orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

家庭用プリンターの熱狂と失望

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プリンターが売れない

HPという会社は今、サーバー向けの製品群をHPEに切り離して、PCやプリンターなど個人向けの事業に集中しているのですが、プリンター部門が不調とのことです。

 

www.itmedia.co.jp

米HPは10月3日(現地時間)、向こう3年間で7000~9000人を世界で削減する計画を発表した。全従業員の約16%に当たる。このリストラにより、年間約10億ドルのコスト削減を見込む。

 同社が8月に発表した第3四半期(5~7月期)の業績は、PC部門は増収減益、プリンタ部門は減収減益だった。

 

パソコンは売れているが、プリンターが売れない。

何となく状況はわかります。

 

考察

昨日、ドライブをしているときにやけに立派なカメラ屋さんがあって、駐車場も構えていて、「こんなデジタルなご時世にやっていけるのかな?」と思ったんです。ひところEPSONやCANONなどの家庭用プリンターが大流行りして私も5回ぐらいは買い替えました。デジカメがまず流行しその後にスマホまでやってきて、印刷も家でやるからカメラ屋さんは困るだろうと。で、かなりの不景気がカメラ屋さんにやってきたのを覚えています。

私の記憶もそのままだったものでもう街のカメラ屋さんなんて絶滅寸前かと思ったのですが家族曰く、「あのカメラ屋さんをいつも通り過ぎるけど、お客さんがいつもたくさん入っていて賑わっているよ」とのこと。え?そうなの?。

前段のHPのプリンター事業不振のニュースも見てこれはなるほどと思いました。スマホとスマホカメラの高機能化のために、印刷しなければいけない場面はかえって昔より増えたのではないかと。それを印刷するための基盤は家庭用プリンターだったのだけれども、プリンター事業者は「家庭用プリンターを安く配り高いインク代で回収する」というモデルを徹底した。よく私もインクジェットの家庭用プリンターを使っていた時代はあったのですが、インク代が高かった。初めはいくつかのカラーインクを同じボトルに入れていたせいで、一色でもなくなったら他のインクを廃棄しなければいけなかった。そのうち色ごとのインクを別売りするようにはなったものの。そうすると今度は何色のインクが足りないかと言うのを管理しなければいけないというようになりかなり管理が大変になった記憶です。

しかも、どうも印刷結果が変。ドライバのせいだか紙のせいだか、プリンターの性能だかわかりませんが品質が得られない。

インクが高いからって、「互換インク」みたいな偽物っぽいインクを買ってきて使うも、今度は純正メーカーが互換インクだとサポートしないだの不具合を起こしたりだのしてむしろ悪い方向に。

だんだん格闘するのがバカバカしくなって、メモリーをカメラ屋さんに持って行って印刷してもらったらこれはもう格段にきれいにできる。必要な時だけ印刷できればいいので、これは家庭用プリンターを運用するより全然楽だし、早いし、美しい。

まあ多分こんなことが起こったのではないかなと思います。

我が家では、それでも家では印刷する用があるのですが、白黒のレーザープリンターを使っています。

 

 

レーザープリンターはインクがすごく持つし、別にカラーである必要もない。紙の印刷ものはこれで良くって、カラー印刷が必要な時はカメラ屋さんに持っていく。これで最適だなあと思っていたのですが、世界レベルで家庭用プリンター事業が落ち込むということはそういうことではないのかなあと思いました。

 

思い出

そういえば私が初めて家庭用プリンターを買ったのは20年くらい前、大学卒論の作成のときでした。ワードで150ページくらいあったと思うのですが、印刷を自宅で。IBM PS/Visionというメモリ8MBのパソコンでやったんですけど悲惨でしたね。

印刷をかけますよね、一ページの紙が複数枚同時に中途半端に吸い込まれていって、結果巻物のような状態になり、最終的にはアラートランプが点灯。

再度、印刷状態になるためにガーだかゴーだか謎の自動メンテナンスを繰り返した挙句、またアラートランプ。

多分数ページずつ印刷をかけることでなんとか印刷を終えたのですが、きっと卒論作成より印刷にかかった時間の方が長かったのではないか・・という。

巡り巡って令和になって、結局は街のカメラ屋さんが繁盛し、家庭用プリンター事業が失速している様を見ていると、歴史を感じます。適材適所ですね。