orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

月100時間残業の世界が国を滅ぼす

f:id:orangeitems:20191227100011j:plain

 

月100時間残業

このご時世にまだ月100時間残業の世界は存在しているようで。

 

www.nikkei.com

中央省庁は長時間勤務やハラスメントなどで現場の疲弊が目立ってきた。難関の国家公務員試験をくぐり抜けた先に待つ旧態依然とした働き方をみて、やる気をなくす若手も少なくない。人材という行政資源の浪費は日本の活力をそぎかねない。民間の働き方改革に逆行するようにも映る霞が関の「非常識」を点描する。

 

残念ながら、日本の中心霞が関で起こっていることで、かつ永らく放置されている状況です。彼ら官僚は優秀な国民の集合体だというのに、国民の代表たる国会議員の従属として奴隷労働させられているという図に見えます。

4年前から変わってない・・。2015年の記事です。

 

www.nikkei.com

真夜中でも、こうこうとした電灯の光が窓から漏れる――。エリート官僚たちの長時間労働から「不夜城」とも呼ばれる東京・霞が関。ワークライフバランスを唱える旗振り役は、先導役にもなれるのだろうか。

 

思い出

私も月100時間残業が常態化している職場で働いたことがあります。

私自身は大昔から残業大嫌い人でしたから、個人的には残業しない方でしたが周りはそれはひどいものでした。

月の労働日が20日とします。

100わる20なので、一労働日あたり5時間の残業。

18時に仕事が終わるとすると、23時。

よくできてますよね。終電まで仕事するようになっています。

もっと状況を悪くするのがシフト制度。夜勤や早番がある仕事でした。

朝7時に出勤したのに終電までいるとか。

夜勤だったのに朝もいて、昼もいて、夕方までいてって、いつまで働くの?

一勤務21時間なんて言う数字も見たことがありました。

21:00~0:00~9:00~18:00

もうりっぱな法律違反だと思いますが、昔は本当にゆるゆるだった。

で、彼ら土日は何をしているのか聞いたら、ずっと寝ているという回答は非常に多かったですね。

くたくただそうです。

あと、男性が多かった。女性には過酷すぎる職場ということかもしれません。こんなことを言うと昨今は男女平等に反すると言われるのかもしれませんが、体力の限界に挑むような職場は今でも男性が多いのかなと思います。

そして、未婚率の高さ。そりゃあ土日寝ていて、平日働きづめなら結婚するイメージもわかないのでしょう。

そうやって、子どもがどんどん減っていく土壌が作られて行ったんだろうなあと。

ちなみに、それだけ残業をする分、給与がかさ増しされていくので、不思議と長続きしている人が多かったです。一方で、精神的にどうにもならなくなって急に会社に来なくなる現象を何度も見ました。

昔は、そんな状況で生き残ったぜ的なマウントをするおっさんが非常に多かったですが、今やそんなことを言うと生産性の低い人の老害コメントのようになってしまうのが面白いです。

あとは、そうそう、土日休むんじゃなくて休日作業をすることで、残業時間が飛躍的に延びましたね。いつ休んでるんですか?、「え?16連勤ですよ」、なんて会話をしたことがあります。土日は定時で上がるし電車も空いてるので楽だとか言ってましたけど、おい正気か?と思いました。

IT業界において、今振り返ると救世主になったのが、ブロードバンドの普及です。自宅での光回線どころかモバイル回線でも高速通信できるようになった。そこにリモートでデスクトップに接続して仕事ができるようになったおかげで、ずいぶん柔軟に仕事に対して自分の時間をあてはめられるようになりました。昔は会社に行かないと行けなかったし、一度出社したらだらだらと会社に残るので労働時間を増やす理由にはなっていたように思います。通勤時間も長いですから、30分だけ仕事して帰るというにはいかなかった。

狂った世界でしたが、まだ世の中には存在していて、それが国の中枢霞が関だというのは何たる皮肉か。

 

ニュース等で伝えられる月100時間の世界

月100時間の職場はどんな特徴があるかと言う記事。

 

hrnote.jp

離職率が高く、恒常的に人員不足
ひとり当たりの業務量が多い
24時間体制で対応しなければならない業務内容
残業をすることが高く評価される社風、同調圧力が強い など

 

そうだったわー・・。

そういえば、残業代の割増率が上がったのも最近で、昔はそういうのも無かったので、企業側からすると働かせ放題で、仕事量に合わせて従量料金で支払える都合のいいものだったように思います。

 

長時間労働は、「まだ大丈夫」が命取りです。

過労死寸前まで精神的・肉体的に追い詰められると、現在の職場を辞めたらもう行く当てがないと思い込んでしまうもの。しかし、もちろんそんなことはありません。

ある日突然倒れてしまうまでに、上記を参考に早めに対策を取りましょう。

 

ほんとにね。

特に就職氷河期のころは、よい就職口がなくて仕事があるだけまし、という雰囲気が漂ってたので、はめ込まれる人も多かったなぁと思います。

考える時間も失われ、ただただ、仕事をしていた、と言う風に見えました。

 

www.yomiuri.co.jp

長時間労働を原因とする労災の認定基準として、国は、発症前1か月の残業時間が100時間に上る場合などを「過労死ライン」と定めている。
 現行の労災制度では、本業と副業など複数の会社で働く人について、労働時間を合算することは認められていない。このため、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて働いた残業時間が過労死ラインを上回ったかどうかは、1社ごとに判断されている。
 一方で、政府は働き方の多様化を目指して副業を推進している。こうした中、1社ごとの労働時間は法定時間内に収まり、それぞれ残業がゼロでも、本業と副業を合わせた総労働時間でみると、過重労働となることが懸念されていた。

 

そうなんです。新しい問題が発生しそうで、副業があることで見えない「月100時間残業の世界」が作られようとしているのかもしれない、もしくはもうあるのかもしれない。

まあ、そんなこんなのツケが・・。

 

www.nikkei.com

厚生労働省が24日発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4千人となった。前年比で5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。出生数が死亡数を下回る人口の「自然減」も51万2千人と初めて50万人を超え、政府の対策にもかかわらず少子化・人口減が加速している。

 

となってしまったということです。

かつてエコノミックアニマルと言われた日本人が、経済を優先する余りに人口が減り続け、最後には国が滅んでしまうというシナリオ。ファンタジーでも無くなってきました。

もはや危険水域に入ってしまった感のある我が国ですが、どうなっていくんですかねえ・・。