AIはもう実用段階
もうAIはPoCの状況ではなく、各社の事業に取り込まれ始めています。例えば・・。
佐川急便は8月2日、AI(人工知能)を活用し、配送伝票の手書き文字を読み取ってシステムに自動入力するシステムを7月から本格稼働させたと発表した。人間が読み取りづらい崩れた手書きの数字を高い精度で読み取れるという。
Googleの兄弟企業であるDeepMindは、「AlphaGo」「AlphaStar」「DQN」など、人間を超えるレベルで囲碁やPCゲームをプレイできる人工知能(AI)を開発していることで知られています。そんなDeepMindが、急性腎障害を発症する最大48時間前にその兆候を発見するシステムを開発したと発表しました。
人間の仕事の多くをAIが行うようになる未来が予測されるなか、現実にマーケティングが機械学習で自動化されるということが起こっています。そして新たに、JPモルガン・チェースがディスプレイ広告やメールでのキャッチコピーにAIを取り入れることを発表。AIが作ったキャッチコピーは人間製のものよりもクリック率が2倍になることすらあるそうです。
AXIVEは2019年7月17日、転倒などの姿勢・動作を認識する、介護領域向けのトラッキング型AI(人工知能)技術を開発したと発表した。同技術は、東京都中小企業振興公社が運営する「次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業」に選定され、現在、商品化を進めている。
もっとありますが割愛します。なにしろ、もう実証実験うんぬんではなく商品化されるのです。今のところまだデータが少ないので画像認識や自然言語認識が中心ですが、もっとデータが増えてくるともっと複雑な実装も当たり前になってくるでしょう。
今回の論点はそんなAIに人間が勝てるか・・ではありません。AIの基本である機械学習には電力がガッツリ必要で、このまま自由に人間がAIを使い続けるとどこかで電力が足りなくなるのではないか‥と言う論点です。
AIで電力が足りなくなるという論点
こんなニュースが出ています。
2018年から2023年にかけて、人が使用するデータ量は毎年5%の上昇が見込まれるが、マシンが要するデータ使用量は毎年70%の増加率になると考えられている。
単純に1つのデバイスが5-8Wの電力を使用したとして、それが5億ユニットになると年間では12TWh(テラワットアワー)という計算になる。米国の平均的な原子力発電所の年間発電量が10TWhであることを考えると、その消費電力は相当なものだとわかる。
これはとてもよくわかる話です。機械学習でトレーニングをするとわかるのですがGPUやCPUのリソースをガツガツ消費します。これを数時間廻してモデルを作成するのですがこれが電力食いです。AIを活用しようとするなら必ず電力が必要になり、データが増えるとそれに比例して電力を食うということになります。
今後、機械学習が数学やPythonをマスターした一部の人の技術である現状から、もっとわかりやすいUIが登場しあまり知識がなくとも使えるようになるとするとどんどん利用しようと言う人は増えるでしょう。それに伴って電力がどんどん消費されるとすると、これはどこかで限界が来るのは当然かと思います。
単純に言って、現在の機械の性能でAI開発の場面が増えていくのなら、電力不足の事態が来てしまうのは間違いないと言えます。
ハードウェア・ソフトウェアの進化が鍵
私が期待しているのは、ハードウェア・ソフトウェアの進化です。
メモリスタを処理装置に採用する利点とは、メモリスタがメモリと演算装置の2つの役割を兼ねられることで、ニューラルネットワークに適した計算ができることです。Lu氏は「GPUは電力消費とスループットの点でCPUよりも約10倍から約100倍優れているが、メモリスタチップはGPUのさらに約10倍から約100倍優れている可能性がある」は主張しています。
現在のCPUやGPUは、機械学習のために開発された処理装置ではありません。今の機械学習ブームに合わせて処理装置をゼロベースで開発する方が効率的なのは間違いありません。この動きが未来の電力不足を救ってくれるのではと期待しています。
以下の記事も同様の話です。
半導体のデバイス技術と回路技術の研究成果が披露される国際学会「VLSIシンポジウム」で、人工知能(AI : Arificial Interigence)のハードウェアに関する研究が一気に台頭してきた。筆者が2010年~2019年までに開催された過去10回のVLSIシンポジウムにおける講演論文(招待論文を除く)を調査したところ、AIハードウェア関連の論文数が2016年以降に急激に増加していることが、明らかになった。
社会のAIへのニーズの高まりに対し、半導体側で対応せねばならないということです。
自動車も昔はもっとガソリン食いでした。自動車が世界中で普及するに伴って企業のエコに対する危機感が、その後のハイブリッドやEVなどのエコカーを生み出しました。
次は、機械学習の性能を抜本的に上げるハードウェアやソフトウェアが必要になるということで、たくさんの関係者が既に取り組んでいるということです。
AIは環境問題だ、これは新しい着眼点であり今後重要な話になってきそうですので共有させていただきました。