orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

リクナビ問題 個人情報保護委員会の是正勧告とは何か?

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初の是正勧告

リクナビ問題について、個人情報保護委員会が初めての是正勧告を出すと日経新聞が報道しました。

 

www.nikkei.com

就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリア(東京・千代田)が就活生の同意を得ずに「内定辞退率」の予測を企業に販売していた問題を巡り、政府の個人情報保護委員会が同社に是正を求める勧告を出す方針を固めたことが26日、わかった。同委が勧告を出すのは初めて。約8千人の利用者の情報の取り扱いがずさんで、問題は大きいと判断した。

 

「是正勧告」と言うと、勧める/告げるという語感であまり強制力がないようにも思えるのですがどのような処置なのかを調べました。

 

是正勧告の具体例

下記サイトにとてもわかりやすく是正勧告の例がありました。

 

www.freee.co.jp

是正勧告とは何か、よくある違反例とその後の対応について説明します。また是正勧告の際に交付される是正勧告書と指導票、施設設備の使用停止命令の違いについてもあわせて解説します。

 

個人情報の問題では初めてとなる是正勧告ですが、過重労働についてはこれまでもたびたび是正勧告が労働基準監督署より企業へ送付されてきました。

具体的に、企業には「是正勧告書」が届くことになります。

 

是正勧告書とは是正勧告内容を記載した書面です。各労働基準監督官から事業主宛てに出されます。記載内容には、違反している法条項等、違反事項の詳細、是正期日が含まれます。また、実際、誰が受け取ったのか確認するために、受領期日と受領者職氏名の記載欄があります。

 

この是正勧告書に、是正期日までに企業が従わなかった場合どうなるのでしょうか。法令違反であることが明らかであるため、司法処分がされることとなるそうです。

 

是正勧告は行政指導となります。つまり是正勧告を無視又は放置してもそれだけでは刑罰に問うことはできません。

ただし、是正勧告の内容は罰則のある法令違反についてですので、何も対応しなければ本来の違反行為を元に司法処分(強制捜査や逮捕、検挙、送検等)をされることがあります。

 

具体的に言い換えますと、リクルートキャリアは、個人情報保護法違反にて、強制捜査/逮捕/検挙/送検の一歩手前ということになります。したがってこの是正勧告には命がけで対応しなければいけないということになります。

 

是正勧告を受けたときは、時間との戦いです。速やかに法違反を是正し、是正報告しなければ、法違反の状態が長く続くこととなります。

 

・・ということです。

なお、是正報告は是正報告書の提出によって完結するようです。

 

是正報告書とは、是正勧告を受けたことに対して、是正をしたことを所轄労働基準監督署長に書面にて報告する文書のことです。

是正報告書の書式は、特に法令で決まったものはありませんが、是正勧告を受けた際に書式のひな型を交付されたり、労働基準監督署のホームページよりダウンロードできたりします。

 

今回は個人情報保護委員会が提出先となります。

 

データ主義ビジネスへの警告

AI関連について理解を深めるにつれ、今後のビジネスにおいてデータが果たす役割が非常に重くなっていることが明らかになってきました。昨今のAIビジネスは全てがデータ主導です。データが不正確であったりサンプルが少なかったりすると、AIが出す結果も不正確になってしまいます。逆に十分な量を確保していると、そのアウトプットは高い価値を示しビジネスを有利に進めることができます。

ゆえに、利益優先が共通目的である私企業は、データを最大限ビジネスに生かすように動いてしまいがちです。一方で個人情報をコントロールする権利は個人自身にあるというコンセプトと、データの利活用は衝突しがちです。

企業内で働くITエンジニアは、そのデータは企業が保有する権利を持つと誤解しがちですが、個人情報である場合は個人に属するという考え方を持たないと、今回のように痛い目にあるんだということを強く認識する必要があります。

今回のリクナビ問題を他人事に思わず、自分の身の回りでも発生するかもと考え、行動することが大切です。リクルートだけではなく購入した企業にも大きな反省が求められると思います。