orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

余った従業員、というパワーワードに身が震える

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4000人削減、配置転換

ニュース記事でこんな表現を見たのは初めてです。

余った従業員・・・。

 

www.jiji.com

損害保険ジャパン日本興亜が2020年度末までに、従業員数を17年度比で4000人程度減らす方針であることが24日、分かった。全体の約15%に相当する。ITを活用し、業務の効率化を進める。余った従業員は介護などを手掛けるグループ企業に配置転換し、新卒採用も抑える。希望退職者の募集は予定していない。

 

損保ジャパンとRPA

損保ジャパンがRPAで結果を出しているのは周知の事実です。

 

www.itmedia.co.jp

 ソフトウェアロボットによる業務自動化「RPA」。昨今はさまざまな業界で導入が進んでおり、特に契約書など書類絡みの業務が多い金融・保険業界では、大規模なプロジェクトを進めて成果を挙げている企業も少なくない。
 約2万6000人の従業員を抱える「損保ジャパン日本興亜(以下、損保ジャパン)」もそんな企業の一つだ。2018年2月にUiPathの導入を発表し、年間40万時間以上の時間創出を目指すと宣言した。導入から約1年でどれだけの成果が挙がったのか。同社はUiPathのイベント「UiPathForward Japan 2019」でその進捗を発表した。

 

当初はユーザー部門もRPAを導入すると人減らしされてしまうのでは・・と難色を示したとあります。しかしコミュニケーションを図り理解してもらい、そして「ロボゾー」というマスコットキャラクターも作り親しみやすくした、とあります。RPAを使うユーザーのほとんどは女性だったから・・だとか。

 

まさに「トロイの木馬」ですね。

 

dic.pixiv.net

トロイの木馬(トロイアの木馬)は、ギリシア神話に登場する罠装置である。 トロイア(トロイ)との戦争において、ギリシア勢が兵を中に忍ばせた大きな木馬を作り、トロイアの人々がその木馬をトロイア市内に運び込むように仕向けた。 結果、ギリシアの兵はトロイアへの潜入に成功し、トロイアは滅ぼされた。

転じて、相手に招き入れさせる罠のことを「トロイの木馬」と呼ぶようになった。

 

ロボゾーは、現代社会に登場する罠装置である。業務改革推進部がRPAを中に忍ばせたマスコットキャラクターを作り、ユーザー部門の人々がRPAを現場に持ち込むように仕向けた。結果、RPAはユーザー部門への潜入に成功し、従業員は滅ぼされた。

・・・なんてね。

 

考察

いろいろニュース記事をたどっても、「余った従業員」なんていう表現はどこにもないんです。検索してみても今回の件以外には出てこないと思います。

これまでの時代も技術革新の後には必ずあった概念だとは思います。でもおそらく、なんとなく対象の方を想像してこんな表現はしなかったんじゃないかと思います。

普段通勤しているとたくさんの人とすれ違うのですが、その中にもRPAが代替していく「余った従業員」予備軍の方がたくさんいらっしゃるのではないかと思うのです。

在庫が余るのではなく、原材料が余るのではなく、従業員が余る・・。

 

どこかで聞いたことがあったのですが、思い出しました。リーマンショックあたりのときのSES人材でした(このときは私もその業界にいました)。急に顧客の金回りが悪くなり、現場縮小が各地で相次ぎました。SESが主体の会社の特徴として、全社員が自社オフィスに入りきらないということがあります。基本的に顧客常駐ですからね。現場縮小が相次いだ際はとりあえず自社待機となり、自社オフィスに(悪い意味で)活気が戻った・・。あのときは「余った従業員」だったのかな。ただ、すぐに需要は戻ったし、今はむしろ不足と言う状態かと思いますので、SESもしぶといとは思います。単なる需要と供給の問題であれば一時的であり、元に戻るだけなので問題となりません。

今回の問題は、「恒久的に」余った従業員になってしまうというお話ですよね。

 

RPAは人減らしの道具ではない・・とは技術者は言いたくなるのですが、大企業のこのような状況を見ると否定はできないですね。むしろRPA=人減らし、という悪評が立つまでに瞬足で駆け抜けた損保ジャパンの行動力に恐れ入るところです。

このニュースを見た後に、静観していた大企業はRPAを導入しきれるのか。また、導入するとすればそれなりのビジョンを示さないとマズくなるでしょう。業務改革推進部が「RPAが入って人手が余ったら、介護に行ってもらいますから」って宣言していたらこんなにうまく行ってなかったでしょう・・?

経営者はその覚悟を持って今後はRPA導入を考えないといけません。それによって「余った従業員」を生み出した後どうするのか、考えてからやるべきだと。

基本的に、RPAを使える方に廻らないと、こりゃ大変だと率直に私は思っています。

 

そのうち学校で教えるんじゃなかろうか・・。

余った従業員、にならないようにならなきゃいけない。