orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

13日夕の首相会見を聴いての感想

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https://www.kantei.go.jp/

 

首相会見

13日夕の首相会見を聴きました。

 

www.nikkei.com

安倍晋三首相は14日、首相官邸で開いた記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大型の緊急経済対策の編成に意欲を示した。

まずは感染拡大防止に力を注いだうえで「機動的に必要かつ十分な経済財政政策を間髪をいれずに講じる」と強調した。そのうえで「経済を確かな成長軌道に戻し、一気呵成(かせい)にこれまでにない発想で思い切った措置を講じる。政府・与党の総力を挙げて取り組む」と述べた。

 

 

私自身は「無党派層」ではありますが、今回のスピーチ、良かったのではないかと思います。全てがこれまでメディアを通じて伝えられてきた通りの情報だったのですが、直接首相自ら言葉にして発言することで、重みとなります。この場ははじめての情報を発表する場ではなく、既成事実とするための儀式です。感情的なニュアンスを籠めるマスコミの質問に対し、口を滑らさずよく対応するのはすごいメンタルだなと思いました。日本全体が注目しているのですから、ここで必要なのは思いつきではなく、決められた文章をきちんと話すことに尽きます。人々はこれを簡単そうだと評価するかもしれませんが、あの場に立って話をすることがどれだけ難しいことか。これを金融市場が開いていない時間をわざわざ使ってやるということも良いことです。万が一語弊のある発言をしても修正する時間がありますから。

 

現時点で、休校判断も適切だったと感じますし、これまでにわかってきたことをあえて繰り返したことも良いと思います。そしてまだ油断できずいつ安全宣言ができるか不明確なことを、明確にしたことも良かったと思います。

データベースの世界で「トランザクション」という言葉があります。データに対していろいろと変更をかけそれらを確定させるまでの一群の単位です。確定することをコミット、と呼びます。とりあえず今までの処理を今日コミットしたことで、来週からはまた新しいトランザクションがスタートすることがわかりやすくなりました。

その新しいトランザクションは「緊急事態発動」となるかと思ったのですがそうはなりませんでした。これは、緊急事態となる状況の手前でまだ踏みとどまっているというメッセージを明らかにするのに十分です。アメリカは非常事態宣言を出して強力に戦いはじめるのに対して、日本はある程度の対策を打てていたおかげでそこまでには至っていないということを確信し、そのうえでこの対策をまた継続していこうということです。

一旦これまでの対策で効果があったと。これについて認識しよう。これらをコミットする。そのうえで、来週以降も継続していこうという明確なメッセージを受け取りました。

 

さらに、最も良かったと思ったのが、終息した後に再度成長軌道に乗せるという宣言です。今現時点で、成長軌道に再度乗る日本のことを首相が語るというのは、大きな意味を持ちます。トップが最も行うべきこととしては、現場が目先のことで精いっぱいなときにさらに先の、あるべき姿をイメージしそこに至るプロセスを想像することです。目先のことだけやっていたらいつまでもたどり着けないのは原則です。今回の会見にて、成長路線へカムバックするために、大胆でわかりやすい金融・財政政策を実施すると明言しました。この内容が曖昧であることに不満を持った方はいらっしゃるでしょうが、今回はそれを発表する場ではありません。緊急対策はもう2回も行った上で、さらにもっと大胆にやるとおっしゃっていますので十分です。今回は直近までのトランザクションをコミットすること、そして次のトランザクションをどういう方向にするか、そして未来のビジョンを明確にし、そこに向けた方針を示す場でした。

その中に「オリンピックは予定通り実施する」というトピックを象徴として入れたことでさらにビジョンがシャープになった印象を持ちました。

 

おそらく次の会見は3月28日ごろになるのではないかと勝手に想像をしておりますが、ここで大事になっていくのは4月からの日本人の生活です。学校はどうするのか。企業はどうするのか。この数週間のような自粛を4月以降も続けるのか、部分的に解除するのか。ある程度判断をしなければいけないリミットがちょうどこの辺りかなと思います。ここ2週間で状況が悪化しないことが大切でしょう。コントロールできることがわかれば、ある程度は日常生活を取り戻すために、専門家も知恵を出してくれると思います。

中国も状況が良くなってきていると聞いていますし、この戦いは永久に続く性質のものではありません。すべてが解決した後、普通の生活に戻るためには何をするべきか、そろそろイメージし始めるここからの二週間となると思います。