orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

現在のAIは高校生レベルである

f:id:orangeitems:20190508171258j:plain

 

AIのことを話したい

AI(人工知能)談義です。

まあAIといっても定義が曖昧ですが、AIから手を広げてRPAぐらいまで考えてみます。どちらにしろ、人の仕事を代替する手段です。

AIやRPAが人の仕事を奪うと言われて久しいですね。

さて、このAIですが、私も商売に使おうかなとずっと思っているのですが、残念ながらまだ仕事に使いたいレベルまで来ていません。

使いたいレベルとはどんなレベルなのか。また、今のレベルとはどういう位置なのか。そのあたりをまとめておきたいと思います。

 

現在のAIは高校生レベルである

こういう言い方をすると高校生に失礼かもしれませんので一生懸命説明します。まず今のAIができることは「指示したことに対して応答すること」までです。いわゆる定型的な仕事しかできません。今AIでよく使われるのはチャットポッドと画像認識・音声認識ですが、これもどんな情報が欲しいかをたくさんインプットして、その中から適切なものを探しアウトプットしているだけです。

この、範囲が決まっていて、それを計算して結果を出すというのは、実は高校生が最も得意だと思います。高校の履修範囲は小学校~大学までの過程の中で最も量が多い。この中から問われる問題に対して、正解を導くというのは、これは今のAIがやっていることと類似しています。

いわゆる、定型的な仕事をすることに関して、RPAよりももっとあいまいな情報から回答を示すことができるのがAIの今の得意技です。

ですから、世の中の定型的な仕事は、AIやRPAに取って代わられる。これは大雑把な言い方をすれば高校生レベルの仕事は今後コンピューターがやれるようになるということだと思います。

もちろん、高校を卒業して大学に進学しなくても、大学生レベルの仕事を身に着け就業していらっしゃる方がいることは十分に存じています。現役高校生、ぐらいのニュアンスです。

 

本当に人が足りないのは、大学生レベル

さて、今の大学生がどんなことを求められているのか、もう卒業してから随分経つのでわからないのですが、大部分の人が卒業論文を書くのではないでしょうか。

卒業論文では、定型的な内容は評価されませんし論文でもありません。学んだ学問の見地から新たな仮説を作り出し、これが科学的に認められるかを検証し結論を出すのが論文の主旨です。学科により色は変わると思うのですが、基本的には客観性が重要であろうと思います。

この作業が「非定型的な仕事」と言われるものです。形のないもの、情報処理されていないものから、客観的な価値を取り出し形にすることです。

この「非定型」と「定型」にはいろんな議論があります。例えば、マネージャーという仕事は非定型業務であり必要と信じられていましたが、サイボウズの開発部門のようにマネージャーを廃止した会社もあります。

 

cybozushiki.cybozu.co.jp

サイボウズ副社長兼サイボウズUSA社長として、サンフランシスコで働いている山田理。若手マネジャーに向けた本の制作を進めていると、社内の開発本部から「マネジャー職をなくしました」という連絡が。

開発本部でマネジャーをしてきた岡田勇樹を呼んで、山田が詳しく話を聞いてみると、「承認は決める人が決まっていればいい」「部下の成長責任を、マネジャーが持たなくていい」といった、新しいマネジャー論が出てきました。

 

廃止した、といってもこの例では組織運営チームに委託していますが、定型化できればできるほど機能は分割できますし、法則性があれば自動化できることとなります。

このように。 

 

www.businessinsider.jp

アマゾンは、倉庫の従業員の生産性を記録するのみならず、目標を達成できなかった従業員を解雇するための手続きを自動的に行うことができるシステムを導入している。
そのシステムによって、ある施設では1年間に数百人が生産性を理由に解雇されたことを同社は認めた。
また同社は、倉庫から解雇される人数は減少していると述べた。

(中略)

更新:この記事の掲載後、アマゾンの広報担当者はシステムが自動的に警告を発し、人間の介入なしに解雇手続きを行うことについてBusiness Insiderに詳細を語った。解雇には最終的には人間の監督者の同意が必要だった。そしてその場合、解雇の決定は人間の監督者から伝えられると述べた。

またその後、従業員は「同僚グループ、もしくは職場のゼネラルマネージャー」に解雇の不服申し立てを行うことができると広報担当者は付け加えた。

 

人間は非定型的な仕事ができることがコンピューターに対しての特徴であり、定型的な仕事は自動化されていくと定義づけるとします。

そう考えた時に、今のAIはまだまだ定型的な仕事中心なのです。ただただ定型的な仕事を非人間的なスピードで処理していくという話に収まっています。高校生でも画像認識や音声認識はできますし、決まった知識から正解を導き出すこともできます。スピードが非人間的に早いだけです。言ってみれば今のAIは、「超高校生レベル」であり高校生の枠を超えていない、のです。

 

定型的と言われる仕事の中にも、非定型的な仕事が存在する

例えば、ファストフードの店員さんはアルバイトが中心で、細かいマニュアルがあり定型的な仕事と見られがちです。しかし実は非定型業務がひそんでいます。「スマイル」です。また、お客様と接客するときに笑顔で気持ちの良い対応を行い、中には常連のお客様を覚えていて軽い世間話までできる方がいます。このようなことは今のAIにはできません。AIと人は人間関係を結べません。ノンバーバル(非言語的)コミュニケーションと言われ、しぐさや表情、声のトーンなど、言葉にならないたくさんの要素に情報が隠れています。これを用いて価値を生み出すことは、実は大きな価値だと思いますし、人間が得意とするところです。

それは、介護の世界でも、教育の世界でも、どんなに定型化が進んでも、「あの人がいい」と言われる非定型な価値は存在することを忘れてはいけません。

この非定型な価値はAIに本当に苦手です。

 

人間の価値を非定型な仕事に求めよう

さて、私がAIをまだ使えないと断言するのは、今のAIで定型的な業務を廻さなくてもコンピュータを知っているのでプログラミングできるからです。もしくはソフトウェアを導入して設定すれば定型的なことはやってくれます。最近はクラウドサービスを利用するという手もあります。AIがまだ定型的なうちは、いろんなソフトウェアやサービスを駆使すれば自動化できてしまいます。

例えば、以下のようなことができるようになったら脅威を感じますね。

私と一緒にAIが会議に出席し議事録を取る。この議事録を勝手にタスク分割し一覧化する。優先度を決め、個人の特性や状況を踏まえて担当者のアサインを決め、マネージャーにどのように仕事を進めていくか相談する。そのアドバイスをもとに再調整を行う。また、技術的要件で難しそうなものをピックアップし、どのように技術を収集するか検討する。うんぬんかんぬん・・。

仕事の進め方はいろいろあると思いますが、はじまりは非定型です。これをどのようにタスクにしていくか。タスクになるともう定型的な仕事になっているので、ここからはコンピューターの出番ですが・・。この領域は日に日にソフトウェアによって生産性が上がっているというわけですね。

この非定型の部分をAIができるようになったら、使いますね。

この非定型のことができる人間が足りなくなっていると感じています。

定型化されていることはできるけど、それ以外は無理。いや、それだと、プログラミングできちゃうんです。

定型に隠れないで!。これができるから他はやりません、それが定型。

ぜひ、いろいろな人に、この非定型なことができることが人間の価値だと考え、定型的なことはどんどんコンピュータに任せていくぐらいの発想を持っていただきたいのです。

コンピューターと同じ次元で争ったら、負けるよ、ということです。

人間にしかできないことを追求することが、今後の価値でありAIに負けない生き方だと思います。