好きなことをする
「好きなことをする」ということに今回は向き合ってみたいと思います。
高度に専門化された社会では、好きなことをして、特定の分野を極めないと、豊かになれないのである。
考察
上記の記事を読んで大いになるほどと思った後に心の中に違和感が残りました。好きなことをするというのはいったいどういうことなのだろうと言うことです。また好きなことをしているのに豊かになれない人も大勢いるでしょう。この好きなこと論はよくメディアに登場するのですが、じゃあ日本中の人々が好きなことをすればいいかというとおそらくそうではないでしょう。私すら、私は好きなことをしているかと言われれば、好きとか嫌いとかは興味がないです。しているかもしれませんが、好きなことだからということで選んだわけではありません。強いて言えば、なんとなく選んでみたら向いていたということしか言えません。このなんとなく、に「好きだ」という感情が入っていたのかもしれませんがそこまで確信があったわけではないような。好奇心という言葉に好きと言う言葉が入っているので、もしかすると好きと言う言葉はとても広い意味を持っているのかもしれません。
そう、成功者の言う好きは、Likeの好きじゃおそらくないのです。好奇心と言う言葉を英語に訳すと、curiousityといいます。好奇心の強いはcurious。キュリオスと読みますがこれって日本人にはあまり耳慣れない言葉ではありませんか?。おそらく成功者は、好きなことをするというのは、好奇心がくすぐられることをやろうということを示唆しているのではないかと思うのです。
好きなことをLikeと解釈するので怖いのは、好きなことを商売にできるよ!ということを喧伝する情報商材屋が暗躍することです。そりゃあ好きなことを商売にできたらいいなあ、でもやり方がわからない。それを教えますよ、ということで実現するかどうかわからない教材を作成し、もちろん無料とは言えないのでお金を頂きます。株や仮想通貨、FXなどでも同じような手口は散見しますけれども、そりゃあお金はみんな大好きなので、「好きなことをやれ」という人は疑ってかかった方が私はいいと思います。
そもそも、好きだ、という概念というのは永年に渡って固定化しません。例えばゲームが大好きだとします。その中でも好きなタイトルがあるとします。永久にできますか。飽きますよね。この永続的ではない一時の感情に対して、仕事と結びつけるのは相当に無理があります。仕事ってもっと継続性があるものです。好きとか嫌いとかの感情を変数にして仕事を選ぶのは非合理的で、私のもつ違和感の正体はこれです。実際にやることが「好き」という感情を伴えば生産性は上がるでしょうが、その感情が減衰したときに生産性が下がるようでは仕事としてはふさわしくありません。
話を戻して、それでは「好奇心のある方へ」とします。こうなると話が異なります。本当にうまくいくかどうかわからないけど、少しだけやってみたい。この心に従いいろいろやった結果うまく行くものに出会えたとします。そうするともっと、こうしてみたい、ああしてみたいってさらなる好奇心が沸いてくるはずです。成功体験を伴っていますので、さらに好奇心が生まれてくるはず。もし好奇心が沸かないような単純作業や広がりの無い分野であれば、だんだんとルーティンワークとなっていき自らの成長機会も失われます。好奇心は満足すると消失しますが、そうするとまた別の対象に好奇心が移っていきます。
このように、好きなことをするということは文字通り解釈してはいけない。Likeで捉えると、それを利用されてかえってお金を失うことになりかねない、と思いましたので言葉にしておきました。
マーケティングの知識は必要
好奇心があれば何でもうまく行くというのもまた語弊があります。自分自身にいろんなインプットをして、どんなことに好奇心を示すか試す必要があります。その中には法的によろしくないものや、絶対にニーズの無いものも含まれるでしょう。そういうものを排除する自制心は必要です。
いろいろな好奇心を見つけたうえで、その対象が誰かの役に立つものかを考えながら進めていき、もしバズる、つまりいろんな人からお声がかかるようなものであれば続けていき、その方向に好奇心があれば継続し大きくなれる、と思います。このあたりはマーケティングに通ずると思います。
今回の記事に関連した、過去記事を紹介しておきます。
インプットをすることで好奇心を刺激し、アウトプットにつなげていこうという記事です。その後、私はツイッターを本格運用し始めたり、日経電子版+日経xTECHを契約したりしています。
これは私の中でも大事な記事。得意分野だと思っていることからすこしずれたところにあえて飛び込んでいけ、という話です。大事にしていることです。
「好きなことをする」に対する私の違和感の紹介を言葉にしてみました。ご参考になれば幸いです。