orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

1 on 1ミーティングを私がお断りする理由

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1 on 1ミーティング??

1 on 1ミーティングという、耳慣れないものが報道されていました。

シリコンバレーで流行しようが大企業で採用されようが、自分の頭で考えて納得しないと気が済みません。

 

www3.nhk.or.jp

部下と上司が面談を頻繁に行う「1on1ミーティング」と呼ばれる人事制度の導入が大手企業の間で始まっています。アメリカ シリコンバレーでは広く導入されていて、コミュニケーションを深め、仕事の成果を上げることが期待されています。

 

考察

この文章を読めばわかる通り、「1 on 1ミーティング」なるものをやることにより、社員が主体的に行動するようになるそうです。逆に言えば、上司の言う通りしか動かない社員たちが多くて大企業は悩んでいたということになりますね。

確かに、老舗の大企業では、企業文化が硬直的になりしきたりがたくさんあってそれ通り仕事すればいいという風潮にあり、そのため環境の変化に適応できず様々な企業が破たんに追い込まれたという例を聞きます。ここ最近は、異業種から競合が現れたりゲームチェンジャーが現れたりする時代です。しかも急に。特にベンチャーや外資系を経験した人が老舗企業に入ると、その文化の違いに驚き、それを改めなければいけないということで導入するのでしょう。

1 on 1ミーティングについて、その具体的な方法を学習することにします。

 

diamond.jp

部下と上司との新たなコミュニケーションのあり方として、「1on1ミーティング」を取り入れる企業が増えています。デジタルなコミュニケーションに慣れた若手社員が増え、新人社員の3割が3年以内に退職するといわれる時代。部下の本音を聞き出し、モチベーションを高めるにはどのようなコミュニケーションが有効なのでしょうか。『人事こそ最強の経営戦略』の著者であり人事戦略コンサルティングの第一人者・南和気氏が、人事が事業を支える企業を紹介していきます。今回はヤフーと 1on1ミーティングを取り上げます。

 

具体的なその方法について、以下の記載があります。

一週間に一度、30分/人とする。
部下は10人以下とする。
以下のアジェンダとする。

1. 目標に対しての現状の確認と問題点の特定(10分)
2. 業務上の経験や気づきの振り返り(10分)
3. チームや組織に対する意見や気づき(5分)
4. その他の悩みや相談(5分)

また、聴くことを心掛ける。

 

だらだらと進めたり、人数が多かったりすると失敗するそうです。

 

さて、ここまで理解したところで、私の意見です。

なぜ、会社はこんなに、各社員に目標を設定させ、それに対して問題意識を持ち業務経験の中で学びを実感させ、成長させようとするのでしょうか。

正直言って、この仕組み自体が全然主体的ではありません。会社が個人に指示しているという絵は変わりません。

にもかかわらず、多くの会社で「キャリアプラン」のようなものを作らせ、教育計画を管理させようとします。多くの経営者が正社員のキャリアプランを形成しなければ企業が弱くなってしまうという意思の現われだと思います。

ただ、私は二十数年前の新卒の時からとても違和感を持ってきました。目標を立てさせるしそれを振り返らせるけれども、達成したとして給与に全く反映しない。

そもそも、給与に対して反映させる目標設定であれば、低めに設定したほうが有利ではないですか?

もし、営業部門なら、達成が受注額で決まるので客観的な目標設定は可能ですし、そういう意味では自分自身が目標設定する必要すらありません。しかし、技術部門の場合、定量的な目標設定は困難です。だから、結構、本人に自由に書かせそれに向かって努力させようとするのですが、給与に直結しないのであれば、会社が関与する問題じゃないだろうと思ってしまうのです。

しかも、学校じゃないんだから、悩みや相談なんて聴くだけ野暮です。上司はカウンセリングの専門家でもないので、むしろ上司の方が病んでしまう例もあるのではないでしょうか。カウンセリング自体は非常に聴く方がエネルギーを使うため、専門家に任せる類の業務だと思います。

一方で、ではどのように社員を主体的にするべきかという案です。まず、目標設定は個人ではなくチームに対してすべきです。しかも、売上や利益など、誰にでもわかる数値で実施するべきです。顧客満足度や受注件数など別の尺度もあるのですがこれは現場の特性によって変えればよいと思います。なにしろチームメンバーが誰でも見てわかる目標を意識付けさせるべきです。

そのうえで、それを達成するためにはどうすればいいかについて、各メンバーが何をするかを能動的に考え行動するように指導するべきです。この過程で各メンバー個人の目標や達成などには目を向ける必要はありません。個人単位は年1回の評価で十分だと思います。チームが達成できた場合は、それを達成した要因は何かを管理職が評価し、それに合わせてメンバーを評価していけばよいと思います。結局は相対評価であり、全員が個人目標を達成したところで、チームが業績に寄与する形で達成していなければ、何の意味もないと思います。

ある年に、会社全体の経営成績は計画未達なのに、従業員の個人評価平均は真ん中より上という訳の分からない状況を経験しました。結局、給与が関係する評価というものは全体的に甘めになるのです。そのとき、全員プラス評価にするわけにはいかないでしょう?

チームにしろ経営にしろ、目標は何でありそれに対してどんな戦略を用いて達成していくか。いわゆる経営戦略・経営目標ははっきり作り、しっかりメンバーに学ばせる必要があります。しかし、その細かい方法はチームとメンバーが実装していく。これが実際的・主体的な仕事だと思っています。実装方法まであれこれ口出ししすぎるから、「そのとおりやっておけばいいんでしょ」になっちゃう。

なぜ、こんなことを思っているかと言うと、私がすごく仕事ができていた期間に業績が良くない部門にいたんですね。キャリアシートには「こんなに仕事やったぞ!」っていっぱい書いたのに、なんだか適当な評価しかいつも付かなかった。

どんなに、面倒見のいい上司がいようが週に30分話を聞かれようが、個人目標を立てて達成しようが、給与明細に反映されなければ逆に会社への忠誠心は下がる一方なのです。だから、評価と関係のない個人の目標設定なんて会社がやるべきではない。

若いときに、ベンダー資格を20くらいいっぺんに取った時期があったのですが、会社のどこかから「あああの資格マニアね」っていう声が聴こえてきて怒り心頭になったのは秘密です。※転職前の話です~

したがって、今後も私は半径10メートル以内で1 on 1ミーティングを導入するつもりは全くありませんし、お勧めもしません。他社がそんな時間を費やしている間に、業績を伸ばすためにチームメンバーと一緒に時間を使っていくつもりです。

 

聴きたくない

まあそんなわけで、本当に私は1 on 1ミーティング(週に一対一で30分的な)が嫌いなのですが、個人的な経験から言うとこんなイメージが浮かびます。

・不満を持っている/モチベーションが下がっている/幼稚である人ほど、話が長い。しかも、この前言ったのに何もしてくれないと、もっと不満を持つ。そんな人ほど会社を辞めない。

・満足している/モチベーションが高い/成熟している人ほど、話がない。

ですから、結局のところ、人格の低い人と関わり合いにならない方が生産性が上がる・・。自分の仕事に迷惑をかけてくるので、放っておきたい。若いころは、そんな人を自分の教育力で改善させて、素晴らしい技術者にしようなんて奢った時期もあったのですが、もう絶対に無理と最近では悟っています。

個人目標や進捗や悩みを聴く、何ていうのは教育的な側面を持つのですが、そんなことに手を突っ込むより、人格の成熟した人と一緒に仕事したほうが百倍効率的と思うようになりました。したがって、もはや仕事をする人自体を選ぶところで1 on 1ミーティングが必要になるような状況を回避しています。また、あまり人手が要らず大きな売上/利益が目指せるような領域を狙って仕事をしています。少数精鋭です。

 

www.orangeitems.com

人格が高い人と仕事をすると思うんですけど、スキルなんて時間とモチベーションさえあれば何とかなるのではないかと。でも、人格を軽視し格の低い行動や言動をとる人は、もうスキルがあろうがなかろうがどうしようもないです。一緒に仕事をしても、マイナスのエネルギーを消耗して、仕事にならんのです。一人で仕事したほうがまし、とも思えるくらいです。私は人格の高い人と仕事がしたい。

 

ということです。人格が大事。若い人には、スキルばっかりに目を奪われないで、人として成長すること(七つの習慣を学ぶなど)。そしてスキルの基盤となる基本(ITの世界で言えば基本情報処理試験)を大切にすること。これらを大事にしてほしいなと思います。主体的でないことに悩むのはこの2点がボトルネックとなっている場合が非常に多いと個人的に思います。