orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

音楽のオンラインレッスンを成立させるための設備

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音楽のオンラインレッスンをいかに成立させるか

緊急事態宣言の期限が5月6日で切れるのですが、それ以降で元通りとなることは全くないことが半ば決定しています。そこで、学校などがオンライン授業やオンラインレッスンなどを取り入れようとして、ハードウェア面、ソフトウェア面も双方でかなりの設備投資を4月中に実施していることが漏れ聞こえてきます。

私のプライベートにおいても、音楽系のオンラインレッスンをする必要が出てきたのですが、どうも音楽分野とITは今まであまり親和性が無く情報があまりありません。いや、iPhoneでも十分ビデオ会議はできるのですが、いろいろと問題があります。このあたりの乗り越え方について相当試行錯誤したので記事に残しておきます。

音楽レッスンをオンラインでやりたいという方に参考になれば幸いです。

 

 

iPhone11での問題点

iPhone 11とiPhone 11 Pro Maxが手元にあり、もはやパソコンと同等の性能もあるのでいろいろと試してみました。

Web会議にあたって、FaceTime、LINEのビデオ通話、Googleハングアウトで試してみました。自宅は光回線で、現在の実測値で下り300Mbps、上りも60Mbps位出るかなり高速な部類です。これを使って自宅のWiFi(802.11a)を使って試してみました。スマホは最新なのでスペックは全く問題ないことが前提です。

上記の3つのアプリについてそれぞれ良しあしがありますが、全部音楽のオンラインレッスンには不適です。なぜかというと、音をリアルタイムに相手に届けるために圧縮をかけているため、音の質感が全く失われてしまうからです。教師側にはとてもきついと思います。もともとスマホのビデオ通話はコミュニケーションを成立するために存在していますので音質より正確さ優先です。最近の電話自体もデジタル処理前提です。一方で、音楽レッスンにおいてはアナログのすべての情報ありきで成立しますから、かなりの情報損失が生まれます。

特に問題なのは、雑音をカットしたり、ダイナミクス(音の大小)を自動コントロールする機能です。また通信品質が悪くなった場合に自動で圧縮率を変えたりしているようです。したがって、曲の中で奏者がわざと変化を付ける部分が、ソフトウェア的にはノイズと受け取られ勝手に編集されてしまいます。

スマホのソフトウェア自体は、あまりCPU資源を消費しないことでバッテリーを長持ちさせようという仕組みもありますし、スマホは無線LAN前提です。あらゆる意味で、音楽を正確にリアルタイムに届けるという機器としては向かないかなと思いました。

このお話はビデオ通話だけであり、録画するという面では少し変わってきます。iPhone 11のカメラは超高品質でおそらくパソコンのWEBカメラより相当機能が高いです。ただ音楽系レッスンで、そこまで高品質な絵はいらないのです。マイクについては撮ってみるとわかったのですが、指向性が強くスマホの周りの音を重点に取ります。ですから例えばピアノのような距離の長い楽器だと、スマホの周りの音ばかりを大きくとらえ、遠い場所(例えば高い音、低い音)が撮れないので、教師に誤解を与える可能性があります。

これは、iPhoneにライトニングケーブルで接続できる、コンデンサーマイクを使うと解決できる場合があります。

スマホに長いケーブルをつなげるのは少し不格好ですが、録画目的なら随分印象が良くなると思います。ただ冒頭の、リアルタイムのビデオ通話でこれを使ったとしても、結局はスマホのソフトウェアが余計なことをするために、解決できないと思います。

また、もっと音質にこだわりたい人には、下記もお勧めしておきます。

 

単に録画するだけなら、上記を使って録音品質を強化することは得策です。いわゆるPCMレコーダーと同じ品質をiPhoneに付加することができます。

繰り返しますが、ビデオ通話でこれをつかってもあまり意味は無いと思います。

 

 

私がたどり着いたのはノートパソコン

スマホのソフトウェアのビデオ通話が、あまりにも音をないがしろにするので、ノートパソコンを持ってきました。中古のWindowsノートパソコンが1台余っていたのでこれを流用します。

その結果、「iPhone 11を使うよりもパソコンの方が音を安定的に届ける」ということがわかってきました。

「パソコンの映像を、iPhoneで見る」>「iPhoneの映像を、iPhoneで見る」

ということです。相手の映像を見ることについてはiPhoneで統一しています。それで比べてもパソコンの方が音も優れています。むしろ映像も優れています。

ちなみにはじめの実験の時点では、パソコンもWiFiを使っています。

これはなぜか考えたのですが、パソコンには電源を接続していました。電源をつなぐことでパソコンはCPUを100%使ってくれます。スマホはどうしても省電力をしようとするのですが、リアルタイムのビデオ会議においてはCPUパワーを潤沢に使うことが重要なのではと思いました。つまり、「電源接続のパソコンを使うと、ソフトウェアが余計な忖度をしないのでデータを安定的に作って送れる」ということだと思います。

さらに、マイクを強化しました。ノートパソコンの内蔵マイクでも結果はいいのですが、限界があるので、ここに投資を行いました。

 

マイクにもいろいろ種類がありますが、まずはUSBで接続できることが前提。そしてカラオケマイクのような「手前だけ拾う」のではなく、まわりの音をバランスよく拾えることが前提です。まずは「コンデンサーマイク」という言葉を覚えておけば十分ではないかと思います。

 

一方で、Web会議に特化した下記の機器は、「無志向性」と言って多人数の声を拾うのには向いていますが、音質は犠牲になっています。「音楽レッスン」には向きませんが、Web会議にはめっぽう向くと思います。音も出ますしBlueToothもつながるので、別の目的(会話中心、スマホも使うなど)があればこちらがいいと思います。

 

しかも、冒頭でWiFiを使ったとありますが、通信の安定性を作り出すためには有線のLANケーブルがお勧めです。

 

 

まとめますと、

・スマホより電源に接続したノートパソコンが有利
・音楽系レッスンにおいては、USBのコンデンサーマイクを狙う。ここに投資すると良い。
・ネットワークを安定させるためには、無線LANより優先LANがお勧め

ということになります。

もちろん、ノートパソコンのスペックは重要ですが、CPUはIntel Core i3以上で、メモリが8GBあれば十分です。ストレージはビデオ会議中はほとんど使いません。

 

補足ですが、映像が届いて再生するほうはそこまでスペックを要求しません。それより録画して音も併せてデジタル化し相手に安定的に届ける方がスペックを要求するのです。ですから、電源付きのパソコンの方がいいし、そこに高性能のUSBマイクを付ける意味があるし、有線LANにする意味が出てくるのです。

なお、そこまでハードウェア的に設備投資していれば、たいていのソフトウェアがスマホでビデオ会議するより応えてくれると思います。

また、Webカメラがノートパソコン付属のものでチープだと思うならば、WebカメラをUSBで接続するとよいでしょう。ただ、Amazonでは軒並み売り切れています。テレワークを企業がいっぺんに導入したからでしょうね。WEBカメラを高額に買うより、下記のような、CPUもメモリーもストレージもハイスペックで、WEBカメラもついているパソコンを紹介しておきます。ちゃんとやるなら、こういうのを買った方がいいでしょうね。

※最近のノートパソコンは有線LANのコネクターがついてないので、下記も併せて買うと良いと思います。

まとめ

この、音楽のオンラインレッスンを成立させるために技術的にどうあるべきかについて、数日を費やしてしまいました。

私の結論としては上記の通りですが、もっとよい方法があれば試していきたいと思います。テレビを見ていてもわかると思うのですが、天下のNHKなどがやっても、結構音質はイマイチで、場合によっては電話でやってますよね。それでは成り立たないのです。単に学校のしゃべるだけの授業ならWEB会議の設備で十分ですけども・・。

試行錯誤は続きます。