orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

全部おぼえる必要は全くないクラウドサービス

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たくさんあるサービスについて

私も、メジャーなクラウドサービスで、どんなサービスがあるのか全部書き出してエクセルにまとめたことがありました。

 

gigazine.net

AmazonのクラウドサービスであるAWSは、コンピューティングやデータベース、ストレージなど、膨大で複雑なサービスで構成されています。こうした豊富なサービス群をうまく組み合わせて利用する「ビルディングブロック」がAWSのメリットでもありますが、サービス数が多すぎてなかなか全体像を把握できないのも事実。フリーランスのエンジニアでありコンサルタントでもあるジョシュア・テイセン氏が自身のブログで、AWSのすべてのサービスを「たった1行」で説明しています。

 

これ、気持ちはわかるんですが、結論としてあまり意味がないことがわかりました。

 

 

考察

このGIGAZINEの一行説明をおぼえたとします。

だから?

使えるようになるとは限りません。実際使ってみたら、いろいろ前提や制限があって、要件と合わないというのはザラです。

結局のところ、要件がまず生まれ、それをクラウドサービスで解決するとしたらどんなサービスがあるの?、という順番で探していくぐらいで付き合い方は十分だと思います。

一つのサービスですら、数か月ごとに機能追加されたり刷新されたりします。例え把握したつもりでも、半年たって見てみたら古い使い方(レガシー)と呼ばれたりもします。

がんばって追いかけた時期もありましたが、こりゃあ、無理だとさじを投げました。

クラウドの参考書なんか買って勉強したつもりになっても、2年くらいたったらその本、化石になっています。今は、こんな別のサービスがあるよ、こう実装すればもっと早いよ、なんて最近かじった人に飛び越される始末です。

クラウドっていうのはそういうもんだなあ、と。

クラウドベンダーは、なんとなく後ろを振り返るのではなく、前にどんどん機能を追加していく性質にあります。たくさんのサービスというのは実は後ろであり、今後リリースされる機能たちが前にあります。

そして、あんまり使われないと見るや、サービスを廃止します。そして新しいサービスにユーザーを移行させようとします。

そういうのに付き合うのが嫌なら、IaaSで、OSから構築するべきです。どのクラウドベンダーもIaaSをなくすことはありません。無数にあるサービスは、大体がPaaSやらSaaSです。それぞれのサービスも、そのクラウドサービスのIaaS上で自動構築されています。

何か要件が出てきて、それをクラウドサービスで実装したいと思う時、一番モダンでスマートな機能はその時に検索して見つかるサービスです。しかしそれは、数年後はそうではありません。なのに、考古学者のようにサービス一覧を一つ一つ見つけて解説をつけても、それは最新の建築を行うこととは次元が違います。昔ながらの建築方法で建てられた建物はたくさんあるのですが、それで新しく建物を作ろうと言う人はいません。

すぐに実装して動かして反応を見ながら作り替えていきたい、という要望には、たくさんの、クラウドサービスが提供するサービス群は最適です。一方で、同じ機能を数年間使い、あまり変更しない安定したシステムを作るには、たくさんのサービスを組み合わせるより、従来の良く使われるサービス(EC2やS3、ALB/ELBなど)だけおさえていれば十分に実装できます。

セールストークや、AWS詳しいアピールのために、サービス名を全部暗記するのは良い手段ですが、実際の実装を考えると上記のような感想です。実際使ってみると、えらい目に遭うというのもクラウドあるあるです。

 

 

クラウドとの付き合い方

数年前までは、IaaS、PaaS、SaaSなんて分け方をしてきっちり棲み分けをするが概念はあったんですが、最近はさっぱり聞かなくなりました。

サービス名や概要だけ見ても、作る方はあまりそういう区分けを気にせずに、インターネットに接続して使うものは全てクラウドサービスとして名乗って使っています。で、統廃合も激しく、クラウドサービスを使う人は絶えず、ベンダーの意向を汲む必要があります。

あまりにもマルチクラウドで、たくさんのプラットフォームを持っていると、そのベンダーの意向の収集と調整が複雑になり、思ってもないトラブルになる可能性があります。

一つのベンダーだけに縛られると危険なことと、マルチベンダーにしすぎると複雑になること、両方のバランスがクラウドと付き合うときには重要になっていくと考えます。それはコンテナ時代になっても変わらないでしょう。