orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

Adobe Create Cloudで突然過去の製品が利用禁止に、サブスクリプションのデメリットが前面に出る事例

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Adobeの話題

デザイン業界では有名なAdobe。最近はAdobe CC(Creative Cloud)というサブスクリプションビジネスへの転換と成功が話題でした。

 

www.businessinsider.jp

実際、アドビも2011年以前は、クリエイターツールの「Photoshop」や「Illustrator」を単体、もしくはスイート(Adobe Creative Suite)と呼ばれる複数ツールをセットにした形でボックス売りし、これが同社のビジネスを支えていた。

 ところが2011年、アドビはCreative Cloudと呼ばれるサブスクリプション型の「年間契約のライセンス形態」に移行することを発表した(日本では2012年4月23日より提供を開始)。

実際にはその後、Adobe Creative Suite(CS)も併売されていたため、いきなりサブスクリプション型に完全移行したわけではない。

しかし、ここ数年の最新版はCreative Cloudのみで提供しており、現時点ではほぼ完全にCreative Cloudへの移行を実現したと言っていい。

 

このサブスクリプション型への移行の呼び水として、契約したら過去の製品も使えるよ!という大きな変更をしたのは2013年でした。

 

news.mynavi.jp

アドビ システムズは、同社のサブスクリプション製品「Adobe Creative Cloud」の規約変更に関して、公式サイトのFAQ更新に先立ちって公式ブログ「Creative Cloud Blog by Sho Nishiyama」上にて発表した。

このたび変更されるのは、Creative Cloudにおける旧バージョンの利用に関する部分。今後はCS6までのバージョンであれば、無期限でさかのぼって使用することが可能となる。また、それに加えて、Creative Cloudの同時使用に関する規約も変更され、最大2台のパソコンでの同時使用が可能となった。これらの変更により、例えば異なるバージョンの「Illustrator」を任意に選択し、同時に使用するといった利用シーンも実現する。

これまで、同社公式サイト上のCreative CloudのFAQではアプリケーションの使用期間について制限がある旨が記載されており、現在は「次期バージョンのリリース後、最長1年間使用し続けることができます」と記されている。この規約にはかねてから多くの意見が寄せられていたという。それを受け、同社は2013年初旬、アプリケーションの使用期限を最大5年程度まで拡大する方向で検討していることを告知してきたが、この変更によって期限自体を撤廃することが定められた。

 

販社も、CS6(過去のバージョン)も無制限で使えるよ!、ということを売りにしてCC(サブスクリプション)を売っていったということです。

 

www.itmedia.co.jp

 「Illustrator」「Photoshop」など、アドビシステムズのクリエイティブツールをサブスクリプション(期間契約)で使える「Adobe Creative Cloud」(CC)。最新版のCCはもちろん、「Creative Suite 6」(CS6)など過去の好きなバージョンも使えるほか、継続的なアップデートによって最新機能をすぐに試せるなどの特長がある。

 

急に梯子が外れた?!

そして、今Adobe(特にCCを使っていてCS6を使っていたユーザー)が昨日あたりから騒ぎ出したのが下記のニュースです。

 

jdash.info

概要 ▶ Adobe CCはCCの好きなバージョンが使えるわけではなく、Adobeが認めたバージョンだけが使えますという方針に変わったようです。それも事前の予告もなく今日突然。

 

公式フォーラムでも悲鳴が。

 

デザイン業界では古いバージョンでの作品(資産)もたくさん残っていて、新バージョンにすると崩れてしまう事象もあるそうです。

とりあえず、パッケージ版を購入していたユーザーには影響はないのですが、どうもサブスクリプション版のユーザーはアップデートが必須のようにも思われ混乱が広がっているという状況でした。

 

Twitterでの反応

後学のために、この影響をTwitterから引用します。

 

 

 

 

 

なるほど。

サブスクリプションは「所有」ではないので、サブスクリプションで何か手に入れたと思うことは錯覚であることを思い知る必要がありますね。

いつ手の中にある者の形が変わっても、文句は言えない、・・と。

どういう形で収束するのか興味深いです。