orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)

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昭和・平成のオフィス

IT業界に二十年以上いていろんなオフィスを見てきてはいますが、ほとんど、いや全ての職場が白い壁、グレーの床、オフホワイトの机。黒い椅子。蛍光灯の照明。いわゆる昭和の職場のオフィスデザインでした。そしてスーツにネクタイが当たり前。

で、ここ最近、カフェというか美容室というか、やわらかいデザインのオフィスが客先に増えてきて、自身もそういった環境で仕事ができるようになり、あぁ、旧来のあの環境は思い込みだったんだなと思っています。

終身雇用・年功序列で右肩上がりの成長が半ば保証されていた高度成長期は組織の統制こそが重要で、そのためのオフィスだったんだろうと思います。社内で競争を起こし、優れたものが出世していく。周りは敵でどう生き抜くかというゲーム。しかし、今や年齢が高いというだけでリストラの憂き目に合い、中途採用の人がいきなり長年勤めた人の上司になる時代です。社員同士は敵ではなく味方であり、一丸となって他社と争っていく姿こそ本来の会社のあるべき姿です。ですから、オフィスデザインが「戦場」ではいけないのに、昭和・平成のオフィスはそうなってしまっている。

オフィスデザインと、会社の制度が、まるっきり不適合となっている。

過去の日本企業の強みが、現在、一転して弱みとなってしまった理由はここにもありそうです。

 

アクティビティー・ベースド・ワーキング

この仮説をうまく説明してくれる言葉はないのかなと思って調査していたところ、重要なワードが見当たりました。

「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)」と言うのですが、オランダのコンサルティング会社Veldhoen + Companyが提唱し始めた概念です。この記事を集めてみましたので、通して読むと気づきがあると思います。

 

ITMedia

www.itmedia.co.jp

 最近、欧米の企業が相次いで「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)」という勤務形態を導入し、注目を集めている。ABWとは簡単にいうと、仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方だ。例えば、集中する作業を静かな部屋でしたり、打ち合わせをソファでしたりするなど、フレキシブルに場所を選んで働くことができるのがABWの特徴だ。

 

Creative Office Design(雑誌)

雑誌です。25社のABWを実際に取り入れたオフィスが紹介されています。

自社の労働環境が殺伐としていて悩んでいる、経営者や総務担当者はぜひ読んでください。ITより大事なことがわかるはずです。

 

Creative Office Design [雑誌] 雑誌 – 2019/10/31

 

FNN

www.fnn.jp

ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)とは、働き方や仕事の内容に合った環境・ツールを社員自ら選択できるワークプレイスです。個人の生産性を高め、自律性を育むとともに、社員間のコラボレーションも促進されることが期待されます。通常の執務デスクに加え、集中スペースや各種ミーティングスペース、ラウンジ席、電話ブースなど、様々な種類のスペースで構成されています。

アンケート調査結果では、50%以上のテナントが「ABW」について「知っている」、または「聞いたことがある」と回答しました。そのうち、ABW導入済みのテナントの割合は20%となりました。また、ABWを導入したテナントの70%以上が「従業員の満足度向上」に効果があったと回答しています。(Figure3)

 

エキサイトニュース

www.excite.co.jp

今、「ABW」が働き方改革のひとつの戦略として注目を集めている。ABWとは「Activity Based Working(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」のことだ。

行動面、空間面、IT環境面のアプローチを組み合わせて、個人の自己裁量を最大化し、結果として生産性を高めるための働き方戦略だ。

このABWを実現する重要な要素として、「空間=ワークプレイスの変革」がある。

例えば、ITエンジニアであれば、ITエンジニア特有の日々の行動、必要な空間やIT環境をベースに、オフィスや働く環境を構築する。

ABWを実施した場合、ITエンジニアはどんなワーク環境になるのか。具体的なデスクや椅子などは気になるところ。このABWを展開するオフィス家具大手のイトーキに聞いた。

 

CNET

japan.cnet.com

レノボにおける働き方の根底にあるものとして、仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方となるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)があると説明する。元嶋氏は、生産性が高まる環境、効率がいい環境となるような働く場所の判断を、従業員自身が日々行っていくことで、通勤時間削減のみならず、限られた時間のなかで最大限のアウトプットを行うという意識付けになったと、自身の体験を踏まえて語った。また、これがより浸透することで、オフィスは業務をする場所から、何かしらのコラボレーションをする場所へと、オフィスにおける価値も変化するのではと付け加えた。

 

マイナビニュース

news.mynavi.jp

働き方改革という言葉が当たり前に使われるようになった。そもそもは、働き過ぎといわれる日本人の健康を考え、ノー残業デーを設定したり、有給休暇取得を推奨したりすることから始まった。

だが、ここ2~3年、潮目が変わってきた。多様化するワーキングスタイル合わせた“働き場所”を提供するサービスが増えてきたのだ。たとえば最近注目されている「アクティビティ・ベースド・ワーキング」(ABW)。これは、自席が用意されているが、コワーキングスペースなどがオフィス内にあり、通話や調べ物は自席で、プレゼン資料作成などで集中したいときはコワーキングスペースで働くという仕組み。アメリカやオーストラリアの企業で採り入れられており、日本もこうしたオフィスが増えるとみられている。

 

ビジネス+IT

www.sbbit.jp

──日本ではようやく近年になって、働き方改革という流れが来ています。

山下氏:その理由の第一は、日本型──つまりカイゼン型の働き方に限界が来て、制度も疲弊していること。これまで日本人は何か問題があっても現場で対応したり、つぎはぎで制度を作ったりして乗り越えてきましたが、いよいよ労働者人口が減少する時代に突入し、マンパワーだけでは対応しきれなくなってきました。抜本的に仕組みや制度を変えて手を打たないと立ちゆかなくなってきています。

 もう一つはワーカー側の労働観の変化や、これまで良しとされた生き方に対するアンチテーゼが出てきていること。今の若い人たちはお金や物欲よりも、より豊かな人生やより意義のある人生とはなんなのだ、というところに意識が向いている人たちが増えているんです。特に欧米ではこうした価値観の変化を背景に「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」のムーブメントが一気に広がりました。

 

もっと広がって、ABW

日本の悪いところ。RPA、Slackなどを導入する議論は先にはじまるのですが、肝心のオフィス環境に対する議論は誰も行わないということです。

そもそもITの先進的なツールは、今回ご紹介したような「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」の先にあるものなのです。

その証拠に、ツールを提供しているベンダーのオフィスを見てください。

Slack Japanのオフィスです。

 

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https://slackhq.com/intl-ja-jp-slack-tokyo-new-office

 

じゃあ、働き方改革の一環で、Slackを入れようとしている貴社。オフィスに手を付けていますか?ということです。

アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)の考え方、もっともっと日本の企業に知れ渡ってほしいものです。