orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

OracleとGoogleのJava著作権侵犯裁判の現状を知る(2019年版)

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OracleとGoogleの巨額訴訟の件、続編

去年話題にした、OracleとGoogleの巨額訴訟の件です。

 

www.orangeitems.com

Oracleが、Googleに対してここ8年間に渡ってJavaをめぐり約1兆円以上の損害賠償を求めている裁判が行われているのをご存じでしょうか。かの有名なAndroidは一部、Java APIが利用されているのですが、その中で著作権侵害があったとの訴えです。

 

アップデートがあり、一度下された「APIは著作権保護の対象となる」というOracle寄りの判決が、最高裁で見直されるとのニュースがありました。

 

gigazine.net

OracleはGoogleに対して「Java APIをAndroidに無断使用している」と訴えており、実に10年近くにわたって争いを繰り広げてきました。損害賠償額が88億ドル(約9500億円)もの巨額である点も注目を集めたこの訴訟について、2014年には「APIは著作権保護の対象となる」という判決が下されましたが、Googleはこの点についての見直しを求め続け、ついにアメリカ合衆国最高裁判所がGoogleの上告を受理したことが判明しました。

 

解説

Gigazineの記事の通り、これはソフトウェア業界にとって大変大きな裁判であると思います。というのは、2019年時点で、他のサービスのAPI互換なんてうなるほどリリースされているからです。

API互換サービスの例を挙げます。

 

it.impressbm.co.jp

IIJオブジェクトストレージサービスは、Amazon S3互換のREST APIでアクセスできるクラウド型のオブジェクトストレージである。特徴の1つは、保存容量に上限がないこと。大容量バックアップやアーカイブなどに向く。また、REST APIだけでなく、Web画面からファイルのアップロードとダウンロードができる。

 

jp.techcrunch.com

AWSが今日(米国時間1/9)、MongoDBのAPIと互換性のあるデータベースDocumentDBをローンチした。同社はDocumentDBのことを、“既存のMongoDBアプリケーションやツールと互換性のある、高速でスケーラブルで高可用性のドキュメントデータベース”、と説明している。実質的にそれは、MongoDBをリプレースするためにAWSがホストするドロップインで、MongoDBのコードはまったく使っていない。

 

 

デファクトスタンダートとなりつつあるソフトウェアがあるとして、それらはAPIで呼び出して使われるとする。であれば、APIの呼び出し方だけ模倣して、その中身は独自で実装する、という手法です。

上記以外にもたくさんありますが、これらの手法について「いや、API群全体が著作権の範囲内だから、APIを模倣するのはその権利を侵している」というのがOracle側の主張でした。

で、これを認めてしまうと、API模倣ソフトウェアたちを狙い撃ちにするために、APIセットを作った会社を買収して裁判に持ち込むということが当たり前になり、それってアメリカ経済のためにもソフトウェア市場のためにも良くないよね、というのがGoogleの主張と言うことです。

で、この主張に合理性があるとして最高裁が「APIは著作権保護の対象となる」という判決を見直すということになったのが現在だということです。

 

考察

世の中は、この判決が出る出ないにかかわらず、API互換でサービスを行なうことを当たり前に行うようになってますよね。

もしOracleの主張がそのまま通ってしまったら、結構業界は大ごとになってしまうような気がしています。

Amazonがどう考えるかわかりませんが、少なくとも幾多のS3互換のサービスが世に出てしまっています。S3 APIに著作権がある!、なんてAmazonが言い出したら大変でしょう。まぁ、Amazon自身がMongoDB API互換やAuroraでのMYSQL/PostgreSQL互換などをサービスしていることもあり、そんな主張はしないと思いますが・・。

とりあえず業界注目のこの裁判、世の中の動きを最高裁も把握しGoogle寄りに動いたことをご報告しておきます(まだ終わりではないですけど)。

この分じゃ、2020年まで結論はお預け、ですね。