orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

SES会社をつくろう!

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SES会社と私 

「SES会社をつくろう!」なんてどこかのゲームみたいですね。SEつく。

私は新卒から十数年間SES会社にいて、「ああこのままじゃダメになっちゃう」と思って脱出したのですが、その時は、ああこんな会社将来ないだろうと思っていました。でもまだピンピンしています。ただ面白いのは、社員数がほとんど増えていないこと。平均年齢がずっと変わっていないので、社員を入れて出してを繰り返してるんだろうな、と。でも売り上げは1.5倍くらいに上がっているということは、おそらく信用力が増して案件数が増えたんだな。そのうえでパートナー増やして売上増やしているんだろうな。まあSES会社としては大成功しているとはた目には思いますが、その一味でいるのは勘弁でございます。

SES会社で技術者として出世するためには、やはりデカイ案件をさばける能力につきます。難しい、ではないんです。デカイ。何がデカイかって、工数です。人月単価ですから5人の案件より100人の案件のほうがデカイ。私は5人の案件より100人の案件が20倍難しいとは思いません。扱う技術も要件もいろいろですし、そもそも何で100人も必要なの?とは思います。そして100人の難しさはそのいろいろな人々を安定して働かせるモチベーション管理だの勤務態度だの、なんだかIT業界とはかけ離れて、管理職に近くなります。SESだと善管注意義務さえあれば成果物責任は問われないし、まあ本当に仕事できないのなら営業に言って取り替えてもらえばいい。私は35歳くらいのときに強い違和感を持って転職しましたが、いやいやSES会社は不滅ですよ。私の意思なんて関係ない。

SES会社でほんと嫌になったのが、上司になる人間っていうのが、その100人をまとめられる人材みたいな人ばかりで、技術者としてのトップではないこと。SES会社の案件なんて技術志向で選んでいるわけではなく、単金や就労条件が会社の関心ごとですから、COBOLでもVBでも空き工数があるなら請けるというのがSES営業でしょう。むしろいろんな人をまとめ上げて安定した案件化できる人が出世していく。SESで案件を渡り歩いて技術的にキャリアパスを持てた人はラッキーだと思います。で、自分がどんなに勉強して現場で成果を上げたとしてもそれを評価する上司はその現場にはいないのです。半年に一回ぐらい顔を出しては「がんばれ」って言ってくれたけど、彼らはある意味、やる気を出させるプロだったんだなと。成果出したって単金上がらないと会社の利益は増えないわけだから、いろんな人にがんばれって言ってただけだなあれは。ということで、自分の成長と会社の評価に絶対にギャップが生まれるのがもうほんとにイヤだった。まあ、だからSES企業って離職率高いし、一方でどんどん人を集めることにも長けている。SES企業辞めてSES企業に移る人も多いから、なんとなく不滅だと思う。

 

どうやって作るの?

SES企業を作る方法はいろいろとネットに落ちています。

 

www.eightdoor.biz

この間、TwitterとかでSES事業をやってる企業の売上の話が少し話題になっていたんですが、それに反応してる人が意外と仕組みを知らなくて、なんで儲かってるんだろーみたいな感じだったのでちょっとSES事業のビジネスモデルについて解説してみようと思った次第です。

 

このサイトすごくわかりやすくて、長年取り組んできた問題の答え合わせを読んでいる気分になります。このビジネスモデルを眺めていると分かる通り、技術的に何に取り組むかなんて一切関係ありません。

ということは、起業さえすればなんとか形になるのがSES会社だと思います。だから世の中こんなにSES会社があり、不滅なんですよね。

当時、私はだんだん中身を知るにつれ、こんなのに参加する人は減るはずだと思ったんですが、そんなことないですね。多分今でも勝負できるんでしょう。

 

www.wantedly.com

『ブラックな会社つくりてぇ~』という全国のブラック社長候補生たちにお届けする【悪の教科書】と言うテイでいきますか。【今だったらこうやる】的な。

 

これもちょっと前に話題となったエントリー。Wantedlyに置いておくあたり、やるなと思いますがでも、表現に悪意があるだけで間違ったことは書いてはないと思います。

ロースキルと言う言葉に心当たりがありますが、変にスキルが高いと技術者の給料が高くなっちゃうんで、うまく卒業してもらいたいというのは核心ですね。だって私は、同じ意味の言葉を営業から言われましたからね(やめろとはいってないけれど)。

SES会社の幹部がドヤ顔して自社にいるけど、あの人たちって日経新聞読んで話題のヒューマンスキル本と未来予言本を頭に入れて、お客様連中と意識の高い話をする天才ですからね。で、社員に意識の高い話をして、やる気を出させるという天才。

 

note.mu

最近IT業界でSESを叩く風潮にあるのですが、声の大きなものは感情論だったり、極端な例外に向けられた警鐘であったりしてビジネス的に理解できるものが少なかったので、私の実体験と弊社のSESサービスを元に反論していきたいと思います。
同じ仕事をしてない方に自分たちがプライド持ってやってる仕事を否定されて笑えるかっていうのが正直な動機ですw

 

SESがダメじゃないっていう理由を、SES会社の経営者が言うのはこれは説得力がないです。SES契約で常駐している技術者が主張するのならいいんですけどね。やはりビジネスモデルに技術論が全く出てこないというのは、技術者が乗るには無理があります。それに気づいて卒業していくということを業界が繰り返していると思います。

30代半ばくらいで卒業してから本当に食えるかが、SESに携わる技術者に求められていることなのではないかなあとぼんやりと考えています。SES案件で成長できるのは確かなんですが、それに裏付けられる給与が比例しない。フリーランスに切り替えて自分で営業するなどしないと、高単価のバリューを売ることは難しくなると思います。高い単価の案件って少ないですから。高いだけの理由があって高いのです。まあ、そこまでは成長できるという意味で、未経験者や若手には存在意義があるのかもしれない。

 

SES会社、増えるよ

過去このブログでもお話ししましたが、

 

www.orangeitems.com

 

同一労働同一賃金が強制適用される派遣契約をやめてSESに切り替えようという会社が増えています。

偽装請負の締め付けで派遣契約がずいぶん増えましたが、逆にまたSESに立ち返ろうという会社が増える。

それじゃあ、どうやってSES会社つくるの?ということで、このエントリーを作っておきました。

このSES業界、変化していく規制に対して、どうしのぐかというナレッジが相当ありますから注目しています。

アウトソーシングを要望する企業も、それを輩出する起業も、中身は何にも変わっていませんから。双方で現状維持をするために抜け道を研究し、実行してくるはずです。

ということで、「SES会社をつくろう!」という方は挑戦してみてもいいと思います。しっかりしたビジネスモデルです。ただ、私自身はつくるのも参加するのも、巻き込まれるのもご勘弁ですけどね。