orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ウィンウィン(Win-Win)をあなたは本当に理解できているか

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ウィンウィンを本当に理解するということ

ウィンウィン(Win-Win)、というのは7つの習慣の中でも4つ目に出てくる言葉です。バズワードのように使われるこの言葉ですが、実はほとんどの人が正しく理解できてないのでは。できていないことを前提とした行動が多すぎる、ということで改めて言葉にしてみたいと思います。

7つの習慣そのものについては、下記の記事をご覧ください。

 

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いくつかの典型的な関係

まず、ウィンウィンを理解する前に、そうではない関係を整理します。

もし、他人との関係がそうなっているかもしれない、と思ったら要注意です。

 

Win-Loseの関係

自分がWin(勝つ)、相手がLose(負ける)という状態です。

自分が上司であるときに、必ず部下は服従しなければいけない、という感覚があればこちらの関係です。

昔ながらの部活の先輩と後輩がこんな関係であったことが多いですが、今は少しずつ変わってきているのかもしれません。

明らかに対等の立場ではなくしかも自分が優位で相手が劣位であることが前提である関係です。

最近のネット用語では「マウント」という言葉があります。正にこの概念を示しています。あの上司はかならず部下にマウントしてくる。マウントしないと関係が築けないし、恐ろしいぐらいの拒否感を示してくる。

親子の間でもこんな関係になっている場合も多いです。

7つの習慣においてはこの関係を戒めています。相手は自分におびえ壁を作り、生産的なことを自発的に行わなくなり受動的になります。

仕事ができた人がマネージャーになるとこのタイプになる可能性があります。周りが全部自分より下に見えます。その結果うまくいったとしても部下はマネージャーの指示がないと動けなくなりマネージャー自身も負荷が減りません。

 

Lose-Winの関係

自分がLose(負ける)、相手がWin(勝つ)という状態です。

あまり馴染みのない言葉ですが、日本人は意外とこのパターンの関係性を受け入れる人が多いと感じています。

相手の権限が強いとき、例えば自分が従業員で相手が経営者の場合、もう何も自分から発さず、相手に服従することによって安定を得るというパターンです。

この関係性の場合、ゆがみがどこかで出てきます。

SNSで悪口を連発したり、同僚と陰口を言ったり。

自分自体は負けていますのでストレスを抱えます。自分の望み通りにできないのですから。

わざと自分が負けることによって安定を得る。そんな関係に気が付いたら要注意。改善が必要です。

 

Lose-Loseの関係

自分がLose(負ける)、相手がLose(負ける)という状態です。

こんなことありえるでしょうか。実はありえます。

最近、不満があって退職するときに会社の不正を暴露するというケースをたまに見ます。これはLose-Loseです。自分が負けるくらいなら相手も負けさせてやろうということです。

自分が負けることは確定しているが、相手が勝ち逃げることになり許せない。この感情は最近の日本の社会問題でもあると思います。世の中がLose-Winを強要してくることに耐えていたけれどもそれが余りにも救いがない。こんな世の中をLoseにしてやらないと気が済まない。いろいろな事件はこのようにして起こることが多いと思います。

私が世の中に、Win-Winを広めたいということの理由の一つです。Loseを無くしていかないと世の中が暗いままなのです。

もしこの関係に取りつかれようとされている方は、スパッとやめましょう。相手がLoseに追い込まれ一時的な快感があったとしても、自分もLoseであるのですから絶対に幸せにはなれないのです。不毛な時間を費やして得られるものは少ないです。

 

Win-Win or No Dealの関係

自分がWin(勝つ)、自分がWin(勝つ)という状態です。

いや、待ってください。or No Dealという変な言葉が付いています。

これが思い切り大事なのに世の中にあまり浸透していないのが気になっています。

Deal(ディール)とは取引をするということ。

Win-Win or No Dealとは、(ウィンウィンになるか、ノーディール(取引をしない))と言うことです。

アメリカ、トランプ大統領はまさにこのタイプです。Win-Loseの関係と思いきや、違います。お互いに利がないのなら取引をやめる。そういうことです。取引をやめることに焦点が置かれ、Win-Loseを強要しているように思われることが多いかもしれませんが、やっていることはNo Dealの徹底です。

敵対関係の国へもWin-Winが築けると思えば出かけて行って握手をする。友好関係の国とも不利益があると思えば取引をしない。

Win-Winとは、お互い勝つことなので柔らかい話かと思われがちですが決して違います。自分がWinになれないのならあなたを拒否します。この厳しい態度こそがWin-Winの基礎です。

あなたに対して、問答無用でWin-Loseの関係、つまりマウントしてくる人がいた場合に、誠実かつ率直にそれでは取引しないということを貫くということです。Win-Winは本当に理解しないと行動できません。安易にLose-Winに追い込まれる人は多いです。

逆に相手にWin-Loseを簡単に求めることもいけません。できるとしてもやってはいけません。最終的にその関係によって自分が苦しむことになります。最低賃金で昇給もない従業員を前提に、生産性の低い事業を延々とやっている経営者は、今後どうしていけばいいか途方に暮れているはずです。希望退職で人員整理し生産性向上、でしょうか。それはWin-Loseのツケとも言えます。経営者も従業員も、そして取引先も顧客もWin-Winであることを貫いている会社が強いです。

 

正しい関係性が、あなたを成長させる

Win-Winだからと言って、全ての人に優しく、ではないということをご理解いただけましたでしょうか。時には厳しい交渉を伴うのです。物別れになることを怖がってはいけません。少しでもWin-Win以外の関係を結ぶと、その解消に対して大変なコストを払う必要があります。

Win-Winの関係だけを積み上げていけば、いろんな人が協力してくれます。前向きの雰囲気は自分自身を成長させてくれます。プラスの関係が広がれば、自分の価値も上がり待遇も上がります。

ぜひ、多くの人にWin-Winがすばらしいこと、それ以外の関係性がいびつであること、そして時にはNo Dealによって厳しい対応も必要なこと、つきあわないという選択もあること。このようなことを理解し行動に結び付けていってほしいと思います。

もし、Win-Win以外の関係にあなたが悩んでいるとしたら、Win-Win or No Dealの原則にて一つ一つほどいて行き新しい関係を再構築していきましょう。また、下記、7つの習慣をぜひ読んでみてください。いろんな発見があると思います。

 

完訳 7つの習慣 人格主義の回復