orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



新人教育「報連相の徹底」に隠されたナゾを解く

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報連相の意味

確かに、報告・連絡・相談(報連相)は新人教育の基本と言われていますね。

 

togetter.com

 

しかし、ちょっと待て、勤続二十年レベルの私は報連相を徹底しているか?と自分に問いかけると、思いっきり報連相していないことに気が付きます。

社会人経験が長い方は心当たりがあると思いますが、報連相しているかって言ったら、おそらく新人に要求するうちの5%ぐらいしかしていないんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。

では、なぜ、ベテランは報連相をほとんどしないのに、新人に報連相を強いるのでしょうか。真に受けた新人が、なんでもかんでも報連相したら、「あなたはもっと自分で調べなさい。自分で調べないと力がつかないぞ。」なんて怒られる。その一方で報連相しないと「何でそれを報告しないかなあ。自分一人で仕事してるんじゃないんだぞ。」と先輩や上司のマウントの道具にされてしまいます。

一体、この報連相とはなんなんでしょうか。上記記事のような責任転嫁の道具なのでしょうか。

 

考察

私はこの報連相、以下のような意味だと思っています。

(必要に応じて、必要な人に)報告すること。
(必要に応じて、必要な人に)連絡すること。
(必要に応じて、必要な人に)相談すること。

この()の中が非常にわかりにくい。

まず、何を持って必要かわからない。そして誰に伝えるべきかもわからない。わからないだらけで新人が報連相を指示されたとしたら、まずはその指示した上司に対して、明らかに不要ではない限り頻繁に報連相をしたほうがいいわけです。

しばらくして職場に慣れてくると、自分の中で処理する仕事も増えて来たりして、上司に報告するのは異常系のときだけになってきます。また上司ではなく別の役割の人に連絡する仕事も増えますよね。別部署やお客様など。そして相談はこっそりと、同期や仲のいい先輩にしたりします。

報連相をしろ!なんて短いセンテンスで表現していますが、隠れた部分に動的な意味が隠れているので正直わかりにくい標語だと思っています。だったらちゃんと、()を外して新人に教えてあげないとかわいそうなのですが、「それぐらい地頭のいいやつはできるもんだ」と言う迷信によって社会人の入り口でつまづく人がいるのでこうやってまとめてみた次第です。

ちなみに、会社でいうトップの社長はというと、報連相などほとんどしません。株主や取締役に報告、連絡は受けるばっかり、相談など気心の知れた腹心ぐらいにしかできないでしょう。

組織ピラミッドの上に行けば行くほど自分から報連相することはだんだん減っていき、部下からの報連相が増えます。そしてあまりにもむやみやたらに報連相が部下からやってくると「君たちはなんでも報告すればいいと思っているようだけど、ちゃんと必要性を吟味しなさい。私は忙しいんだ。」なんていうテンプレ上司ができあがるんですね。

このギャップが、報告したら怒られ、報告しなかったら怒られる、を生むわけです。

今となってはすごくあたりまえのことを書いている気がするのですが、どうもこの辺りをわきまえた新人の方が上司から気に入られやすい傾向にあり、得をするような気がするのであえてお伝えしてみました。

 

自分自身を振り返る

そもそもこの記事を書いたのは、すごく報連相って社会人教育で強調される割に、自分自身は報連相してないなという気づきでした。ただ全くしていないわけではなく、仕組みを作っています。

組織内において、基本的にメンバーの仕事は全てBackLog(課題管理ツール)に記入するように徹底しています。そこには各タスクのスケジュールもわかれば、プロセスもわかります。優先度や緊急度もわかりますから、報告を受けるまでもなく、内容を読めば理解できます。つまり、報連相は極力減らし必要な人が必要なときに読め、ということにしたいのです。プッシュ型ではなくプル型と言えばいいでしょうか。本当に緊急なときだけプッシュ、つまり騒いでくれと言うことにしています。騒ぐことと緊急度がリンクしていればこれは効率的です。

また、プロセスを進めるところでメンバーが悩む場合は、BackLogではなく現場にいれば直接相談をしたり受けたりしていますし、外出していればチャットで受けます。ここでメールを使わないのがポイントです。メールの悪いところは同報(CC)であて先が拡散してしまうことです。「必要に応じて、必要な人に」はメールは破綻しています。会話かチャットでその場で解決したい。

あと、相談ですが、私ぐらい長くなると全部ひとりで解決します。もちろん技術サポートに問い合わせを行うことはありますがそれは相談でも何でもないです。私のツイッターアカウント(@orangeitems_)のタイムラインを読んでも、システムエンジニア/プログラマー足るもの、自力で解決できてこそだという矜持を感じます。「わからないー、おしえてー」というコミュニケーションって、現場ではほとんど見えないなあと思います。周りに新人がいないというのもあるかもしれませんが・・。私自身相談できる現場に所属したことがこの20年余りの間ほとんどありません。

ですから、無駄に報連相が飛び交う職場は、非生産的なコミュニケーションの塊です。無駄を省くことイコール、報連相のうち無駄な部分を省くということに他ならないわけで報連相の徹底って誤解を生む言葉なのだと思います。

まあそう考えると、

「(必要に応じて、必要な人に)報連相!」

って叫ぶより、

「必要に応じて、必要な人に!(報連相)」

って教えた方がよっぽどわかりやすいんじゃないかって思うところはありますね。

必要じゃないときに報連相するから怒られるんであって。必要な時に報連相しないから怒られるのです。

 

ですから、新人の方、この(必要に応じて、必要な人に)の部分を大切にしてください。社会って不条理だなと感じる前に、教え方が微妙なんだって思う方が随分マシじゃないかと思いますよ。