orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

成長しなければいけない理由

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成長

成長をしなければいけない、というフレーズで大ブーイングを受けているこの件。

 

b.hatena.ne.jp

 

反応を見ると、この成長という言葉絡みで傷ついている人は多数いるのだなと思う次第です。この成長しなければいけない圧というのは会社勤めする前から、もう保育園・幼稚園レベルで唱えられてきたお題目です。

しかし、なぜ成長しなければいけないのか、それを語る人はあまりいません。

なぜ成長しなければいけないのか。四十年以上生きていてなんだかわかっていることがあるのでまとめてみます。

 

考察

ある規模のビジネスを任されているとします。

ビジネスですから、ある規模のお客様がいて、そこから仕事を受注しています。いろいろなお客様がおり、売上が伸びているつまり成長しているお客様がいます。一方で成長もしないけれども衰退もしない、安定しているお客様もいます。一方で不振に陥り解約するお客様もいます。いろんなお客様がいてビジネスが成り立ちます。

ビジネスを立ち上げてしばらくは右肩上がり、つまり成長します。0からスタートして成長しないビジネスは、それはもうビジネスでもないでしょう。ビジネスと言う以上はある程度のお客様をつかまえることができ、成長してからが本番と言えます。

ビジネスの第一次成長期を過ぎて、安定期になったとします。たいていの会社はこのゾーンにいます。日本のGDP成長率は1%前後をはいつくばっています。国全体で目に見えた成長ができていないので企業レベルでも前年比でほぼかわらない会社が多いはずです。そして、会社員はそういう安定したビジネスに従事している人がほとんどでしょう。

そんな社会の状況で「成長せい!」という掛け声に対して反感の渦が起きるのは半ば必然と言えます。だって社会は安定期に入っているのになぜ個人レベルでは成長しないといけないのか。何らかの特定の価値観を押し付けているに過ぎないのではないか、と思っても不思議ではありません。

さて、任されているビジネス、という話に戻りますが固定客がいる状況。これで安心でしょうか。いえ、これはリスクのある状態です。お客様が取引をやめてしまう可能性があるからです。やめてしまうにはいろいろ理由があります。そもそもお客様自身が不振に陥っていて続けられないというケースは当然でしょう。一方で成長していくお客様もいらっしゃるのでそれでバランスを取るという考え方。これも危険です。この考え方ではお客様の数が減っていきます。特定のお客様に売り上げを依存することになり、そのお客様の成長がパタリと止まり逆に衰退しだしたら、ビジネスも一気に下り坂となります。

お客様起因でビジネスが縮小するということのほかに、もともとのビジネス自体が古臭くなり、新しい競合が現れそちらにお客様を奪われるということも考えられます。同じことを続けて勝ち続けられるならばそれはそれで素晴らしいビジネスですが、自由競争が原則の経済なので、いつ有力な競合が現れるとも限りません。もしくはやっていること自体が広がりがなくだんだん社会から消えていく業態であれば、時間とともに小さくなっていきます。例えばガラケーのビジネスなどは減る一方でしょう。

このように、ビジネスというものは、何も努力しないと衰退するリスクを抱えています。何もしなければ衰退することを前提に、絶えず営業活動をして新しいお客様を呼び込み、そしてやっていること自体をどんどん新しく良くして価値を上げていかないと、競合がいずれ現れ足元をすくわれてしまいます。

一言でいえば、常に成長し続けていかないと衰退するリスクが時間とともに高まっていく。そういうことになります。

 

というのが、ビジネスに近い、経営者や管理職には肌でわかっているので、従業員には成長を強いるのです。しかし従業員レベルでビジネスに深く関わらず数字も見えていないと、いや、時間を売っているのだからお金だけもらえればいい、なぜ業務時間以外に勉強を強いるのか。そんな発想があってもおかしくないのですが、これは自分自身も社会に対して会社勤めを通じてビジネスをしているのだとすると、衰退リスクを高めているという考え方ができます。雇用主をビジネス上のお客様とすれば、自分の価値を高めていかないと、競合が現れそちらに投資(給料を与える)したほうが良いということになりかねないからです。

日本は安定している、のではなく、衰退している一方でどこかで成長をしているので帳尻を合わせていると見ないと、大変な思い違いをすることとなります。

 

成長は自分のため

成長しろ、と言われて何か努力するのはやらされ感たっぷりです。

しかし、仕組みをよく観察してみると、成長しないと不利益を受けるのは自分自身。努力しても報われないとは言いますが、それは結果的にビジネスを延ばす方向とは別のことをしていたのかもしれません。

何かすれば成長につながるかと言えばそれは言い切れず、何をやったら成長するかはよくわかりません。だからビジネスは楽しいのですが、絶えず試行錯誤しなければいけません。ですから、人から成長しろと言われるからどうこうしなければいけない、ではなく、成長目線でいろいろ考えていかないと自分自身に良くないことが起きるよ、ということです。ある視点で努力してダメなら、別の努力が必要だということです。成長しろという人に責任をかぶせても意味がありません。

こぎ続けないと沈む船のようなもので、私も嫌になることがあるのですが、嫌になろうがなるまいがそういう仕組みでほとんどのことが成り立っているのでしようがありません。

現実を受け入れて、成長し続けないと沈むんだというルールで、いろいろと試行錯誤していくしかない、そういうことだと思います。