はじめに
#IT業界クソ現場オブザイヤーというタグをツイッターで見ていて、何だか面白いのでどんどん読んでいました。専門用語のようなものが乱れ飛んでいたので、少しまとめてみようかなと思い私の思い出付きで解説します。
用語集
ジョイン
何だか転職して入社することをジョインっていうみたいですね最近。
で、ジョインするという言葉が似あう会社は、退職率も高そうな気がします。ベンチャー気質というか、役割があって入って、役割が無くなったから別に移る、みたいな文脈の中でジョインという言葉が使われるような気がします。
ジョインして終身雇用される感じではなさそうですものね。
ちなみに、ジョインの反対はリタイアだと思うんですが、あんまりリタイアっていう言葉は使われず、普通に退職というか、皮肉を込めて卒業という言葉を使うことが多い気がします。
サラリーマンに卒業も何もないと思うんですが。
面談
面接ではありません。
派遣契約やSESでの、常駐先顧客と面接は禁じられております。
でも、「人と人だから、相性とかあるじゃないですか~」みたいな雰囲気で、やんわり会ってみるみたいなニュアンスで面談という言葉は未だに使われています。
面談の結果NGとなりました、っていうのはよくある話。言葉遊び。
プライム、二次請け、孫請け
プライムとは元請けのことです。顧客から直接受注したベンダーのこと。
プライムはかなり高額な見積を出して受注して、協力会社に人月商売で一人一月〇〇万みたいな依頼をだして人を集めます。二次請けに投げたらそこの協力会社にさらに低い単価で丸投げして、孫請け誕生。そんなSIerのゼネコン的商売は批判にさらされることが最近多いですね。
一つの現場や会議に、いろんな会社の社員がくんずほずれつして、たくさんのドラマが生まれることをよく知っています。
ローンチ、サービスイン
本番サービスが始まることです。Web系だとローンチといいやすい。SIer系だとサービスインって言うところが多いんじゃないでしょうか。
運用方法はこの日を境に変わりますから、いつの時代も大事な日だなあと思います。
オンスケ、バッファ
スケジュール通り進んでいること。On Schedule。なんだかうまくいっている雰囲気を醸し出す言葉ですが、裏を返せばバッファ(何かあった時に対応できるように余分な時間を設定しておくこと)がないことを示す場合があります。
オンスケということはスケジュールを前倒しできていないことを示すので、プロマネがスケジュールを余裕を持って引いたと初めにいっていたのに、オンスケという言葉が出てきて戦慄が走ることがたまにあります。
アサイン
仕事を割り当てたよっていうこと。
この十年くらいですっかり日本語に馴染んだ感あり。
あなたにアサインした=責任持てよ
アサインできる技術者がいないんですよー=その仕事受けません
ビジネスホテル
案件が炎上したことを会社に伝えるためのツール。
フェイクとして取って、雰囲気出すときにも使える。
現場によってはタクシー代よりも安い。
リスケ
リスケジュール(reschedule)。再度スケジュールすることですが、すっかりこの言葉も日本語レベルに普及しました。
何が原因かわかりません。顧客原因なのか、開発がうまくいっていないのか。ビジネス上の都合なのか。リスケという言葉を聴かない日はないくらい。
内製化
会社の中にIT部門を作り、ベンダーにやらせていたことを自社内で完結できるようにすることです。日本企業においてはIT部門への人へ投資は経費扱いするケースが多く、できるだけ少人数にして外部ベンダーに丸投げすることが多かった背景があります。
そうすると、ベンダーの言いなりになってしまいコスト増になったり、使われないシステムが生まれたりして非効率なため、自社で丸抱えしようという話が一時流行りました。
で、一部のテック企業以外はうまくいっていないように見えます。相変わらず経費扱いなため、待遇が悪く増員できないためです。
レビュー
第三者が確認すること。
なお、レビューすればすべての障害は無くなると思い込んでいる人が結構います。
レビューする人次第です。レビューする技量の無い人を1,000人集めても誰も気が付きません。ですから、仕組みとしてレビューを厳格化したところで私は意味がないと思っています。レビューする人のタレントが最も重要。
属人化と引き継ぎ
属人化とは、仕事が人に依存してしまうことのことです。Aさんにしかできない仕事。Aさんが休むと誰もできないこと。などの状態です。
引き継ぎとは、誰かが担当していたことを別の誰かに渡すことです。
属人化していると他人に引き継ぎができなくなるとよく言います。
「引き継ぎ」という行為のときに属人化度合いがわかるのですが、意外と、スキルのある人が引き継ぐとどんな困難な環境であってもうまく引き継いだりします。取っ散らかった業務をどんどん整理していき、引き継いだころにはキレイな構成資料が残ります。
属人化を防ぐコツは、定期的に誰かに引き継ぐことなのかもしれませんね。
WordPress
日本で最も使われている、CMS(Content Managemet System)です。ブログを作るようにWebサイトを作成できます。
このソフトウェアのおかげで、Web屋とSIerの間の溝が深くなった気がします。WordPressですべての仕事を受注する企業と何回かお付き合いしたのですが、SIerとは文化が全く違って驚きました。脆弱性のあるサイトが増えているのはこのあたりに原因があるのかもしれません。WordPressだけで仕事をすれば単価が安くなるのはわかるのですが、脆弱性等々も含めてシステムを管理していくという観点で言えば、SIerの知識は重要です。
WordPressが流行してしまった功罪を考えることは多いです。
チェックリスト
毎回同じようなミスが続くので導入される制度。
導入直後はミスが減るのですが、だんだんチェックリストのチェックが適当になり、レ点がぐちゃぐちゃになり、最後はズレます。
その結果ミスが起こり、チェックリストにチェックリストでチェックすることという行が追加されて崩壊します。
ということで私はチェックリスト否定派です。
ということで
長くなりましたので一旦この辺で。
おそらくいろんな現場で、似たような話になってるんではないかと。
業界に慣れていると日常なのですが、一般の人から見ると不思議な世界だと思います。
私は心地いいですけどね。業界柄、ロジカルな人が多いし。
男性的・女性的、という物差しがあるとすると、女性的な人が多いです。男性の多い業界ですけれども。
IT業界は他業種とコラボしてどんどん職域が広がっている時期なので、今後いろんな人と仕事できるのが楽しみです。あるあるも変わっていくのかなあ。