MicroServerという選択肢
ぼんやりとニュースを見ていたら、ちょっといいかなと思った製品を見かけました。
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、HPE)は12日、超小型x86サーバー「HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus」を発表した。部門サーバーとして十分な性能と、HPEが強みとしている自働化、リモート管理、セキュリティなどの機能を備えながら、超小型筐体による小型化を実現しているという。価格は11万円(税別)から。
小さい・・。そして静か・・。これならオフィスに置けてサーバールームもいらないなと。サイズは119×245×245mmということで、どれくらいか想像するとしたら。Mac miniが、36x197x197mmですから、それより一回り大きくて分厚いくらいです。
なんだかテレワークするならするで、最適とは何かを考える日々なのですが、全部クラウドに持っていく・・とすると正常化した時の費用も高くつきます。20万そこそこだして5年使えば、月3300円くらいですからこっちの方がコスパ良さそう。また、データをインターネットの向こう側に置くのはやっぱり気持ち悪い。
物理サーバーの一番のネックは「うるさい」「重い」でしたが、これすごく静かで稼働時36デシベルと言うと、
30db 郊外の深夜・ささやき声
40db 市内の深夜・図書館・静かな住宅地の昼
らしいです。これはオフィスに置いてもわからないくらいですね。
そのうえ重さ1.3Kgだったら、一般的なノートパソコンと同じくらい。
物理サーバーのセットアップの思い出
もう最近はクラウドの仕事しかしないので思い出ですが、今も関わっている方はわかると思います。
昔のサーバーはとにかく部品が熱かった。この熱さを逃がすために尋常ないファンが設置されていて、電源をオンにしようものなら、
「ウォーーーーーーーーン!!!」
っていう音が出るわけです。
オフィスの空き机の上でセットアップしようとしたら、電源を起動した時点で、オフィスの人々がこっちを
「じろっ!」
と見るんですね。うるせえと。仕事なのはわかるでもうるせえと。
で、だいたい電源を起動したときに一番うるさくて、30秒ほどするとファンの音も静かになるのですが、静かになると言ったってアイドル状態のときでもやっぱりうるさいのです。
「ウィーーーーーーーーーン・・」
と言う音は微妙に人の話し声の周波数と被るようで、オフィスの会話が聞き取りづらくなるレベルです。
数分するとこれはまずいなということで、
# sudo shutdown -h 0
と、そっとシャットダウンするのですが、電源が止まった瞬間に、
「シィーーーーン」
という無音がオフィスに流れ、オフィスの皆様の「やれやれ」感が広がるのでした。
しかし、もう一度電源を上げようものなら、
「またっ?!」
という鋭い目線がこちらに向かうのです。しょうがないじゃん仕事なんだから。
そのうち、オフィスに「セットアップルーム」という謎の小部屋が与えられ、サーバーのセットアップはその部屋でやりなさいということになりました。
セットアップルームの中は窓も無くドアを閉めたらほぼ防音室状態なんですが、10畳くらいしかなく、その中にケーブルやら利用していない機器やらが積まれて狭いし苦しいです。そこで物理サーバーの電源を起動すると「ウォーーーン!」地獄が待っていて、そして長時間作業でだんだん病んでいくという。
ちなみにそのセットアップルームの中では、会話ができませんでしたね。誰かと作業してても一度外に出て会話しないとわからないレベル。
物理サーバーも進化したね
ちなみに、個人のデスクトップパソコンと何が違うの物理サーバーって、という話ですが、一番いいのはコンソール画面をリモートから見られることですね。どの物理サーバーもだいたいこの機構が付いていて、HPEのサーバーだとiLOと呼ばれています。物理サーバー自体とは独立している部品が付いていて、BIOS起動から含めてリモートから画面を確認できます。だから極論マウスもキーボードもいらず、電源とLANケーブルだけつないでおけばよい。しかも、部品が壊れそうならメールで教えてくれたりします。壊れそう、ということで壊れる前です。そこで保守すれば部品も交換できます。
結局は保守用の別のコンピューターが、物理サーバーの中に入っているというわけですね。ちなみにリモートから電源をオンにしたりもできるので、電源ケーブルさえつながっていれば外からでも自由自在です(インターネットがつながっていれば)。
随分物理サーバーには大変な思いをしてきたのですが、こんなに小さくて軽くて静かなサーバーがいるのであれば、ちょっと構築してみたいな~と思った今日でした。
ちなみに公式ホームページはコチラです。