orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

社内ハッカソンが失敗するのはなぜか

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ハッカソン

ハッカソンという言葉をご存知でしょうか。

 

codezine.jp

プログラマー、デザイナー、エンジニアが、限られた時間のなかで創意工夫を凝らし、自由な発想でものづくりを楽しむイベント「ハッカソン」。ここ10年ほどの間に日本においても浸透し、全国各地で、さまざまな規模やテーマのハッカソンが開催されるようになりました。

 

ハッカソンとは、ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた言葉らしく、数人のプログラマーやデザイナーなどが集まって、数時間から数日間かけて新しいアイデアを形にしようという試みです。

身の回り(社内)で一度だけそういう試みがあって、そもそも一匹オオカミ的な気質の私は参加せず、かつそのイベントはかなりの失敗に終わった思い出があります。

一方で上記記事のようにうまく廻している事業者もいるので、失敗の観点からどうやればハッカソンがうまくいくのか考えてみます。

 

失敗事例

私の思い出話の前に、ハッカソンが失敗する事例を紹介しておきます。

 

yubeshicat.hatenablog.com

審査員の一人がハッカソンの講評でこんなことを述べていました。「ハッカソンでのコツは最初にプレゼン用の資料を作り、チームでどんなコンテンツを作るかを最初に共有して、土台を作ることを最優先でやることだ」と。本当にその通りだと実感しました。細々としたところもそれはそれで重要であるとは思いますが、結局一番大事なのは動くものを見せることなんですよね。今回のハッカソンではそのことを痛感しました。

また、ハッカソンで今までやったことがない新要素を取り入れることはいいことだと考えているのですが、それをするなら仕様は単純の方がいいです(特に今回のような短い期間のハッカソンではなおさら)。切羽詰まって開発することもなくなりますし、デモをする時間も多く取れるようになりますからね。何より、心のゆとりが生まれてハッカソンを楽しむことができるようになります。

 

toyokeizai.net

ハッカソンを失敗させないためには、少なくとも以下の項目に注意を払う必要がある。

・短期的な成果を目的としない

・ハッカソン後も取り組みを継続する

・エンジニアの割合を多くする

・テーマと内容、審査員の一貫性

・適切な知的財産権の取り決め

・Wi-Fiや電源など開発環境が整っている

すでに述べた「短期的な成果を目的としない」「ハッカソン後も取り組みを継続する」に加えて、なぜエンジニアの割合を高める必要があるかというと、エンジニアが少ないと、短期間でモノを完成させるのが難しくなってしまうからだ。

 

monoist.atmarkit.co.jp

これまで数多くの企業の課題と向き合い、イベント運営に携わってきたDMM.make AKIBAが考える「失敗しない企業イベントの条件」とは何だろうか。荒井氏と渡辺氏は2つの条件を挙げる。

 1つは、社内の意思を統一し、目的を明確にすることだ。明確なビジョンがない新規事業開発の現場では、「もうかるタネを見つけろ」「新しい事業につながる技術をリサーチしろ」など、全く異なる指示が上層部から降ってきて、現場では異なるニーズやアイデアが出てくる……といった状況も珍しくない。そうした状況のままでイベントを企画すると、担当者にとって満足度の高い内容だったとしても、上層部からは真逆の評価が下されるといったことも起こり得る。だから、まずは中長期的な目標と直近のマイルストーンを定義した上で、イベントの目的を絞り込み、それを社内で合意することが肝心だという。

(中略)

 もう1つは、イベント終了後のシナリオ作りだ。仮にハッカソンで優れたアイデアのタネを見つけることができたとしても、ブラッシュアップしないことには製品化にはつながらない。そのため、終了後の試作開発のフォローを誰が担うのか、いつまでに中間成果物を出すのかといった社内調整はもちろんのこと、ハッカソン参加者とあらかじめ著作権の帰属先に関して契約を結んでおくなど、いくつかの事前準備が必要となる。

 

私が見た失敗事例

私が見た失敗事例も「一度限りのハッカソン」でした。

むしろハッカソンをやってみたけど、結果何も生まれなかったので、二回目は無かったという事例でした。二回目の無いハッカソンはそれだけで失敗ですね。一回目のすべての活動を否定してしまう。

特にひどいなあと思ったのが審査員が上層部だったことです。それではビジネスにならん、損益分岐点はどうだ。どうやって運用するんだ。人はどれぐらい必要だ。初期投資は・・。

上層部は経営に近いですからもちろん新ビジネスには慎重になるのはわかるのですが、若手に新しいアイデア出しとプレゼン作成・発表をさせておいて、上層部がフルボッコにしていくのって、まあ気持ちの良いものではないですよね。

ではその新しいアイデアを、会社の中層部がサマリーにして仕上げて、上層部に持っていくというのは仕事っぽいですが、せっかくのアイデアを課長や部長が持っていくという、若手に相当不満が溜まる手法はもはやハッカソンではないです。うまくいったら課長や部長が手柄を横取りしてしまうでしょう。

こうやって考えると、日本の会社のいびつというか、うまくいかない原因がわかります。若手にビジネスのことを教えていないのに、ハッカソンなんてやってもうまくいくはずがないのです。どうやってモラルを守ってお金を得ていくのかと、技術を結び付けるという観点はどうしてもハッカソンの前に必要です。

一方でハッカソンメンバーにそのようなビジネス感覚のある人がいればいいのですが、どちらかといえばそれこそ、上層部のメンバーが1名混ざりつつ「マウントを取らない」という約束で助言を行うべきでしょう。

だいたい、若手のアイデアが欲しいくらいに上層部のアイデアが枯渇しているにも関わらず、若手のアイデアを聞いてやろうというスタンスだけのために開くハッカソンほど、若手の失望を買うものは無いと思います。審査員は謙虚に聞いて頂きたい。ビジネスの達人のような顔をして発言しないでほしい。

そういうハッカソンになっていないか、実施する前に考えるべきかと思います。

審査員が、上から目線でああだこうだ批評するハッカソンは、絶対に不快感が生まれて冷めた雰囲気が生まれ、もうやめようねとなるのがオチ・・です。

上層部も若手も、ウィンウィンとなるような雰囲気こそ重要で。上層部もハッカソンに混ざってワイワイできるのであれば、成功するかもしれないなと思った次第です(私の思い出から)。

あと、ハッカソンで一度や二度失敗するのは当たり前で、やったらバンバン成功事例が出てくるのならどんな会社でも実施します。イマイチな提案はたくさん出ます。それを失敗だとしてその一回で終了にしてしまったら、二度とリベンジの機会はなくなってしまいます。ハッカソンを失敗経験の体験だけに留めるのであれば本当にやらないほうが良いかと思います。

何度も挑戦して何か成功の芽をつかむ、という場にならないとうまくいかないのだろうなとも思います。また何度もやってやろうという気になれるような雰囲気づくりも肝になってくるでしょう。