orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

Qiitaユーザーページ仕様変更で燃えている件

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https://blog.qiita.com/user-page-renewal/

 

Qiitaの仕様変更

Qiitaは、日本のたくさんのIT技術者が技術記事を投稿することで、日本のナレッジベースとも言えるくらいに成長したサイトです。昨日夜に、突然ユーザーページ(ユーザーアカウントの自己紹介ページ)に仕様変更が発生し、その内容が一部ユーザーの怒りを買っております。

 

blog.qiita.com

ここには左から「投稿した記事」「読んだ記事」「LGTMした記事」についていたタグのうち、出現割合がもっとも多かったものから順に5つを表示しています。
読んだ記事は直近3ヶ月の閲覧データを元に算出しており、この情報は毎日更新されるようになっています。

 

何が問題かというと、Qiitaユーザーの行動履歴がユーザーの承認なく、自動集計されて公開されてしまう、ということです。

AWS技術記事を書く有名人が、実はAzureの記事をたくさん読んでいた、みたいなことも起こりえるということですね。

ただ、ブラウザのCookie設定でトラッキングしない設定をしていたら、さすがに読んだ記事までは追えないようです。

ユーザーも、そりゃたまらん、ということでオプトアウト(ユーザーが能動的に拒否)したいのですが、どうも外部サイトに飛ばされしかもオプトアウトできないという状況が下記ページにまとめられていました。

 

kawahara-ci.hatenablog.com

 

という問題が起こっているようです。

 

感想

良くないですね。

規約どうこうというより、ユーザー個人の行動履歴をユーザー個人の意思関係なく、外部に晒し、しかもそれを停止できない。

全然いいことではないですね。

もしSNS連携して個人が特定できるのであれば、その個人の特性がわかってしまいますからね。

リリースの際に、社内でレビューを受けなかったのでしょうか。それとも全社的にこの仕様変更についてオーサライズしリリース許可まで下りたのでしょうか。

レビューせず開発者の独断で・・ならリスク。

これをオーサライズしてしまう・・・ならリスク。

少なくとも、個人情報保護に対する認識が開発者レベルで低いとして、その認識ゆえに良くない修正をしたいと思うこと自体は、開発会社ならば起こりえることです。

それを止めるためのレビューでありオーサライズなのですが、そこも通過してしまうようだと、迅速に、「良くないこと」をデプロイしてしまいます。

SaaSかつ自社サービスは、結構アジャイル的に、小さなリリースを繰り返す傾向にあると思いますが、アジャイルとは思い付きでどんどんリリースするということではありません。

まず、プロダクトオーナーが、この仕様変更を是としたのかどうかを知りたいです。もしそうなら、開発者の問題以上に問題だと思います。

もしプロダクトオーナーがあいまいで、開発者の一存でどんどんリリースしてしまうようなガバナンスであれば、それは開発体制自体を見直すべきです。

特に、利益を生まないサービスはどんどん人が剥がされてしまう運命にあるので、体制が整わなくなる可能性があります。私が危惧しているのは、そこです。

Qiitaに、今、まともな運用保守体制が備わっているのか?

ここまでユーザーに危機感を感じさせる、一件だと考えています。

 

推移を見守ります

私個人は自分のブログがあるので、Qiitaユーザーでもなくログオンしないで閲覧onlyで使っています。

一部のユーザーは退会したり退会を検討しているようで、そうなると記事が消失してしまいます。

そうなると、日本のIT業界からすれば、かなりの損失になると思います。

ぜひ、Qiita運営側には、本仕様修正をいったんロールバックするなど、冷静な対応をお願いしたいです。再度導入するにしても、フィードバックは大事にした方が良い、と思います。

 

追記

一旦、非公開となった模様です。

 

blog.qiita.com

今回の「読んだ記事」は、対応方針が固まるまでは取り急ぎ非公開にいたします。

また、不備のあったブログの内容についても取り急ぎ非公開にいたします。

最後に、今後このようなことが起こらない様、アップデートや機能追加、変更に対する社内での方針とユーザーの皆様へのアナウンス方針を協議いたします。本日(3月26日)17時ごろを目処に、改めてアナウンスいたします。

ユーザーの皆様にご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。

 

良かったです。

再発防止策を期待しています。

 

続報来ました。

 

blog.qiita.com

 

不足していた、ということはわかるのですが、不足していたときにどうやってそれを検知し修正するかの観点がありません。

人間、間違うものですから、チームで指摘し合い、結果として正しい方向にいつも行動できる体制であって欲しいと思います。