orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

RPAがオフィスから5000人を消した事実

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5000人の人員削減

三井住友ファイナンシャルグループが3年で5000人の人員削減を、RPAの力で成し遂げるというニュースが流れていますね。

 

this.kiji.is

三井住友フィナンシャルグループがITなどによる省力化技術を活用し、2017~19年度の中期経営計画の期間中に、ローン関連事務などの業務量を5千人弱分削減する見通しであることが22日、分かった。従来計画から千人弱分上振れする。

 

5,000人と言うと・・。NHKホールの全席が3,800人ですから立ち見まで入れるぐらいの人数がオフィスから消えたという計算になります。

すごいですよね。

 

考察

おそらく国民が盛大に勘違いしていると思うのですが、AI(人工知能)が仕事を奪ったわけではありません。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。何が違うの・・という話は本ブログにもいっぱい関連記事を書いていますので省略します。

まだ、AIが奪ったというのなら救われる話じゃないかと思うのです。AIは人間の知能をシミュレーションした高度な次世代の情報技術ですからね。人間を疑似人間が置き換えるとしたら、それは近未来だしサイエンスフィクションでもあります。でもそんなAIは残念ながらまだ登場していません。コンピュータシステムの中で一部の機能として、人間の認識機能を模倣して使われているぐらいの領域で完結しています。AIなんとか、と言っているのって、ほとんどは分析を自動化したものが多く、人間の多くの可能性はまだまだ今のAIには代替できません。また、AIを使わなくても昔からコンピュータシステムはありましたし、だからといって人間の労働はますます必要となっているのは言うまでもありません。

しかし、今回、仕事を奪ったのはRPAです。RPAの本質は、GUI操作の自動化です。過去コマンド処理が中心だったときは、バッチプログラムとスケジューラーの登場で、どんどんシステムの自動化が進みました。しかし何らかの情報をシステムに入れ込むときは人間に頼らねばならず、そこにGUIを用意してオペレーターが入力していくというスタイルの事務仕事が大量に発生しました。今回のRPAは、そんなGUI前提のオペレーションをバッチ化するアプリケーションです。

本来は、RPAに頼るのではなく、もっとプロセス分析をして仕事の仕方自体をイノベーションしなければいけない・・という論調が多い中、三井住友FGはやりきってしまい5000人をオフィスから消したわけです。このインパクトは抗うことは不可能です。5000人を目の前にしたら必ずそう思うはずです。

本当に感覚的に、感情的に思うのが、5000人も「RPAで自動化されてしまうような仕事」に就いていたという事実です。人間にしかできない非定型な仕事だと思っていたらRPAという技術が生まれ自動化してしまった。ちょっと時間を巻き戻せば、バッチプログラムで自動化できることを、1行ずつ人がコマンド入力していたというぐらいなものです。定型的であり機械化されうる仕事に5000人が就かされていて、ずっと業務時間中それをやっていたという事実です。

今回は記事のように、解雇したわけではなく自然減の従業員に対して補充しないかたちで進めていますから、インパクトが直撃した人はいないのかもしれません。ただ現場はそういう雰囲気ではないのではないか‥と思います。人が消えた‥と。

三井住友FG一社でNHKホール超満員ですから、ここから大企業がどんどん同様なことを行っていくとすると、それこそさいたまスーパーアリーナどころの話じゃなくなっていくんじゃないかと。そうすると、日本でRPAに代替される仕事に就いている人がどれくらいいて、その人たちの仕事は今後何になっていくのか。興味はつきません。

 

会社は守ってくれない

終身雇用制度が終焉を迎えていることは最近の話題ですが、こういったRPAのような技術が急に現れる状況をふまえると、変わり続けなければいけないのは企業だけではなく個人もということになると思います。

今の仕事、もしかして、自動化されちゃう?、そんな仮説を常に持っていないと、安定した仕事に就いているつもりが、とんでもない未来が待っている可能性があります。

私はシステムエンジニアで、技術の入れ替わりが激しいこれまでの20年をよく知っているので違和感はないのですが、一般企業にその波が押し寄せているという気がしてなりません。

RPA、使ってみたら理想通りには行かないよ~、という声もよく聞く半面、共同通信経由でRPAが5000人削減みたいなニュースが出てくることを考えると、理想通り使える会社が今後生き残っていくという考え方もできようと思います。個人レベルで幅広くキャリアアップを考え実施していかないと自分の身は守れないなという認識を新たにしました。