管理職が停滞する部下にどう対応するか
「私を病人扱いすると問題になりますよ?」で思い出したのですが・・。
このお話、何らかのストレス反応により部下が停滞している場合に、管理職が部下と面談するなんていう景色はどこの会社でもあることかと思います。
人間なので、心も風邪を引く。管理職はそんな前提を持っておかないと、いつでも元気パフォーマンス100点を部下に要求してとんでもないモチベーション低下をもたらすことになります。それはブーメランになって自分にも跳ね返ってきて、自分の心の余裕まで失わせてしまいます。
余裕、大事。
さて、ではその相談のときに、「君、病気だね」なんて言ったらいけないようです。そういうふうにこの前、会社の研修で教えてもらいました。病気に関わる発言をしたらいけない!ですって。
なぜ管理職が部下の面談で病気のことを言ってはいけないのか
メンタルヘルスの知識と人生経験があると、何かわかったようなことを言いたくなるのは人の性ですが、病気の話は禁句。なぜなのか。
こちらに、端的に管理職のアクションがまとめられていますので抜粋します。
⑨話を聴いてメンタル不調が心配されるときは自発的なカウンセリングを促す
⑩メンタル不調で勤務が難しいと思ったら産業医につなぐ
⑪自傷・他傷の危険があるなど緊急性が認められる場合には、
・本人をひとりにせず、本人の了解を得て家族に連絡して迎えにきてもらう
・人事部や産業保健スタッフと連携して専門医に受診させる
・家族、人事部、産業保健スタッフ等の協力が受けられない場合は、地域の行政と連絡をとる
大事なことは、管理職が自ら診断をしたらいけないということですね。あくまでも勤務することに対してストレス反応が大きいことの事実を集めること。そして何か私生活を含めて気になることはないかヒアリングすること。
そのうえで、客観的に専門家の援助が必要な場合は、会社の産業医やカウンセラーにつなぐことが管理職の任務らしいです。
管理職は専門家ではないので、その部下の症状に踏み込んでしまうと、悪化の危険性や感情的になる可能性をはらみます。あくまでも役割として援助するのであり、改善や治療を行う役割ではないことを自覚しなければいけないということですね。
もちろん、ストレス反応の原因が直接的に職場環境や仕事内容にある場合は、部下の申し出に応じて調整することはできると思いますが、限度を超える場合は上記のように専門家につなぐという姿勢が大事だと思います。
異常を示すサイン、「けちなのみや」
しかし、部下の異常なサインって何を持って異常なのか。専門家ではないのに専門家につながなければいけない管理職。こちらについては産業医の先生のインタビュー記事があり、こちらが秀逸です。
対応が必要な部下の「しぐさ」についてこのようにまとめていらっしゃいます。
け:欠勤
ち:遅刻・早退
な:泣き言を言い出す
の:能率の低下
み:ミスが多い
や:辞めたいと言い出す
うわ・・けちなのみや・・見たことがある。。。
とても現場に即したよい記事だと思います。ファクト(事実)に基づいて情報を集め、部下の発言には受容的に接する。ある程度職場での環境調整を行いながら、それでも結果が出ない場合は産業医につなぐということです。
ここで、指導に感情や思い込み、圧力が働いたりすると、なんちゃらハラスメントが発動するという仕掛けになっているように思います。
けちなのみやのエビデンスをしっかり取ることで、低パフォーマンスを見える化し、感情を入れない形で対応できるという仕掛けですね。
管理職も悩んでる
会社は組織で動くことが多く、人間の集まりで形成されている以上、メンタルヘルスの問題は永遠の課題だと思います。
私も若いころ、メンタルヘルスの知識もないまま管理的なことを行い、いろいろNGパターンを経験したなあと思います。上記をまとめていてそう思いました。
けちなのみやにどれだけ翻弄されたことか・・。
ちなみに
前回メンタルヘルスの記事を書いたときに、「オンライン/リアルタイムで専門家と相談できたらいいのに」と書いたのですが、関連するWebサービスを教えていただきました。
ITエンジニアがメンタルヘルスを守るためにできることは何か - orangeitems’s diary https://t.co/9kpfBPdnXL
— いせたん/Issei Nakamura (@ise_tang) 2019年6月10日
Carelyを導入して頂ければ、エンジニアに限らずどなたでも、どんなことでも保健師さんが相談にのってくれますよ!
メンタルヘルス関連について、どの会社も手続きがまどろっこしくて機能していないパターンも多いので、非常に良いWebサービスのように感じます。ご興味があればぜひご確認ください。