orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



おそらく今からSAPを勉強すれば10年は食える

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SAPの2025年保守切れ問題

SAPというERPソフトウェアは業界にいれば超有名なのですが、私はなんとなく触れる機会もなく20年が経過してきました。

一方で、SAPを使っている企業はたくさんあるのですが、良く使われているバージョン(SAP R/3)が2025年でサポート切れとなってしまいます。よく言われるようになった2025年の崖とはこの件が非常に深く関係しています。

この問題については、下記の記事をご一読ください。

 

www.sbbit.jp

 国内大手企業を中心に4,000社以上の導入実績がある老舗のERPベンダー、SAP。最近はERPビジネスよりも、クラウドサービスやプラットフォームビジネスのほうが伸びていますが、「ERPベンダーのトップ」として今なお君臨しています。

 そのSAPを使うユーザー企業(およそ2000社)を悩ませているのが、「2025年問題」です。これはSAP ERPや同製品を同梱したSAP Business Suiteなどの保守サポートが2025年で終了することを指します。

 

2025年になるまでには、最新バージョンS/4HANAに移行すれば問題がないのですがこの仕事ができる人が市場に限られている、というのが問題となっているのです。

 

SAPは人材を集めた

SAPとしても、2025年までに移行をスムーズに終わらせたい。しかし日本国内に人材が不足している状況で、下手すれば他のベンダーに移るきっかけとなってしまう。

SAP委託案件でまるっと受託できる企業が存在すればいいのですが、これも数が限られていて探し当てるのが難しいようです。

また、フリーランスを探すにしても、登録が複数の人材紹介会社に分散していて、必要な人数がそろわない。

このように、2025年に迫っているのになかなか移行が具体化できない。SIerから提案ももらえないので予算化できない。そんな状況が透けて見えます。

 

ここで、SAPは以下の行動を起こしました。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 フリーランスのエンジニアを探すサービスは、SAPの人材検索のクラウドサービス「SAP Fieldglass」を利用してSAPジャパンが構築した。フリーランスのITエンジニアを束ねる人材派遣サービスが持つ人材データベース(DB)とSAP Fieldglassを接続し、複数の人材会社の人材DBからSAPエンジニアを探せる機能を提供する。SAPエンジニアが不足するITベンダーは、このサービスを利用して自社に必要なフリーランスのSAPエンジニアを探せるようになる。

 

まずは人材会社のデータベースを統合し、横ぐしで人材を探すことができるサービスの提供です。人材が欲しいSIerが複数の人材会社の情報を俯瞰することができるようになります。

SAPジャパンも公式のレターを出しています。

 

news.sap.com

国内サプライヤーの初期パートナーとしては、イントループ株式会社、K2パートナーリングソリューションズ株式会社、株式会社クラウドワークス、株式会社パソナJOB HUB、ヒューマンホールディングス株式会社、マンパワーグループ株式会社、株式会社みらいワークス、ランサーズ株式会社が参画しています。(五十音順)

 

まずは、システムエンジニアがSAPスキルを保持していれば、実案件の獲得が簡単になる環境づくりが進められた、ということです。

 

SAPコンサルへの転進も促進

単に、人材を見つけやすくしただけでは、全体の人数は増えません。

全国のSAPコンサルの人数を増やし需要に答えられなければ、人材がいないことを可視化するだけで終わりになってしまいます。

SAPは、SAPコンサルを増やす取り組みも始めています。

 

tech.nikkeibp.co.jp

 SAPジャパンは新たなパートナー支援策である「パートナーサクセスプログラム」を発表した。実践型でプロジェクトの進め方を学ぶ講座を提供したり、SAPジャパンのコンサルタントがパートナーのプロジェクトを支援したりする。一連の取り組みを通じて、「今後5年で数千人規模のSAPコンサルタントを育成する」とSAPジャパンの大我猛デジタルエコシステム統括本部長は強調する。

 

企業戦略としてSAPのSIに取り組む場合は、この流れに乗るのが良さそうです。IT人材を抱えるのであれば、SAPジャパンのこのパートナーサクセスプログラムと提携し、人員教育を始めるべきでしょう。

 

SAPを独学するためには

今までSAPをやったことがなくて、フリーランスとしてSAPコンサルに転身したいというITエンジニアは少なくないと思います。そもそもSAPコンサルの相場を見ると月給100万クラス以上ばかりで、単なるSE/PGと比べるとかなり相場が高いです。人材が少ないからこそのブルーオーシャンですが、フリーランスや副業を考えられている方なら興味を持っても良いのではないでしょうか。

 

私がもし取り組むなら、下記の本をまず読んでみます。

図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用 (How-nual図解入門Visual Guide Book) 単行本 – 2018/12/14

 

全体像をまず知ってから次に動くことが重要です。

2018年末に出たばかりの本ですので、昔SAPをやっていた方にもおすすめします。

今年夏から、SAPジャパンがSAPコンサルになるための育成塾を開始すると記事中にはありますから、こちらが正式案内された後に流れに乗るのが今のところ王道のように見えます。

 

私の感覚だと、今からSAPを勉強すれば間違いなく10年(もしくはそれ以上)は食えると考えます。狙い目です。

 

SAPのフリーランス月額単価相場

すごいね・・。

 

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転載元: https://freelance-start.com/jobs/skill-34

 

追記

SAPのERPユーザー会であるJSUGが本件絡みの文書を出してくれています(無償)。

 

www.jsug.org

ジャパンSAPユーザーグループ(事務局:東京都新宿区、会長:数見 篤、以下 JSUG)とSAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:福田 譲、以下 SAPジャパン)は、2018年7月から2019年3月にわたって、有識者による「ニッポンのERP再定義委員会」を組織し、このたび、日本企業のERP導入に向けた提言『日本企業のためのERP導入の羅針盤~ニッポンのERPを再定義する~』を取りまとめ、公開を開始しました。

 

日本における現状のSAP利用状況がまとめられています。かなり充実した内容にもかかわらず無料。こちらも紹介しておきます。