orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

NEC、3000人リストラのあとに「IT人材確保に危機感」、のナゾ

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同じ会社の2つのニュース

2つのニュースを並べます。

どちらとも同じ会社のことです。

ここ1年以内に起こったことです。

 

2018/11/29 日経新聞

www.nikkei.com

NECは29日、45歳以上で勤続5年以上の従業員を対象に実施した希望退職に2170人が応募したと発表した。照明事業からも撤退する。取引先への転籍や事業売却を含めると、来年春までに合計約3千人がグループを去る。一連の人員削減による収益の改善効果は年度換算で約240億円を見込む。

 

2019/7/9 日経新聞

www.nikkei.com

日本のIT(情報技術)大手が若手の研究者や技術者の報酬を増やす。NECは優秀な研究者には新入社員でも年収1000万円以上を支払う制度を導入する。富士通はカナダの人工知能(AI)子会社で役員待遇の報酬を検討する。IT業界ではGAFAなどの米国企業などが厚遇で世界の人材を集めている。危機感を強めた日本企業は若手を照準に市場価値に見合った評価を導入し、硬直的な賃金制度を見直す。

 

3000人を削減しておいて、人材確保に危機感。

こんなことってありえるでしょうか。

人材確保したいなら、3000人の中から優秀な人を再教育できなかったのでしょうか。

そんなに、今の新入社員は特別なんでしょうか。

 

考察

一連の好待遇報道の話って、私はうさんくさいと思っているんですよね。

1000万とか3000万(※こちらはNTTデータ)とか景気のいい数字がならんでいますが、良くて通年で数人じゃないでしょうか。リリースだけ出しておいて、他社に高学歴の新卒社員を取られないようにアドバルーンを打ち上げているだけではないかと勘繰っています。

ユニクロのように、一律月4万5000円上げる、くらいなら現実的だと思うのです。その分成果主義を推し進めて、年功序列的な機能を削減するというのはこれからの時代に沿っているとは思います。

ただ、1000万・3000万というのは、社内の評価制度を逸脱しているでしょう。

まだ富士通のように別会社だし、カナダの話だし、労働法も違うし・・だったらわかるのですが、同じ会社内では相容れないと思います。

IT人材確保という動機も非常に不思議な話で、NECの給与水準でIT業界経験者に中途採用をかけようものなら殺到しそうなものです。

ニュースを読む時に気を付けていただきたいのは、「IT人材確保」というときのその人材は、一般的なIT業界の人材じゃ「ない」。ということです。

非常に不思議ではありませんか?。そもそも3000人を半年ほど前に希望退職等で去らせているのに、人材確保に危機感。これは矛盾している。

 

これはポイントなんですが、

今のIT業界にいる人を再教育して、AIやデータサイエンスに強い、GAFAっぽい優秀な人材を育てられると、日本の経営者は全く考えていない、

ということです。

 

この辺りが、今の1000万、3000万の話について、うさんくさいと思っているところです。再教育したほうが安いに決まっています。それとも今の大学は特別で特別な教育ができているとでも言いたいのでしょうか。

この話は、新卒採用とは切り離した方がいいと思っています。相当厳しい条件のはずです。

 

結論(のようなもの)

私の推測ですが、複数の話が混在していると思っています。

・年功序列制度で時代に合わない給与テーブルや、間接部門、コア事業から離れた人材を退職させたい。
・リストラで浮いた人件費で優秀な新卒を集めたい。
・グローバルに戦える人材の給与テーブルは国内と合わないので、グローバルに合わせた特別制度を作る。

それぞれ、目的が違うのに、給与テーブルや希望退職や、グローバル人材の話を同時に進めたがために、わけのわからないことになっていると想像しています。

経済紙は、GAFA対抗・終身雇用崩壊・新卒好待遇・AI/データサイエンティスト人材、を1つの話のような文脈で語ろうとしますし、世の中の論調もそれに倣っているのですが、とてもとても納得できないのです。

おそらく、

・新卒の給与が上がると言っても社内とのバランスを取る。
・1000万、3000万というような待遇は、ほんの一握りであり、特別な制度であり、かつ登用された場合、結果がすぐ求められる。結果が出せない場合はその制度から外され普通の社員に戻される(もしくは退職する)。
・IT人材の不足などない。

と推測しています。

 

japan.zdnet.com

NECは3月8日、社会課題を解決するAI(人工知能)人材を輩出するためのプログラム「NEC アカデミー for AI」を4月に開講すると発表した。同プログラムは、AIの活用を考える社会人や大学生を対象としており、実践を通してAI人材としての独り立ちを目指す「入学コース」とAI人材に必要な知識を選んで習得できる「オープンコース」の2つを用意する。同社は3年間で入学コース100人、オープンコース1000人の受講を目指すとしている。

 

NECは外部の人を育てているぐらいですからね・・。

リストラするのに人材不足、なんてあり得ない。

新卒の話もちょっと大げさだと思います。