間の意志を正しく伝えることというのは、結果として仕事の品質そのものです。だから、この否定形の結論が氾濫していることに違和感を覚えているのだと思います。

 

今日、ブログのデザインを久しぶりに修正しました。なぜかというと、最近ブログを始めた方を中心に、シンプルなデザインが大流行しているからです。これは、Noteが躍進したことによりシンプルなデザインが流行したためだと考えています。私もその流行に乗った一人でした。

しかし、今はレッドオーシャン、競争相手が増えすぎてしまいました。デザインが同じだと没個性的になってしまい、私のブログを私だと認識することが難しくなります。

ですから、少しですが、デザインを見直しました。これが正解だという確信はないものの、このままにしておくよりはよい、と判断しました。

 

さて、ここまで、否定形の結論を使うことを控え、文章を進めてきました。おそらくデザイン的には他のブロガーに追いつかれた現状においても、私のブログのユニークポイントはこの、人に伝えることに特化した表現にあるのだと思っています。日本語として正しいかより、伝わることの方を重視して書いています。だから、あまり推敲せず書き上げたらありのまま出すことにしています。誰かに口で伝えるように書く。

 

一度、試しに否定形が最後に来ないように心がけて、ツイッターなど文を書いてみてください。きっと、少し書きにくいと思います。言葉が強すぎるように感じると思います。実は公に言葉を発するとはそれぐらい責任が必要なのだと思います。この訓練をすると、慎重かつ正確に言葉を発するようになりますし、本当に相手に伝わりやすくなるのでお勧めです。