orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

文系/理系なんていう「すりこみ」を信じなければよかったという後悔

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文系/理系、っていうくくり

はてなブックマークで話題になっていたので一言。

 

togetter.com

 

この中身のことはあまり関心が無く、文系/理系というこの考え方そのものに対しての感想です。

 

考察

ロスジェネ世代の私が初めて文系/理系のくくりに出会ったのは高校1年生の終わりごろでした。ほとんどが大学に進学する受験校だったので、進路を前提に、文系/理系クラスに2年生から分割するというシステムでした。ちなみに3年生になると国立文系/私立文系/国立理系/私立理系にまで分割し、私立文系だとまるっきり数学も無くなるという徹底ぶりでした。私は国立文系クラスに行きました(結局は私立に行くのですが)。

20年前だと完全に文系/理系思想が激しくて、文系に行った私は、数学や理科を捨てた気分でいました。国語や暗記問題が得意だったので、本当に何となく文系に進みました。確かに勉強科目から数学的なものが割引になり少し楽になったという感覚自体はありました。単に勉強をするということで言えば短期的な効率を上げることにはなったのでしょう。

今やIT系、もっと日本語で言えば情報処理という文系だか理系だかよくわからない分野にどっぷりと浸かっているわけですが、本当に今実感して思うことがあります。

あのとき、数学にお別れしたと思っていたそれは、本当にもったいなかったし意味がないことだった、ということです。

だいたい、小中学校のころを思い出しても、算数や数学は苦手ではありませんでした。

だから、性格や人格が理系や文系で違うというのは、明らかに明らかに世間の仕組みが押し付けた偏見だったということについてはかなりの自信があります。「理系」だの「文系」だのというのは何らかの仮想のパーソナリティーを人に当てはめているだけにすぎないのです。

しかしそのパーソナリティーを演じているとだんだん自己と同一視してしまい、最終的にはその通り振る舞うことにアイデンティティーを感じるようになってしまうという風に分析しています。

文系だから数学は苦手、とか、理系だから文章が苦手・・とか、本当にもうあり得ないったらありゃしない、です。もしそういう思いが自分自身にあったり、あの人は理系人間だとか文系人間だという考え方をしているとしたら、それはもう有害レベルで意味がないことです。

社会に出てみると、仕事に文系も理系もないのです。国語は必要だし英語も必要だし、業務によって社会も理科も必要だし、そして何となく遠ざけていた数学だって今や機械学習で微分やら積分やら統計やら行列やら出てきました。ああ!なぜあのとき、数学を手放してしまったのだろう!という思いであの高校一年生の春休みから二十年後の今に立っている私です。

 

今の教育における文系/理系

最近の教育ってどうなんだろう・・未だに文系/理系思想なのか?と思い調べてみました。

 

dime.jp

受験を控えた子供はもちろん、親にとっても重要な選択「文系or理系?」。どちらを選ぶかによって、その後の人生が大きく左右するといっても過言ではない。

アイデムが小学校1年生から中学3年生の子供を持つ男女3,600名に実施した『親の子供に対する就職期待とキャリア教育に関する調査』では、70.0%の親が「理系に進んでほしい」と回答している。

 

こちら今年の記事であり、結局は今も変わってないのか・・残念。

ちなみに理系がいいというのは、今のIT系全盛なのが影響しているんでしょうね。

いやむしろ、文系だ理系だ関係なく均一にいろんな学問を身に着けた方が良かったし、大学に行ってからもその延長で勉強できていれば良かったなという感想です。

なぜ高校まであんなに基礎教育に力を入れているのに、大学に行ったら急に特定の学問だけに集中してしまい、いつのまにかいろんな基礎を失ってしまうんでしょうね・・。

特定の科目に異常に能力がある人のことはわかりますが、だからといってそれ以外の科目の勉強をしなくていいというわけではないと思うんですよ。苦手だからといってやらなくていいことはないんじゃないか、という。基礎編だけでもやるべきなのではという思いにかられてしまいます。

後ろを振り返ってみるとそれが一番効率がいいんじゃないか・・と。

 

toyokeizai.net

就職を考えながら大学・学部を選ぶのは当たり前になってきている。

中でも難易度の高い難関大学を目指す受験生やその保護者は、就職率より就職先を気にする傾向が強い。就職先として公務員の人気が高いが、安定した有名大企業への就職実績にも注目している。

 

こんな記事を見ても未だに文系/理系だし・・。

人間性まで文系/理系で分けてしまう思想があっても、不思議ではないのかなと思います。きっと高校生なんて強くその影響を受けてしまうのだろうな。

仕事をする私の観点からすれば、理系だの文系だの関係なく、幅広く勉強し、必要に応じてその学問を自習できる基礎を身に着けることが若いうちは本当に大事だと思います。文系/理系なんていう刷り込みはどこかの偉い大人が考えた色分けにしか過ぎません。刷り込みに負けず、自分自身の興味を伸ばしていけるようにしましょう。学問は均一であり自由です。