orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

転職したほうがいいですか? 人によって答えが違うその理由

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転職したほうがいいですか?

人事のプロみたいな方に、「転職したほうがいいですか?」と聞いたら、しない方がいいとおっしゃるに決まっているとは思います。

だって、人事っていかに必要な人を辞めさせないかという部分にも責任を持っていますからね。人事が「一般的には転職したほうがいいよ」なんて言う会社は未来がないと思います。

 

r25.jp

逆に、ほとんどの人は転職すべきではないでしょうね。

 

一方で、転職エージェントに同じ質問をしたら、違う答えが返ってきます。

 

toyokeizai.net

ポジショントーク(人材エージェントは転職者が増えたほうが、市場が潤うし、自分自身3年で会社を辞めている立場)だと思われるかもしれないが、私の現時点の結論としては「新卒入社は3年で辞めても別にいい」と思っている。

 

こんな状況で転職について、私の見解をまとめます。

 

考察

私は今四十代ですが、三十代のときに一度だけ転職をしました。結果として転職して良かったと思っています。したがって、転職をしないほうがいいということは間違いです。転職は絶対にダメ、という人がいたらその人の言葉には耳を貸す必要がないと思います。それは、転職によって幸せになる人がいるからです。

ただし、転職したら成功するかというとこれもまた言い切れません。転職して失敗した人もまたいらっしゃいます。したがって、両論あるのは当然で、両方正しいというのが客観的な話になると思います。

さて、では、結果が保証されない転職をどう捉えればいいか。

一般的には、自分の市場価値が高まっている場合は、高く売れるので転職したほうがいいと言います。しかし、自分の市場価値が高いならば今いる会社でも給与が高くなるのが自然です。自社での価値が低いのに他社で高いなんてことは基本的には起こりにくいと思っています。SIerの社員で多忙な日々を送っていた方が、ユーザー企業の情シスに転職し定時退社を手に入れる、しかし給与は同じか2割くらい下がるというパターンの方が多いのではないかな、と思います。昔より今の方がデジタル人材に対する需要が高まっているので今は、給与が上がることもあるかもしれませんね。どちらにしろ、高く売るという観点ではなく、ライフスタイルや立場などを求めて転職するという捉え方の方がふさわしいと思います。

第二に、自社内でのキャラクターが悪い意味で定着してしまった場合です。長い間会社員をやっているとわかるのですが、会社の中心的な人たちに「あいつはできる」と思われるか「ふつう」と思われるか、「できない」と思われるか。この固定観念はなかなか上下するものではありません。いくら途中でがんばっても、どこかの仕事で名前を憶えられてそれが悪い意味であれば、なかなか払拭するのは難しいです。そうすると社内での評価が固定化してしまい、いくら仕事を続けても昇給しないということになります。今の経験を活かして同業他社に移ることによって、再度イメージ戦略に挑戦することができます。この場合は、他社に移ってから活躍できることがポイントとなります。同じことをやっても同じ結果が待っているというのは間違いありません。

第三に、新しい分野に挑戦してみたい、というときです。部署異動を希望するにもポジションがない。このまま今の仕事を続けてもキャリアにならない。そんなときは、もちろん転職は良い手段なのですが、絶対に給与が下がります。当たり前です。やったことがないことをやりたいのですから、今の給与水準が保てるわけがない。これはもう一つ戦略があって、転職しないで自社で偉くなり発言権を得たところで新事業として取り組んでみることです。二十代の人にはなかなか思いつかない内容ですが、経営者はものすごく新事業を求めています。自分のやりたいことを新事業と結び付けて実行することで、転職せずとも実行できる場合があります。もし、会社のなかで評価を受けているのでしたら、そんな選択肢も今後出てくることを覚えておいたほうが良いでしょう。

第四に、自分の会社がもうどうしようもない場合です。これはあります。経営が迷走したり、上司がとんでもないヤツだったり、部下がたくさん問題を抱えていたり。会社員は環境を自由に選べませんから、たまたま悪い状況になった場合で、時間の変化による改善が期待できない場合は転職という武器を隠し持つべきです。こういう悪い状況のときはすぐにでも退職したいと思うかもしれませんが、一度思いとどまって転職活動を並行して行うべきだと思います。そこで転職活動がうまくいきそうだと判断した段階で、会社に環境が悪すぎるので退職したいと言ってみることです。会社がスンナリ退職を認めれば転職活動を完結させればよいのですが、意外とここで引き留めがある場合があります。そうすると部署転換が認められたり待遇の改善が降ってくることがあります。経営者があなたが必要だと思うのであればそんなことだって起こりえます。ですから、会社や環境がダメだからと言って、転職しましょうとは言いません。ぎりぎり転職しないで改善できる手段もあることを念頭に動くべきだと思います。それで改善するのであれば、転職しない方がいいことがあります。

このように、転職活動というのは気軽に行うべきものではないと思います。非常に戦略的なものです。市場全体を見る目が必要となりますし、慎重を期す必要があります。

私は、転職エージェントは必要だと思っています。転職市場をシビアに知っていて、転職者にできるだけ成功してほしいというモチベーションを持っている彼らを利用するべきだと思います。中にはお金目的で、とにかく転職させようという人もいるかもしれませんが、転職エージェントは複数お付き合いできます。信用できる人を選べばよいと思います。過去、ある転職エージェントの方に、転職しそうでしなかったときに、「良かったですね、しないならしないで活躍できた方が良いです」と言ってもらったことがあります。そんなエージェントと巡り合えないならば転職を考える時期ではないのかもしれませんね。

 

まとめ

今は会社員だけではなく、フリーランス、起業などいろいろな働き方があります。

本当に転職する必要はありませんが、一旦は情報だけでも集めておき、どんな変化が起こっても対応できる柔軟さは必要だと思います。

自分は転職することはない、と決めて何もしないことはリスクだと思います。環境は刻一刻変わります。市場も、会社も、もちろん国の方針すら変わっていきます。

転職しない方がいい、と言う意見も、転職したほうがいい、という意見も両方頭に入れておいた方がいいと思います。

今はツイッターなど、いろんな意見を吸収できる場もあるので、会社の外も見ながら、自分の立ち位置を冷静に分析し行動していきましょう。