orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

非正規公務員の議論を整理する

f:id:orangeitems:20191107093252j:plain

 

非正規公務員の問題

昨日、NHKのクローズアップ現代+にて非正規公務員の問題が取り上げられました。

 

www.nhk.or.jp

ことし日本列島をたびたび襲った台風。自治体の初期対応や現地調査の遅れが問題となった。さらに相次ぐ児童虐待事件では、児童相談所などの対応の問題も指摘される。実はこうした問題の裏には、自治体の人手不足や、いわゆる“非正規公務員”の増加があると言われている。税収が減り人件費削減が避けられない中、非正規は公務員の3分の1を占めるまでに。手取り16万で働く児相職員、学級担任を任される時給900円以下の非正規の教師…、その労働環境はとても厳しい。税収が減少するなか、安定した自治体運営には何が必要なのか考える。

 

この件は当ブログでも過去取り上げています。

www.orangeitems.com

 

参議院選挙前に、本件もそうだが就職氷河期救済の件などさまざまなトピックが注目されたけれども、結局は実体は何も変わっておらず現在に至るのだなということを思い知らされることが多いです。

日経平均株価が高い水準で推移していることからも経済は順調だと錯覚する向きは多いのですが、実際なところ製造業が大打撃を受けていることが包み隠されています。

 

www.nikkei.com

米中貿易戦争をきっかけとした世界経済の減速が製造業の業績に打撃を与えている。1日までに2020年3月期の業績予想を見直した製造業171社のうち、下方修正は7割を占め、7年ぶりの高水準となった。海外の自動車販売の低迷や設備投資需要の鈍化、為替や商品の相場要因という「三重苦」が各社の業績の重荷となっている。一方、非製造業は健闘が目立ち明暗がくっきり分かれた。市場では株価が回復しているが、株式相場が期待する業績底入れが実現するかは不透明感も残る。

 

今一度、非正規公務員の問題について考察したいと思います。

 

考察

この件のSNSでの反応を見ると、以下の意見が目立ちます。

・非正規公務員を正規公務員並みの待遇にしてから、非正規公務員の負担を増やすべきだ。
・非正規公務員は身分が不安定なのだから、正規公務員より給与が上でなければいけない。
・公務員を減らした結果がこれ。
・国は人に予算を使うべきだ。

というように、基本的にお金をもっと使う意見が多いのが現状です。

しかし、これは無責任な意見と言わざるをえません。国の予算は自分の資産とは別物であるという認識があるのではないでしょうか。国の予算は毎年肥大化しつつ、借金と借金の返済に充てるお金の両方が増えています。国がもっと予算を追加しろ、というのは単に我々の税金をもっと増やせと言っているのと同義だと感じます。消費税を20%にする代わりに、非正規公務員を全員正規公務員とする、という案にしたらきっと、大反対の嵐が起こるでしょう。非正規公務員の待遇の問題は、それだけ考えるのではなくもっとマクロな視点でロジックが成り立つようにしながら、意見を集めていくべきだと思います。

国が悪い、国が渋るから。この国=自分と考えると、自分が渋るからという意味になります。そうすると、いや、税金はちゃんと払っているしむしろ年々負担は上がるばかりだ。そういう意見に変わるに違いありません。

一方で、では国や自治体の負担を増やさずにどうすればこの問題を解決できるかを考えましょう。シンプルに考えると以下の方法があります。

 

【方針】

A 自治体の生産性を上げ、公務員一人当たりが生み出すサービス量を2倍にする。
B 自治体が行うサービスの量を減らす。

 

【A or BもしくはA and Bの影響】

結果的に公務員の人数を減らすことができる。非正規公務員を全て正規公務員にする代わりに、公務員の人数自体は大きく減らす。したがって、この施策をする段階で、非正規公務員が「雇い止め」になるため、この方々を人手不足の民間産業に転職支援するまでを一つのパッケージとして提供する必要がある。

 

【結果】

結果的に公務員の人数を減らすことができる。かつ非正規公務員を無くすことができる。

 

理想論であり、現実はもっと複雑だと思います。

生産性を2倍にするとは具体的に何を示すのか。

サービスを減らすことは現実的なのか。

今まで働いてきた職種を捨て、新しい職種に転職させるのは残酷なのではないか。

どうやって選抜するのか。

 

実のある議論が必要

もちろん各論を言い出せばきりのない話ですが、「非正規公務員を無くす」ということと「国民の負担を増やさない」ことを両立するためにはこのロジックを行うのか。もしくはこれ以外に何か別の方法があるかについてもっと高い次元の議論がなされるべきだと思います。

国が悪い、で思考停止することがあってはいけません。その国自体が公務員であるため、公務員改革にはバイアスがかかってしまうのは間違いないからです。

国の予算が一人ひとりの財布とつながっていることを認識し、全体的な負担を増やさずに、非正規公務員を救い、かつ不可欠な行政サービスが継続するためには何をすべきかを身近な問題として国民一人一人が考え発言していくべきだと思います。

不要なサービスは止めるべき。生産性の低い仕事は民間の観点から改善すべき。不当な待遇の仕事は減らし、過剰な人数は人手不足の民間へ転用すべき。一つ一つ議論を積み上げてこそ解決に近づいていくのではないでしょうか。