はじめに
さっきまで障害と言うか、不具合の調査をやっていました。
もうこの世界に随分長くいるので、多分原因はアレでコレでと当たりをつけてやったものの全然当てはまらず、調査は長期化し、まだまだ学び足りないな・・と反省しきりです。
たくさんの人が、障害対応/不具合対応をこれから行っていくと思いますので、経験上知っておいたほうがいいかなと思うことをまとめておきます(自戒もこめて)。
心構え
不具合を報告してきた人の勘違い、という考えを捨てること
お客様のスキルより自分のスキルが高くて、いやいや、これはこういうことですよ、と言うことができると信頼度が上がります。
ですから、心のなかでバイアスがかかって、「どうせお客様の勘違いだろう、どれどれ」と思って取り掛かると、そうではなく本当の不具合だったときに結論を間違うことがあります。
問題の切り分けをさっさと切り分けて、いやいや再現しませんよ~、なんて返してしまうと信頼度激下がりです。そんなサポート嫌ではないですか?。問題があるのにわかってくれない。このサポートはスキルが低い。ちゃんと説明しないとわからない。そんな思いをお客様にさせてはいけない。
だから、本当に裏が取れるまでは慎重に回答することを念頭に置くべきだと思います。
初めの仮説が間違っていたときは、長期化すると思うこと
ああ、あの件だろう。
9割9分は思いつくのですが、1%くらいはそうじゃないことが起こります。
初めての対応する事象。
経験豊富であるほどにこの状況に同様します。そうなったときには長期化すると決めてかかった方が良いと思います。長期化させてなるものかといろいろ手を動かすと、それがもとでトラブルとなり二次災害となる可能性もあります。長期化するならするでやりようはあります。ちょうどいいところで手を止めて作戦を練り直すべきです。
あわてた心理のときは、何をやっても好転しません。
特にベテランに起こりやすいんではないかなあと思います。
報告をこまめに
調査に没頭して、周りにもお客様にも何にも報告しないと、状況が悪くなっていきます。お客様は何も調査をしていないのではないかと勘繰ってきますし、同僚も手伝えなくなります。
前段で、長期化したときに手を止めるべきと書きましたが、この報告がおろそかになるということが関連します。
今日も思ったんですが、はじめの直感が外れて、ああだこうだしているときって、ほとんど当てが外れることが多いです。どんどん外れていくので焦っていきます。長期化していきます。焦りますし、結果を出せないので気分が悪くなっていき、誰とも話をしたくなくなって・・・。
というループにはまる前に、誰かと会話して頭を定期的にリフレッシュしたほうが、パッと良い案が出てくる可能性があります。
初期の段階で、お客様に詳細な内容を伝えるべきではない
これまでの内容の通り、当てが外れたときには真相はまだ闇の中です。
初めの段階では「願望」がバイアスとなりがちなので、そこで詳しい原因や対策などを書き始めると、ウソが混ざってきます。いや、ウソは書くつもりはないのですが、後になって考えるとアレもコレも間違いであり、全部切り分け作業を終えてからドキュメントを書いた方がすっきりします。
ウソが混ざったドキュメントを一度だしてしまうと、お客様にそのウソが刷り込まれることになり、それをまた打ち消すのに余計なパワーが必要になってしまいます。
ああ、言わなきゃよかった、って私はさっき思ったばかりです。
レスポンスが早すぎるのもいいことばかりではない。
思い込みが深い場合、同じ場所をぐるぐる回る羽目になる
絶対にここはこうなのだということが否定されるような現象の場合、切り分け作業の推移を考えてみると、同じ試験を何度も繰り返しているのがわかります。
1度やれば証明できるだろうに、いろんな条件でやってみたくなります。
この時間は無駄だなあと振り返ると思うのですが、なぜ何度もやってみたくなるかというと、深い思い込みを信じたいから・・です。
問題にハマるときは、冷静さを失っているので、余計ムキになるんでしょうね。
一度手を休めて、それだったら、180度違う方向から攻めてみよう。思い込みが解けてあきらめがつくと調査が再度進みだすのですが、できるだけその境地に素早くいけるようになった方がいいのかなと思いました。
新人もベテランも関係ない
今回の件、新人とかベテランとか、仕事とかプライベートとかあまり関係がないように思います。何か問題にぶち当たったときにどう振る舞うか。大きい問題が発生してすぐに解決できない場合、視野が狭くなり周りに対して閉鎖的になり、感情的になり思い込みで動く。そんなことがないようにしなければいけないなあと思いますし、むしろ経験があったほうがその沼にハマりやすい。
・・ということはわかっているのだけれども、まだまだだなあと、先ほど思ったので、忘れないうちに記事にしておこうと思いました。