orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



データセンター付近が停電になるとどうなるか

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台風による停電と、データセンターへの影響

先日の関東を襲った台風について、特に千葉県中心に大きな被害となっておりまだ社会インフラが復旧していない模様です。もう数日経過しており住民の方は大変な思いをされていると思います。

千葉県といえば、千葉ニュータウン中央にデータセンターがたくさん建設されていることを思い出します。

 

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都心から電車で約50分。千葉県印西市の「千葉ニュータウン中央駅」の周辺は、広大な平野にマンションや戸建てが立ち並ぶベッドタウン。最近、その街の一角で、無機質な外観のビルがやけに目につくようになってきた。

実は、その多くはデータセンター(DC)だ。メガバンク、生命保険会社、損害保険会社、システムインテグレーター……。確認できただけでも複数の大手企業がDCを構え、さながら「DC銀座」の様相を呈している。5月には米グーグルもこの街にDCを建設すると発表した。

 

cloud.watch.impress.co.jp

Coltの印西データセンター、SCSKのnetXDC 千葉センター、ソフトバンクのソフトバンク千葉ビルが所在する、印西地域をはじめとした千葉ニュータウンエリアは、数多くの郊外型データセンターが集まっており、全国でも有数のサーバーファームの集積地となっていると説明。ただし、現状では都心と比較した場合、インターネット接続回線の選択肢が少ないなど接続性は高くなく、BBIXのIXコネクトサービスを通してより低遅延で高品質なIXサービスを提供するとしている。

 

データセンターの周辺地域が停電になるとどうなるのか。そもそもデータセンターは電力無しには存在できません。通信もサーバーも全て電力が動かしています。また瞬間的にも電源が停止するとリカバリーのために大変な作業が必要になります。

今回は、データセンターがつながる先の電話局が停電となったことで、システム影響が続出しているそうです。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 データセンターを多く抱える千葉県で電話局が停電したことにより、情報システムに被害も出ている。
 KDDI傘下のじぶん銀行は10日正午前から午後5時台にかけて、提携金融機関のATMで入出金や残高照会、カードローン取引ができなくなった。NTTデータの決済総合プラットフォーム「CAFIS(キャフィス)」とじぶん銀行のシステムなどを接続する通信ネットワークがつながらなくなったためだ。

 

データセンターと電力

停電時にデータセンターがどう動くかについては、過去北海道地震の際のさくらインターネットの事例がわかりやすいです。

 

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今回、千葉県に存在するデータセンターが停電に見舞われたのかは知りえないのですが、仮に発生したとしても上記のように、UPSおよび非常電源により即電源停止とはなりません。

燃料を確保できている状態であれば、そこから停電が解消するまで非常電源で動かし続けることができます。

このUPSへの切り替えであったり、非常電源への切り替えが、本番でうまくいかずに電源が止まるケースは少なくないのですが、今回はそのような話も聞かないため想定通り動作したのではないかと思います。特に千葉県のデータセンターは新しい設備も多いのと、関東圏ということもあり燃料資源が豊富であることで、今回の大災害も大きな事故が起こっていないということが言えると思います。

電話局のトラブルはこれはもうデータセンター外の話なので、社会問題化しない範囲で収拾を測れていることは千葉県のデータセンター群の優秀さを示したのではないか、と思います。

 

人の問題

データセンターは基本的に窓がありません。そして24時間動き続けています。私もデータセンターで長く過ごしたことがあるのですが、中に入っているとだんだん時間間隔が無くなっていきます。人間日光を浴びて目を覚まし、暗くなって眠くなるのは生理現象ですがデータセンターの中にいると時が止まったようです。

過去の話ですが正午から作業を続けて、夜中を回って次の日の朝まで仕事をしましたが、あまりおなかもすかず目はさめた状態で、作業がひと段落したときに「もうこんな時間か!」と気づいた瞬間にどっと疲れが下りてきたことがありました。

データセンターの中は地震が起きても免震対応されていればわからず(壁が揺れるが地面は揺れない)。雨の音も聞こえない。時と精神の部屋でありインフラエンジニアとしては作業に集中できる環境で、あのサーバーのちょっとすすけた臭いも含めて嫌いではないのですが、健康には悪そうだなと言ったところです。

また、温度も、一年中20度超えたぐらいに管理されています。季節感無しです。

オペレータールームと呼ばれるデータセンターの管理施設では、あまりにも外界から遮断されてしまうので、テレビが24時間放映されていたりします。天気予報やニュース速報などは重要な情報源になります。

今回の千葉県の社会インフラが長く復旧しない状況で、データセンター自体はこのように24時間運転を保つことができるのですが、問題は「ヒト」だと思います。ご自宅には問題は出ていないのでしょうか。通うことができる交通網は復旧しているのでしょうか。食事は取れるのでしょうか。

機械だけ置いて保守をしなかったら、データセンターやその中の設備も支障が出てしまいます。よく災害対策をシステム面で考えるとき、冗長化や遠隔バックアップ、障害発生時の対応方法などいろんな仕組みを設計するのですが、肝心の「ヒト」ばかりはどんな災害でどんな状況となるかはコントロールできません。

長期化すればするほど、ヒトの影響は避けて通れません。いち早く千葉県の状況がよくなることを祈っております。