orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

SIerの復活に思う

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SIerの復活、潮目が変わった2020年

2020年になって顕著に潮目が変わったと思うのが、SIerの復活。どこのSIerを見ても景気の良さそうな顔をしている。何が起こったのか。

国内企業はたくさんの内部留保を抱えているのは有名な話だが、そのお金を自民党は従業員の給料に積み増してほしかったはずだった。しかし各企業は何をしたかと言うと、システム投資を明らかに増やした。そして人、もっと言えばベテランの整理に動いた。今後国内において急成長は望めないから、せめて体力をつけておこうという政策だ。省力化を進めることで人手が必要な部分を極力減らすとともに、デジタルビジネスを手掛けて新しい時代に対応できるようになりたい。そんなニーズにSIerががんばって答えた結果、たくさんのプロジェクトが起き上がるようになった。

各SIerの経営層も、今やSI上がりの現場たたき上げ系が多くなっている。去年まではどちらかと言えばクラウド、AI、分析、モバイル、ソーシャルと言った、ふわっとしたことを言って、何となくWebを使って消費者にダイレクトに訴えかけるようなビジネスが大流行したものだがなぜか年が明けてみると、ぐっとベタベタな日本的SIが幅を利かせてきた。ちょっとしたSIバブル的なものが発生していて、昔ながらのSI営業が各社必要になり、外資系すらSIに力を入れ始めている始末である。

時代は様変わり。

長い目で見てみると現在地はSI優勢だけど、ある日ソシャゲが大ヒットしたように、突然市場を席巻する何かが現れるかもしれない。これはきっと、時代を席巻したいろいろな何かがネタ切れを起こし、ああ、結局地道にやるのが一番確実だよねということで皆正気に返ったのだろう。

考えてみれば、ソシャゲ一発営業利益数百億、営業利益率50%とかって絶対におかしい数字が躍っていたのがあのころだった。仮想通貨バブルもそう。取引所ビジネスでも相当な利益が出ていたらしい。そんな、一発逆転的な雰囲気が確かに2017年から2018年にかけてあった。しかし、去年辺りから一気に規制がかかっていろんなことがしぼんでしまったように思う。あの日グレーだったことが今はブラックになっている。

で、結局SIに戻ってきた結果、IT業界の私は、やっぱりそうだよね、とちょっとほっとした気持ちになっている。

 

いいことばかりではない

あの仮想通貨バブルを思い出してみたい。盛んにセミナーが行われ、みんな億資産を持とうとすごい熱気があった。そこに集まっていたのは二十代~三十代の若者だった。

あれは何だったのか。今確実に思うのは、緩やかな革命活動だったのではないかということ。もう日本において、金持ちと庶民の間には厳然たる壁がある。去年新人で年収一千万という話があったが、一年で一千万もらったところで、金持ちとの身分が逆転するはずがない。手取りに換算すると相当削られるし、今や消費しても税金が10%かかる。貯まらない。一方で数億の資産がある人はこの資産を運用しつつ生活すればよい。持っている人、持っていない人。どんなに良い仕事をしてもひっくり返らないことが世の中に軽い諦めをもたらしている。しかし、仮想通貨はどうだっただろう。まだお金持ちは気が付いていない、仮想通貨を若者が先に投資することで、もしかしたら身分が金持ちゾーンにワープできるかもしれない。そんなムーブメントを確かに感じた。

結果、いろんなことが起きた。胴元的な人たちも良くなかった。最終的に国が動くこととなり、全てが沈静化したが、値動きまで沈静化してしまった。あの頃は例えばビットコインでも一日数十万価値が変わっていたものだが、最近だとおとなしいものだ。明らかに資産としては性格を変えてしまったように思う。このスピード感では革命はおきない。

仮想通貨だけではなく、いろんなトピックが花火として打ち上げられ、そして無くなっていく。そんなことを繰り返し、結局、「そんなウマい話はないよね」ということで持続性のないものばかりになってしまった。結局残ったのは、昔ながらの企業とSIerのコラボレーション。地道に、システム作りますか・・ということ。

堅実だけど、若い人には楽しくない時代になったような気がする。

 

深呼吸して、先に進もう

今は小休止なんだろう。ここ数年、新しいトピックがたくさん出て、社会は盛り上がったけれどどれもこれも、急に幻滅期を迎えた。

幻滅期を迎えたからと言って全てがなくなるわけはない。落ち着いたあとに見直され、また上昇カーブを描いていく。

いろんな新しいサービスがここ数年盛り上がったけれど今は休憩中。きっと本物であればまた上の波がやってくる。

希望を失わないで、一度世間からダメだしを喰らったサービスを見直していってみたい。今はタイミングが早すぎただけで将来技術の発展でまた再浮上するものもたくさんあるはず。

ここは一度、深呼吸をすべき。すべてがレガシーに帰ることはできない。時代は進んでいる。ただ進みすぎたので一旦休憩をしているだけ。

十分休んだら、もう一度前に進もう。