orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。



ARMがファーウェイへライセンス停止 ソースが社内文書?メモ?

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 ARMがファーウェイにライセンス停止??

イギリスの企業ARMが、ファーウェイへのライセンスを停止するというニュースが世界を駆け巡っています。

 

jp.reuters.com

BBCによると、アームは社員に対し、ファーウェイとその子会社との既存の契約やサポートなどを停止するよう指示した。社員への通達は、米政府がファーウェイへの米製品の輸出を禁止すると発表した翌日の5月16日に行われた。内部文書は、アームの設計には、米国を原産地とする技術が含まれると説明しているという。

 

 

かみ砕いて言います。

・ファーウェイスマートフォンのCPUは、自社供給をうたっています。
・Kirinという名前のCPUです
・CPUの設計は子会社のHiSiliconが行っています。
・生産は台湾のTSMCという会社が引き受けています。
・HiSiriconの設計時にはARMからライセンスされた知的財産権(IP)を利用し、ARMに代金を支払っています。

ということで、実際のCPU製造は台湾TSMCが行っています。もし、ライセンスが打ち切られると、まずはHiSiriconの設計を実際に製造する段階でライセンス違反です。

上記の図式で言えば、台湾TSMCが契約違反の設計で製造を引き受けることがまず非現実的です。

台湾TSMCは、AppleやGoogle、Nvidiaなどたくさんのアメリカの顧客からARMアーキテクチャーの半導体を作っているため、ARMのライセンスを違反しているとなったら全面的にビジネスが行き詰まってしまうと思われます。

このあたりの事情は、下記の記事に詳しいので、ご興味があれば読んでみて下さい。

 

中台勢恐るべし!世界初の7nm モバイルSoCは中国勢が設計し台湾で量産 | Semiconductor Portal Inc.

TSMC の関係者によれば、Nvidia、Xilinx、Google、Qualcomm、 Mediatek、Broadcom、AMDなど先進半導体企業の7nmロジック製品だけではなく、中国勢の仮想通貨採掘マシン用の超高速ロジックASICも製造受託している。 

 

しかし、ニュースソースが曖昧

 このARMの件、真実ならばファーウェイにとって致命的です。それだけに、本当なのか?という視点で言えばエビデンスが欲しいのですが、どのニュースを見ても「BBCが報じている」です。では、どんな報じ方をしているのでしょうか。

 

www.bbc.com

UK-based chip designer ARM has told staff it must suspend business with Huawei, according to internal documents obtained by the BBC.

 

(日本語訳)

BBCが入手した社内文書によると、英国を拠点とする半導体設計企業ARMは、Huaweiとの取引を中断しなければならないとスタッフに指示した。

 

この、internal documents(社内文書)という書き方がかなり微妙ですし、 company memo(会社のメモ)という表現もあります。

世界中駆け巡っているこの情報が、この「メモ」しか根拠にしていないというのはあまりよろしいことではないような気がします。

また、日本の報道を見ると「英BBCが報じる」としかないため、私は現時点ではこの件を話半分で考えています。もし真実ならば、今日にでも会社からきちんとレポートが出るでしょう。また、英ARMの親会社がソフトバンクグループであることもあり、その筋から表明があるのかもしれません。

 

情報を確実に

ついに米中貿易戦争が確実に日々の生活に影響を及ぼし始めたこともあり、人々の関心もかなり強い状況です。それに従い、裏の無いもしくは薄い情報が駆け巡りやすくなっているように思います。

ニュースの読み方として、ぜひ、すぐうのみにせず、情報のソースまでたどっていくことをお勧めします。

ファーウェイのCPUは実は台湾が製造している、なんて始めて知りましたし、製造しているTSMCがかなり世界のモバイル半導体の製造を握っているんだなということも勉強になりました。

正式発表が仮にありましたら、本記事を更新します。