orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

データセンターの8割が無くなる日

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データセンターが無くなる

何となく複数のニュースが1本の線につながる日があります。

 

tech.nikkeibp.co.jp

世界IT大手16社の2019年度第3四半期(7~9月)の事業分野別売上高
データセンターが連続減収、デルとHPEの不振が影響

 

japan.zdnet.com

GartnerのバイスプレジデントのDave Cappuccio氏が「The Data Center is Dead」(データセンターの死)と題されたブログ投稿で述べたところによると、同社は、80%の企業が2025年までに従来のデータセンターを閉鎖すると予想しているという。現時点で従来のデータセンターを既に閉鎖している企業の割合は、わずか10%である。

 

tech.nikkeibp.co.jp

国産クラウドの存在感が薄れゆく現状を象徴するニュースが相次いでいる。
NTTコミュニケーションズはパブリッククラウドサービス「Cloudn(クラウド・エヌ)」の新規受け付けを2019年12月1日に停止し、提供も2020年12月31日で終了すると発表した。ユーザー数の伸び悩みが原因だ。今後は大企業向けのハイブリッドクラウドなどに集中し、パブリッククラウドからは事実上撤退する。

 

考察

私は、今から、データセンターを借りてオンプレミスでホスティングビジネスを始めようとしている人がいらっしゃったら「時代遅れ」だと思っています。

大量のリソースはグローバル型のパブリッククラウドに吸い込まれ、ローカルのデータセンターはデータの保管場所としての意義が残るだけではないか。

企業がどうしてもプライベートに保管しておかなければいけないデータの量は、今のデータセンター設備の合計面積を埋めてくれるほどはなく、かつデータの集積度もどんどん上がっているので省スペースで事足りるようになる。

かつ、データを集積するのではなく、エッジと呼ばれる工場や店舗でコンテナを動かしデータを集積・計算した上で必要なデータだけをクラウドなど中央へ送るような手法もこれから本格化してきます。

全てをデータセンターで、というのは、レガシーになっていきます。

エッジ側もコンテナの実行環境に特化していくはずで、そのためオンプレミスは無くならないとしてもデータセンターではなく、工場や店舗など、置き場所が変わっていくでしょう。かつ壊れても取り替えが効くような、もっと軽量で気軽なものになると思っています。

だんだんこの世界観を構成する技術、

・コンテナ
・コンテナを動かすための基盤(Red Hat Openshiftや、VMware Tanzu)
・5G
・複数のコンテナをまとめて管理する運用管理
・グローバルクラウド
・メモリーと同じくらい速いストレージ
・エッジで計算できるAIチップ

これらが同時に整理されつつあり、これまでIoTと呼んで想像していた世界は一変します。それは物理サーバーがいっぺんに仮想マシンに変わっていた瞬間のように、仮想マシンがコンテナに変わるときです。

そしてそこに5Gがあり、グローバルクラウドがあり、エッジを動かすためのハードウェアの進化があり。それが2025年には準備がすべて整っているということになろうかと思います。

旧来のデータセンター・オンプレミスの世界が溶けていき、新しいエッジ・オンプレミスの時代へ突入する。そしてレガシーデータセンターはほとんどが役割を終え、一方でエッジ側がスマートでリッチになっていく。

 

ファンタジーではない

このシナリオのことをまだ信じていない人のほうがまだ多いと思います。

しかし、情報を収集する限りはもうこの方向しかないのではないかという感触です。

ミッションクリティカルな、非常に取り扱いの難しいワークロードはパブリッククラウドで動かしたい。一方でローカルで動かしたいワークロードも存在し、今は汎用の物理サーバーで動かさざるを得ないけれども、もっと軽量でメンテナンスのしやすい機器にしたい。それがエッジの世界で、今興味深いハードウェアの進化がどんどん起こっています。

もはや各社決算の数字にも表れ始め、調査会社の将来予測(しかも5年後という短期予想)も明確に打ち出され始めました。全てがAWSやAzure、GCPになるというわけでもない、このニューワールドの入り口に立ち、我々はどうすべきですか?、先回りするか/後からついていくか/取り残されるか、というお話でした。