orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

働くおじさん問題

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働かないおじさんは問題だけど

もちろん、「働かないおじさん問題」が話題になることはわかります。

 

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ただ、ここ最近思うのは、働かないおじさんについてはリストラすればいいけれど、働くおじさんの方が圧倒的に多いのではないか、ということです。

しかも、政府は70歳までの雇用努力義務を言い出しています。

 

www.nikkei.com

政府は4日、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法などの改正案を閣議決定した。定年延長や再雇用のほか、フリーランスや起業した場合に業務委託で報酬を払う選択肢も認める。長寿化に合わせ、意欲のある人が長く働ける環境を整える。今国会で成立すれば2021年4月にも適用する見通しだ。

 

仕事を引退する年齢が上がるということは何を示すかと言うと、社員がなかなか辞めなくなるので、もし会社の成長が止まった場合においては新卒をたくさん取る必要がなくなるということを示しています。

つまり、働かないおじさん問題ならぬ、働くおじさん問題が提唱される気がしてならないのです。

 

ポストが空かない

この傾向、ヨーロッパの一部にてすでに具現化しています。

 

www.nikkei.com

欧米で若年失業問題が深刻になっている。欧州連合(EU)は2014年から最大80億ユーロ(約1兆円)を投じ、国境を越えた職業訓練など包括的な失業対策に乗り出す。米国でも職探しをあきらめる若者が増え、若年雇用が政策課題に浮上してきた。先進国では世界平均を上回るペースで若年失業率が上昇し、労働市場の抜本改革が共通課題になっている。

 

新卒一括採用のない欧米において、未経験の若者より、スキルホルダーである中途採用を重視する結果、若者の失業率が上がるというロジックです。

日本においてはあたかも45歳以上を追い出し新卒を採って新陳代謝を測るということがブームになっています。しかしこの「45歳以上」は誰でもいいということではなく、働かないおじさんを追い出したいだけですよね。

ある程度ブームが去ったとき、残るのは、70歳まで働いてくれるんだったら無理して新卒取る必要はないんじゃないか、という新卒一括採用の終焉です。

しかも、どんどんオフィスワークは自動化の流れで、たくさんの人は不要になってきているように思えてなりません。

これまでの日本式雇用制度を辞めるということは、終身雇用のことばかりが強調されてきたのですが逆に、新卒一括採用すら辞めてしまうような気がしてなりません。

 

通年採用の流れ

従来の新卒採用をしない、通年採用を始める企業が現れ始めています。

 

jbpress.ismedia.jp

 学生の採用応募機会が増えた一方で、学生の数自体の減少により多くの企業ではなかなか思うような採用ができていません。なるべく早く優秀な学生を捕まえて、自社に入ってもらいたいというのが企業のホンネです。そうなると、一括採用をやめてインターンシップで囲い込んだ学生をどんどん取り込む手法が有効です。ただし、これには資金力や人員など、企業側の体力が必要です。はっきり言って、新卒通年採用化は大企業に有利な方法です。体力のない中堅企業や中小企業は学生に手を出しづらくなるでしょう。そのため、新方針が定着する以前に、企業側には「新卒採用不要論」を唱える会社も出始めています。

 企業側からすると新卒学生はコストをかけて採用した割に、即戦力になるわけでもなく、むしろ育成する手間もかけなければなりません。そして、手塩にかけて育てても3年ほどで3割程度が離職してしまいます。正直なところ、新卒を採用するのは「割に合わない」ことなのです。こんな話をすると、応募する側からは「企業はなんて冷たいんだ」と思われてしまうかもしれませんが、企業側だけがその責めを負うべきではないでしょう。

 

新卒がプラチナチケットだと言われた時代は、もしかするともうすぐ終わってしまうのかもしれません。終身雇用を前提としない新卒が増えれば、企業側はなぜそんなマインドの人を育てなければいけないのか、と疑心暗鬼になることは容易に想像できます。

終身雇用制度の終焉により、現在は年齢の高い人が受難のように言われていますが、実は、若い人のほうがよっぽど黄色信号なのではないかと思います。

学生の時代に、より実践的なスキルを学び、即戦力的に企業に入り込めるように準備をしておく必要が増してきたのではないでしょうか。