orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

会社から使い捨てられないために

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技術を手に入れるために、金で人を手に入れる

こういう話を聞くと、技術は「人の頭の中」にあるんだなあと思います。

 

www.nikkei.com

中国が高度な半導体人材を抱える台湾からの引き抜きを加速している。対象は世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)の経営幹部から現場技術者まで幅広い。中国が2015年に半導体強化を打ち出してから特に動きが加速し、これまでに累計で3000人超を取り込んだという。米国との貿易戦争で半導体という弱点を露呈した中国は今後さらに資金力を武器に、台湾からの人材獲得を急ぎ、半導体産業を強化する狙いだ。

 

韓国だって、お金さえあれば日本の液体フッ化水素関連の企業から人を引き抜きたいでしょうな、と。他国の技術を輸入したいときは、他国の技術者を買えばいいんです。その人たちが知っている。だから、技術を買う必要はない。人を買えばいい、という論理です。

 

考察

大事な技術を他社、しかも他国の人間がハイヨと教えてくれるはずはなく。しかも法人の間になると国の目も厳しく光っているので、社員を高額で転職させるというのは荒々しいですが確実な方法なのかもしれませんね。

歴史を紐解けば、日本人技術者も中国企業に多数雇われていた気がします。

 

www.asahi.com

 中国企業による日本への直接投資残高(企業買収に、支店・工場の設置などを加えた額)は07年、08年に大きく伸びた。さらに企業合併・買収(M&A)助言会社のレコフによると、中国企業による日本企業のM&Aの総額は09年、08年の4倍を超す285億円となった。

(中略)

 中国企業の攻勢の背景には中国の国策がある。06~10年の「第11次5カ年計画」では対外投資を積極化することが掲げられ、海外企業買収に対する政府審査の基準などが緩められた。多国籍企業を育て、海外の技術やノウハウを取り込んで自国産業の付加価値を高める戦略だ。

 

そうそう。10年前は日本買いがさかんで、爆買いという言葉も生まれたぐらいですが、最近はもう日本なんて見向きもしなくなってきた気がします。

ただ本当に遅ればせながら、日本も外資規制を強化するようになりました。

 

www.sankei.com

 武器製造や原子力など、安全保障に関わる日本企業への外資規制を強化する改正外為法が22日の参院本会議で可決、成立した。外国人投資家が日本の上場企業の株式を取得する際、事前届け出の基準となる出資比率を現行の「10%以上」から「1%以上」に引き下げて厳格化するのが柱で、来年春施行の見通しだ。

 欧米の規制と歩調を合わせ、中国を念頭に海外への技術流出を防ぐのが狙い。一般的な日本株投資を冷え込ませないための対応が課題になる。

 

全力で「おせーよ」と思うのですが、ないよりはましでしょう。技術を流出させないことが安全保障につながるのは、最近の日韓事情や米中貿易戦争を見ればよくわかります。あなた嫌い、じゃあ明日から取引しない、とはいきません。自分にブーメランが返ってこないよう、サプライチェーンを逐一確認しつつ、相手に取ってだけ耳の痛い規制をかけることができれば外交的には勝ちなのでしょう。

 

さて、国と国の駆け引きに巻き込まれないためにも、技術者だけ連れてくると言うのは企業に取って良策なのですが、こちら、連れていかれる方は覚悟しなければいけません。彼らの目的は、その脳の中の知識です。その知識が全て企業のデータベースに登録されてしまったら、全て第三者に移譲してしまったら・・。

まぁ、実際企業がその連れてきた人の賞味期限が切れたと思ったら、給与を安くするだの働きにくい場所に異動させるだの、いろいろやってくることは想像に難くありません。ですから、転職する人もそのあたりを覚悟して、情報を小出しにしたりある程度属人化させるようなプロセスに誘導するなりして生き延びようとするのでしょう。会社の辞め時から逆算して生存戦略がはじまるのでしょう。

いや、転職した企業にスキルを移譲しつつ、自分はもっと成長するのだ、と燃えている人もいらっしゃって実際それができている人もいらっしゃるかもしれません。ただ問題なのはその知識は誰が生み出したかということです。在籍してきた企業から伝わった技術であれば、それをアウトプットすることと新しく生み出すことは難易度が全然違います。企業が入社させた社員を家族のように扱い、死ぬまで保障するという珍しい会社ならともかく、なかなかチャレンジングな環境だよなぁと思います。

 

会社から使い捨てられないために

終身雇用も終わりと叫ばれている今、そうではあっても、人の頭の中に技術が収められているというのは変わりません。

AIだRPAだビッグデータだと、仕事をめぐる環境は激変しているのに、結局はこの原則は何も変わっていないんだと言うことです。

これって、結構大事なことだとは思いませんか?

だから、属人化の排除は怖い、と言っているんです。

 

www.orangeitems.com

 

自分自身が保持しているある仕事に対して脱属人化するのであれば、じゃあ私は何に属すことができるのか。それを常に自分に、会社に問いかけていかないと、いつか空っぽになると思います。

韓国に対して、液体フッ化水素のカードを日本が持っていたように、あなたも会社に対して何かのカードを常に持っていないと、きっと使い捨てられると断言しておきたいと思います。

もしくは新しいカードを手に入れるか、ですね。