orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

緊急事態宣言が終わった後の仕事のことを考える

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大都市の弱点

人口を集中させることにより生産性を向上して成長し続けた大都市圏も、この感染症ショックで大いに懲りている人も多いことだと思う。ベッドタウンから都市圏へ満員電車で無理をしてオフィスに運ぶこのモデルの最大の弱点は、感染症にめっぽう弱いということだ。インターネットのおかげで最大限の努力を払いテレワークに努めたし、そうではない人は時差出勤なども駆使し、何とかこの世の中は平静を保っている。しかし、5月以降もしこの状況を続けるとお上が判断した場合、ガス欠に陥る業種が大量に出て世の中の失業者数や破産する企業が大いに出てくるだろう。そこまで時間がないというのに政府の動きは緩慢としている。それは政府に危機感がないというよりは能力の問題だと思える。例えば国民に十万円を配るとしてどうやって配るかを今から議論している。平時に結局のところ想像力が働いていなかったのだから、それはもう能力として考えるしかない。能力以上のことは人はできないのだから。世界を見渡してみると能力の高い国家もあるしそうでない国家もある。結局はその国が普段どう考えて生きていたかの縮図でもあり、ただただ結果論としての今の状況である。日本で言えば、こんなに緩慢としているにもかかわらず、直接の被害は世界よりは少ないと思う。結局のところ日本の民間はあまり政府のことを当てにせず現場レベルで必死に対応した結果だと思うし、ただしこの状況が5月も6月もとやっていった場合は経済的に目も当てられない状態となると思う。ただただ、貯金を取り崩して生きているだけなのだ。

 

収束した後の世界

収束した後、全く同じ世界--2019年のような--が戻ってくるのだろうか。いや、やはり満員電車はこわい。忘年会や新年会も今年末はキャンセルだろう。おっかなびっくりで元に戻していくしかない。何が大丈夫で何が大丈夫じゃないかはある程度はわかったことが結局重しとなってくる。つまり、都会生活が足かせとなる。我々は全てを見直さなければいけない。なぜなら、夏が終わったらまた冬がやってくるから。感染症は冬に流行る。夏、収束するかもしれないが、また冬がやってくる。いつもの冬じゃない。今のことを踏まえた冬。いろいろと制限がかかるが、これが全て都会の足かせとなっていく。

具体的に考えれば、これほどオフィスに行って仕事をすることについて、国民が考えた時間はなかった。もっと言えば、オフィスに行かなくても仕事はまわる。しかしオフィスに行った方がもっとまわる。だから、オフィスはもちろん今後も活用するのだけれど、9時18時で一斉に集まるようなスタイルはリスクが高い。満員電車をできるだけ減らさないといけない。オフィスは必要に応じて使うことを目指し、ずっと定時の間いるところでは無くすべきだと思われる。だって、テレワークでこれだけできたのだから、テレワークとオフィス通勤を組み合わせれば、次世代の働き方を創造できる。今までは踏ん切りがつかなかったのかもしれないが、今はもう完全にテレワークに寄せている。あとはバランスの問題だ。

また、オフィスも何となく都心に構えていた企業も、いや、もっとサテライトオフィス的なベッドタウンに近い場所を攻めていくかもしれない。長時間通勤そのものがリスクだ。であれば、例えば首都圏のベッドタウン各地にオフィスを数か所用意し、その間を常時接続、WEB会議できるような設備を整えれば、テレワークの記憶を踏まえるともっと生産性を向上できる。

集まることで生産性やモチベーションが上がったりすることは間違いない。ただ、集まることが目的になってはいけない。大事なことなので二度言いたい。集まることは目的ではない。集まった結果できることを最大限引き出すことを考えると、みだりに集まることはかえって、今回のような感染症対策のときにはリスクになる。集まることを無駄うちすれば感染リスクだけが高まるだけで、やってる感しか生まれない。そう、いままでの働き方は、やってる感重視だったと思う。あの過酷な満員電車も含めて。これからは仕事そのものの効率を中心に考え、そして感染症との付き合い方を踏まえ、新しい発想で仕事を捉えていかなければいけない。いけない、というよりそうしなければ生きていけなくなる。一人、感染者を職場に出せば、麻痺してしまうような世の中なのだから。

 

一極集中の終焉

もっと言えば、大都市圏である意味がどんどん小さくなる。

営業機能はまだあるべきだと思うが、技術開発は全く都会で行う意味がない。今は大規模イベントすら危ぶまれる。今年はほぼ無理だろう。オンラインイベントなのであれば、空気のおいしいリゾート地に住み通勤は電車ではなく自動車。インターネット完備。集まるオフィスは別にビルである必要もなく家賃も安い。営業地点との打ち合わせはWEB会議で完結。そんなスタイルでも全く成り立つし、都会で狭い部屋に社員が一日閉じ込められている今を考えると、生産性はこっちの方が断然いい。

一極集中型の都市はこんなに脆いんだぞということを今回の一件は教えてくれた。以前こんな記事を書いた。

 

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なんと、2020年2月にこの記事を書いた2か月後に、東京はこんなことになってしまった。限界だったのだ。限界を超えたことが起きてしまったのだ。

今後、国家として感染症が同様に起きても対応できるようなシミュレーションが、活発に行われるだろうし都市計画も大きく変わってくるはずだ。

分散化させることで強化が図れる。もう、一か所に多くの人が通勤・通学する今のモデルはオワコンだ。散らばることに価値が生まれる。散らばってもインターネットのパワーを使ってつながることができることをこのテレワークが教えてくれた。もう一極集中の世界は終わりだ。ぜひ、人間中心の都市計画が今後進められることを期待したい。

辛い毎日が続くが、この一点については、希望を持っている。