orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

NTT東日本がRPAを裏メニューにした理由を考える

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NTT東日本のCM

一つ面白い発見がありまして、最近のNTT東日本のCMの話です。西日本の方は全然おなじみないと思いますが、イチローさんと松岡茉優さんが出演されています。

 


NTT東日本 CM『ICTで、「つなぐ」の先へ。』無数のニーズ篇 30秒

 

こちらです。

以前のCMと比べて明らかに違った内容があります。

「RPA」です。

以前、RPAの表現が今一つだったので苦言を呈したことがありました。

 

www.orangeitems.com

おかしいのは、
「RPA=おつかれさま」
というところです。
港区のエネルギー事業で膨大な手作業自動代行を実施したことを示しているらしいのですが。
誰に「おつかれさま」って言ってます??。

 

ところが、最近のCMを観たらRPAの表現どころか、RPAという概念自体が消えうせたのです。

 

NTT東日本自体がRPAを隠した

もっと面白い話がありまして、NTT東日本自体は、RPA構築サービスを持っているんですね。

 

business.ntt-east.co.jp

おまかせRPAの特長

2,700社を超える導入実績がある「WinActor®」を採用しています。
利用開始後のトラブルシューティングや操作説明を遠隔で行うサポートつき(対応時間:9:00~21:00)なので、
情報システムの専任担当者がいない企業でも安心してご利用いただけます。

 

ところが・・。トップページから探しても、出てこない。

それも当然で、サービス一覧から「おまかせRPA」が外されています。

 

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https://business.ntt-east.co.jp/service/a-z.html

 

サービス紹介ページは存在するのに、導線がないということは裏メニュー化したということだと解釈しています。

 

なぜ外したか(考察)

RPAをいろいろ観察していると、利用しているのは大企業か、官公庁中心です。いわゆる大量に人がいて定型的な仕事が山のようにあって、これを自動化することで大量の工数を削減できる。こんな文脈です。

一方で、NTT東日本の顧客はあまねくすべての企業・公共団体となります。日本は中小企業が9割を超えますので、中心顧客は中小企業となります。

きっと、中小企業には現在のところRPAは受けが悪いと思うのです。

定型業務を自動化したところで、もともと人があまりいません。その人たちの仕事を自動化したところで数人の効果しかありません。そしてその数人が仮にオフィスからいなくなってしまったら、オフィスはがらがらになります。おそらく経営者も何のために働いているかわからなくなるのではないでしょうか。中小企業は「家族的な経営」が強みですので、自動化自動化じゃ会社はまわらんのよ。そう思っている経営者や要職は多いのじゃないかと思います。

したがって、NTTデータがRPAを前面に持ち出すのなら理に適うのですが、NTT東日本がこれを売り出すのは適さなかったのではないか、と思うのです。一方で大量に非正規社員を雇用している企業。例えば社員3000名(バイト、契約社員を含む)、のような形態の会社には刺さると思います。その場合は一応武器としてはRPAサービスは持っておきたいとして裏メニュー化しているのではないかと推察します。

 

中小企業とRPA

ちなみに、中小企業にRPAが届かないかというとそうではありません。RPAのようなソリューションはまず大企業から始まります。そこでの知見を発展させ、中小企業用RPAソリューションが開発されるに決まっています。ERPなどの基幹システムも、まずは大企業から入り、そこから中小企業向けパッケージやSaaSが開発されていきました。RPAも順番をたどっているだけです。今のRPAはまだまだ大企業にハマりやすくなっていますがだんだんと中小企業、特にITリテラシーの高くない企業へも簡単に利用できるような形に生まれ変わるはずです。しかもその市場の方が実は大企業向けよりも大きいと思っています。

デモ版をさわっても思いましたが、IT業界にいるわたしでもまだまだ使いやすくない感触があります。しかしどんどん使いやすくなり、ワードやエクセル並みの触感に近づいていくのだと思います。

そういえば、あのERP市場の巨人、SAPもRPAを取り込んだ発表が先日ありました。

 

news.mynavi.jp

SAPは5月9日まで米国フロリダ州で開催した年次ベント「SAPPHIRE NOW 2019」において、RPAの「SAP Intelligent Robotic Process Automation」を一般公開扱いとした。2018年10月に発表した後に買収したContextorのRPA技術を統合し、SAP以外の技術についても自動化ができるようになった。

 

中小企業はまだまだ、慌ててRPAを導入する必要はないと思いますが、いずれそのときがやってくると思っていた方が良いと思います。

パソコンだってクラウドだって、メールだってスマホだって、結局は大企業で導入成功したものは中小企業にやってきますからね。